危険性高し
Db×Wの方がアクセスやお気に入り件数は高いという....。負けねーぞぉ!!
『緊急!緊急!これより説明を始める!静かに!傾聴せよ!』
そこで姿を見せたのは狩人の連盟の調査筆頭官だ。
狩人の連盟における調査部とは、討伐系の依頼が出された際、依頼で討伐する種類と数が正しいかを改めて見定める役割を担う。
遺跡の中では独自の生態系が成り立っているため、種類にしろ数にしろ、どちらを間違えて討伐しても生態系を狂わせることになる。
生態系を狂わせずに何体の討伐依頼を何人に受けさせるか等、狩人たちへ依頼を最終的に出すのは調査部の仕事なのだ。
そんな調査部の筆頭が掲示ではなく、直接。しかも依頼ではなく説明、ということでこの場に集まった狩人たちは一様に困惑していた。
「あー、まず集まってくれたことに感謝する。遺跡内で極めて危険性の高い討伐指定を下された存在がいるため、それに伴う説明である。実力者には当たって欲しいが、実力が無い者には危険性を、またいざという時に刃が鈍らないようにするため、こうして集まってもらった」
多少のざわつきはあれど、大半の者は『危険性の高い』と聞いてやる気を漲らせている。戦闘狂、などと言われるがそれは間違い無く、狩人として正しい姿でもあった。
臆病者を守ることこそ、狩人としての姿である。
守られなければならない臆病者はこの場にはいなかった。
「まず、今回の討伐指定は人間である」
『っ』
どこかで息を呑む気配。
それだけではないだろうが、調査筆頭官は続けていく。
「性別は男。武装は確認されている範囲では太刀と諸刃の短剣の二本。霊装は不確定。黒い短髪で狂気を帯びている。外見上は以上だが、血に飢え堕ちている模様。戦うのではなく、殺すことに楽しみ出している。現段階では目撃情報はあてにならん。全員、討伐指定を発見した場合は注意されたし。以上だ!」
調査筆頭官が去ってもその場には半分近い狩人が残りザワザワと相談や情報交換をしていた。
『刀』持ちには討伐命令が下るかもしれない。常に万全に戦えるように、そして傷ついた者を手当てできるように備えておこう。
「ふふふふふ.....はははははは!死ね!死ね!死ねぇ!はははははははははは!!!」
足下には夥しい数の怪物の死体。
「ひひひひひ!そぉだ、俺の片腕を切り落としたんだ!もっと血をみせろよぉぉ!!」
怪物の死体と同様に血だまりで倒れ伏す隻腕の探求者らしき少女を見下ろして狂気に染まった狩人の男が狂笑する。




