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『最果て』の先、『終わり』を望む魔女  作者: まるまるくまぐま
一級魔導士フレデリカ
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合格発表

「いい感じに場が温まったみてぇなんで扉を開けてみたが…オメェらが最終試験の受験者だな。」

 開いた最終試験の扉。

 そこで待ち構えていた試験官、アダン・デュドネは、不敵な笑みを浮かべてそう言った。


「時間も守れない無能が最終試験の担当官?巫山戯るにも程があるわ!!」

 フレデリカはそう怒鳴るのを必死に堪えつつも、そんなアダンを射殺す程の視線で睨んでいた。

 先程、騒動を起こしかけたこと等、一切気にしていなかった。


「それじゃあ、最終試験の内容を説明するぜ!!…と言うところなんだが、最終試験は既に終わってんだ。」

 悪い笑みを浮かべて受験者たちを見渡すアダンは、

「合格者は、クロード・アデールとメヌエール・ド・サン・フレデリカの二名だ!!」

 そう高らかに宣言した。



−−−−−−−−−−−−−−−−−



 受験者たちは困惑しざわついており、不平を叫ぶ者もいる中、落ち着いているのは、そう宣言したアダンと、自身の合格を一切疑っていなかったフレデリカの二名だけだった。

「ちょっといいかい?」

 そんな混乱の中から、もう一人の合格者の声が上がる。

「なんだ?クロード・アデール一級魔導士。」

 合格は確定事項であることを強調しつつ、ニヤッ、と笑い言葉を促すアダン。

「もう一人のお嬢ちゃんの合格には異論無しだけど、儂みたいなババアでいいのかねぇ?」

 不安を口にしたアデールに、

「おいおい、アンタが抱いてんのは、不安じゃなくて不満だろ?」

 アダンはそう笑う。


「不満がある奴らは杖を取れ!!合格者に勝てた奴は合格だ!!」

 悪い笑みを浮かべたアダンがそう叫ぶ。

 杖を取る者、会場を後にする者、それぞれが道を選ぶ中、アダンはアデールの横に立ち耳打ちした。

「合格者同士が闘っても問題ないぜ…婆さん、アンタの望みを叶えてやったんだ、存分に暴れな。」

 ニィ、と笑い高みの見物を決めるアダン。

「ありがとよ、若いの。」

 フッ、と笑って杖を握るアデール。

 襲い来る不合格者たちをのらりくらりと躱しながら、強力な魔法が飛び交う、もう一人の合格者の元へ、一歩ずつ近づいて行く。

「本当…対極的だね。」

 躱す戦い方の自分と、全てを圧倒的力量で制圧するフレデリカ。

 

「老い先短いババアに、冥土の土産話を持たせておくれ。可愛い天才のお嬢ちゃん。」

 フレデリカという少女は、きっと歴史に名を刻むだろう。

 そう確信しているアデールは、小さく笑みを浮かべてフレデリカに向けて魔法を放った。



−−−−−−−−−−−−−−−−−

−−−−−−−−−−−−−

−−−−−−−−−



「フレデリカちゃんですか~?…そうですねぇ~、才能と向上心に関していえば問題ないですね~。」

 ヒルメとフレデリカが共に過ごしたのは、少しの間だが、それでもあの少女の才能と飽くなき向上心は読み取れた。

「ただ…ちょっと心が弱いですね~。勿論、あのくらいの年齢なら十二分なんですけどね~。」

 うふふ、と穏やかに笑うヒルメだったが、

「…というより、お師匠様だって知ってますよね?ずっと使い魔送っておられたんでしょう?…お師匠様はどう思っておられるのですか?」

 目を見開き、漆黒の瞳を向けるヒルメ。

「私のものさしとお前のものさしは異なる故にお前の考えを聞いた。私は才能を見ることは出来ても、力量を見定める力は無いからな。」

 淡々と答える女に、ヒルメはうっとりとした顔で答える。

「お師匠様のものさしの一目盛りは、私たちのものさし一本分以上ですからね~。…その中で選んで頂けるという幸運に恵まれて、恐悦至極です~。」

 


「では、弟子にされるのは確定ということですね~?」

 ハンモックに揺られる女に近付き、ヒルメは問う。

「確定だ。仮に本人が断ったとしても。」

 その問いに、そう宣言する女。

「それでは、暫くフレデリカちゃんが特別になるんですね…」

 瞼を閉じ、更に女に近づくヒルメ。


「では、今日だけは久しぶりに私をお師匠様の特別にして下さい…」

 ヒルメは、女の顔に自身の顔を寄せ、囁いた。






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