アカクラ文書はどこに?
「すごい、これヒヒイロカネだ」
「あ、これが既にそうなの?」
「えぇ、逆に破壊が著しく難しくなりました。魔法防御が高いのですが、念系や物理防御もとても高い金属なので・・・・」
「う〜ん・・・・・・内鍵を風で開けるしかないか」
室内で竜巻を起こす訳にはいかないので、あくまで小規模の破裂を起こす程度の風を起こす。
ぱん!と音がすると扉が開いたらしい。
「お見事です・・・・・すごい制御ですね」
「ソロの採取者はこれがいのちだからね」
そうして室内に入っていく。
ランタンでは燃える物があるかもしれないので使わず、魔法で光を灯した。
「ヒヒイロカネの特性としてはなんと言ってもバランスの良い硬度です。念・術・物理どれに対しても一定以上の強度を発揮します。加工には必要な手順があり、それが記されているのが『アカクラ文書』です」
そんな説明を聞きながら室内を物色していく。金属加工の資料が多く、探求者に渡せばそれなりに金になりそうだった。
「あ、これじゃないか?状態保存の掛かった筒?がある」
「あ、確かに。でもこれって・・・・・」
それは扉の材質と同じ、ヒヒイロカネで出来た筒で切り口等は一切無い、棒であった。




