治療と確認と
「お〜い、俺がやってやるよ。その代わりここ奢ってくれや」
「おう、頼まぁ」
「光の精霊、加護を与えん、彼の者の、傷を癒やせ、聖なる灯火、血の足跡」
光の属性である治癒魔法は込める魔力によって回復・治癒の度合いが変わる。
魔力はこちらからも送ることが出来るが、探索帰り故に心もとない。
仲間の魔力頼みである。
「ずいぶん深くやられたな。骨近くまでいってるから少し時間はかかるけど、なんとか違和感なく完治させられるだろう」
ちなみにこの男、集い場常駐の治癒術師である。
実は治癒術自体は使える者は多い。探索中に怪我をして帰還出来なければ、命の危機に即つながるから探索者の間では必須の術でもある。尚、命の危機のみならず遺跡街の物流にも少なからず影響があるため使えない者は安全確保を充分に取ることを徹底されている。
話が逸れたが、この男程治癒術の腕が良いものは探索者の中にはいない。光の精霊の愛し子なのか、医師としての技術を納め転用しているのか、はたまた別の理由があるのかは誰にも分からない。
「なぁ、あんたならどんな怪我でも治せるかい?」
「傷の程度と魔力、報酬によるね」
「例えば片腕を無くした子どもとかは?」
「片腕丸ごととなると魔力が足らないな。2,3人分あれば生やすことは出来ると思うけど」
「報酬の方は?」
「手くらいなら金貨1枚だけど、腕なら3枚ってとこかね」
そんな会話をしていると治癒が終わった。
今度あの少女を見かけたら声を掛けてみようか・・・・。




