休息と困難
押し寄せる怪物を蹴散らして進むことしばし。
そう、なんとか蹴散らせる程度の強さの怪物しか来ていないのに、だ。
「「すすまない・・・・・・」」
なんとか怪物の遭遇が落ち着いたので休息をとっていた。
「少し、休めますね」
「コレのせいかな」
やはりカタナには怪物誘引に類する効果があると見ていいと思う。
「大物に出遭ってないのが幸いと言えるかも知れないけど、ここまで戦闘が続くとキツイね」
「ヒヒイロカネにこんな効果があったとは・・・・。運用方法はよく検討しなければ」
水を飲み、軽食を食べ、休む。
装備・所持薬品等も確認し、改めて出発する。
すぐに人狼に出遭い戦闘をする。カタナにも慣れてきたし、人狼自体も数体倒せば撤退したのでそこまでの脅威ではなかった。
はずだった。
新たに現れたのは1体の白い狼。
白狼か、銀狼か、と油断していた。
パシッ
電光が走り、同時に左二の腕に切り傷。否、大きく噛み切られていた。
「雷光狼か!」
雷速で移動する、狼系の怪物。脅威度は高。見つけたら即逃げろとも言われるもの。
しかも今の一瞬の交差で両手で扱うカタナを持ちながら片腕を使えなくされた。
無論回復の余地など与えてはくれないだろう。
ここまでの比較にならない程のピンチに陥った瞬間だった。




