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『最果て』の先、『終わり』を望む魔女  作者: まるまるくまぐま
一級魔導士フレデリカ
36/45

最終試験開始

「おやおや…いいのかい?待つ時間も試験かもしれないよ?」

 怒り狂うフレデリカに、優しく問い掛ける老婆は、フレデリカと同じ受験者であるアデールであった。

「この天才美少女、フレデリカ様に喧嘩売ってんの?クソババア…」

 そんなアデールの言葉に、鋭い眼光を向けながら怒気を飛ばすフレデリカ。

「まさか…儂みたいなババアが、アンタみたいな若い才能に勝てるわけないさ。ただの年寄の呟きさ。気にしないでおくれ。」

 ケケケ、と小さく笑いながらフレデリカの鋭い眼光に正面から向き合う。

「喧嘩売っといて、『気にするな』ですって!?巫山戯んじゃないわよ、クソババアッ!!」

 更に眼光を鋭くし、青筋を立てて老婆に噛み付くフレデリカ。

「…絶賛反抗期な孫と同じく目だねぇ…まあ、子どもには必要なことだ…でも、時と場合ってもんがあるさ、それは弁えな、お嬢ちゃん。」

 数々の死線を潜り抜けてきたベテラン魔法使いの目と、フレデリカの眼光が火花を散らす。

 

 一触即発かに思えた状況で、フレデリカは大きな舌打ちをし、溜息を吐く。

「老い先短いババアがイキってんじゃないわよ。まあ、フレデリカ様は大人だから、今回だけは許してあげるわ。」

 吐き出す場所の無くなった怒りを魔法に変え、床に叩きつけながらそう言うフレデリカ。

 フレデリカの魔法は床に深い穴を開け、会場全体に轟音を響かせた。

「ありがとよ、お嬢さん。ババアのボヤキを聞いてくれて。」

 そんな音に動揺することもなく、アデールは穏やかな笑みで答える。

 一時的だが危機は去った。

 そう思ったのか、緊張感が解け、大きく息を漏らす他の受験者たち。

 そんな受験者たちの緊張感を再び呼び戻す様に、重厚な音を立てて、最終試験会場の扉が開いた。

 



−−−−−−−−−−−−−−−−−

−−−−−−−−−−−−

−−−−−−−−





「サロメは、私の命に背いた。故に絶賛お仕置き中だ。好き好んで呼んだのではない。」

 ヒルメの狂気が宿った瞳に、首だけ起こし、微睡んだ真紅の瞳を向ける女。

「まぁ!!相も変わらず、あのクソガキはお師匠様に反抗的なんですねぇ〜?…殺す。調子乗りやがって…まな板痴女…絶対殺す…お師匠様、邪魔しないで下さいねぇ〜。」

 師の言葉に、おっとりしながら狂気を呟くヒルメ。その目に宿った狂気の炎は、更に燃え上がっている。

「既に私が仕置し、終わった話だ…お前の口出す話ではない。」

 大きな溜息を吐いて返す女。

「お師匠様は甘いです。ああいうクソガキは徹底的に躾ないと…獣と同じなんですから…」

 狂気混じりに、血走った眼でブツブツと呟くヒルメだが、

「ですが、お師匠様の決断なら、甘んじて受け入れます~。」

 穏やかな垂れ目に戻り、柔和な笑みでそう答えた。

 

「さて、本題だが…」

 そう言うと、ハンモックから飛び降り、横長のソファにゴロンと横たわる女。

「その前に…ヒルメよ、面白いのを見つけたな。」

 ニヤッと笑う女。好奇心を隠さぬ瞳がヒルメを見つめる。

「まだ未完成ですけど~、お師匠様が必要なら、いつでもお渡し致します~。お師匠様の為なら、全て差し上げますよ~。」

 うっとりと頬に手を当てて、そう答えるヒルメ。

「いや、そのままお前が育てよ。弟子の育てた弟子の出来を見てみたい。」

 楽しみが増えた、と小さく笑う女。

「さて、では本題だ。」

 

「フレデリカという小娘を、お前はどう見た?」

 女の問いに、ヒルメは小さく首を傾げながら言葉を紡いだ。




 

 


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