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遺跡街の仕事人  作者: 黄野ポピー
探索者の宝
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採取者の遭遇

お久しぶりです。前の更新から開いてしまってすみません。うつ、と診断されて自宅療養しています。

「きたれ風の精霊。集い重なり敵を射て。風の射手(ウィンド・アロー)

ひゅおぉぉ! と風が流れると怪物に穴があく。

ぎゃぁぁぁ!と鳴けばばたりと倒れて動かなくなる。


体のあちこちに水晶のような鉱石が生えた蛇、通称・水晶蛇(クリスタルバイパー)。鉱石部分は鎧でありながら剣にも槌にもなる。その上蛇のしなやかさと筋力を持つのだから、かなりの難敵だろう。


しかし、戦闘できる探索者、『採取者(ハーベスト)』にはなかなか出会えないものの、その体を丸ごと売りに出せる幸運な得物だ。

仕留めた水晶蛇を麻袋(防水加工済み)に入れるとまた歩き出す。

水晶蛇はかなり軽いがこれが重い銀貨かいくらかの金貨に換わると思うと頬が緩む。


今回の依頼は水晶蛇の目玉と常闇の果実。集い場で解体してもらえば他の部位の買い取りや斡旋もしてくれる。



常闇の果実は洞窟の奥まった箇所。全く光がない場所でたまに見つかる果物で、狩人や探求者などにとってはありがたい食料とされている。


故に『取りすぎ厳禁』とされながら果実がなっている場所はいくつか共用されている。

その内の一つに向かうと先客がいた。


少し離れていてもわかる汗と垢の臭い。探索迷子か。気配からして食べることに集中していてこちらには気付いていない。どれだけ腹を空かしていたのやら。

持っている携帯食料を渡して一つでも常闇の果実を渡してもらおう。ついでに街まで連れていってやろう。


そう思った。

「きたれ風の精霊。杖に集いて爪となれ。疾風の爪(ウィンド・クロー)

その探索迷子に襲いかかろうとしていた怪物を斬りつけた。三本の風の爪は少しずつ長さが違い致命傷を与える。


その戦闘音に流石に気付き様子を伺う探索迷子。

片腕のない、どうやら少女のようだ。折れた杖を持ち、こちらを認識した。同時に自分が危険な状況であったことも理解したようだった。


「あの…あり、がと…ござい…ぁす」

「いい、無理に喋るな。水と携帯食料なら少し分けられるが必要か?」

その言葉に少女はおずおずと頷いた。


さて、一応事情聴取のはじまりはじまり。

短くてすみません。Db×Wも更新してありますよー

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