エピローグ
ヒナとレンのアパート
ヒナとレンはテレビを見ながらお菓子を食べていた。
ヒナがポテトチップスを一枚口に入れる。
「ねえ、なんかこのポテチ味へんじゃない?」
レンも一枚食べる。
「そう?」
「そんなことないと思うけど」
ヒナは首を傾げる。
「うーん」
レンはテレビを見ながら話しかけた。
「明日なんだけどさ、たまにはどっか遊びに行く?」
ヒナは少し考える。
「うーん、ちょっともう無理かな」
「まだ体調悪いの?」
ヒナがきょとんとする。
「あれ?」
「レンには言ってなかったっけ?」
「何を?」
ヒナは何でもないことのように答えた。
「私、妊娠三カ月だよ」
レンが固まる。
「は?」
ヒナはテレビを見ている。
「三カ月って……」
「え?」
レンは指を折り始めた。
「三カ月って……」
ピンポーン。
インターフォンが鳴る。
ヒナが立ち上がった。
「はーい」
玄関の向こうから声が聞こえる。
「こんにちは。ベビーベッドをお届けにまいりました」
「お願いしまーす」
レンはまだ指を使って計算していた。
「三カ月って……」
「先輩の……」
ヒナが振り返る。
「ねえレン」
「運ぶの手伝ってよ」
「……」
「ねえってば!」
レンは顔を覆った。
「く、くそう……」
「やられた!!」
◇
その頃。
フロンティアクエストオンライン。
NPCたちで賑わう酒場の一角で、四人はテーブル席に集まっていた。
タクミがジョッキを置く。
「もし新エンジンが正式リリースされたら、他のユーザーとも遊べるようになるな」
「えー!」
ヒナが目を輝かせた。
「楽しみ!」
ロロも乗り気だ。
「そしたら僕、転職しようかな」
「何になるの?」
「武闘家」
ララが吹き出した。
「似合わないって!」
四人は笑う。
しばらくして。
ヒナがタクミの腕にしがみついた。
「ねぇ、タクミ」
「どうした?」
「ずいぶん甘い声だな」
ヒナは少し照れながら言う。
「えーとね」
「うん」
「赤ちゃんのキャラクター作ってよ」
タクミが固まる。
「赤ちゃん!?」
ロロとララも驚く。
「何だよそれ!」
ヒナは身を乗り出す。
「よくわからないんだけど、無性に赤ちゃん育てたいの」
ララが手を叩く。
「面白そう!」
ヒナがタクミを見ながら手を合わせる。
「お願い!」
タクミは顎に手を当てて考える。
そして真顔で答えた。
「無理だな!」
「えー!」
ヒナがタクミの腕をぶんぶん振る。
「どうしてよ!一緒に育てようよ!」
タクミは笑った。
「だって俺、まだゲームで遊びたいもん」
ロロとララが手を叩いて笑う。
「さすが我らが勇者様!」
ヒナは頬を膨らませる。
酒場には今日も笑い声が響いていた。
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次の彼女は、僕を裏切らない [完]




