番外①.だんだんわかってきたぞ!
一週間後の放課後、俺達は空き教室で今後の対策を練る為、集まっていた。
「うええ~~~~っ、もうダメだぁ…」
…集まっていたハズなんだが、ダメージが大きすぎて話し合いにならなかった。
全員机を並べて、天井を仰ぎながら泣き言を言っている。
ちなみに何でわざわざ机を並べてまで、仰向けになっているかというと、座ったり他の体勢だと胃が圧迫されるのだ。
「砂糖まみれのフレンチトーストなんて、ジャリジャリしてもう食べたくない…」
「練乳の海に沈んだフルーツポンチなんて、もう嫌だ…」
「オレンジタルトにホイップクリームとハチミツはともかく、さらにチョコソースなんておかしすぎだろ…」
「私この一週間でウエスト8cm増えて、ドレスを全てサイズ直すことになって、お母様に怒られちゃった…」
「それは大問題だ………うぷっ!」
思わず跳ね起きると、一気に吐きそうになった。
「うわっ王子、急に起き上がっちゃダメですよ!」
「ゆっくり横になって下さい」
「うう…苦しい」
サイラスの指示に従って、ゆっくり元の体勢に戻ると、何とか堪えることができた。
「そもそも何で、アイリーンと夫人は太らないんだよ!毎日あんな物食べて何も変わらないなんて、おかしいだろ!?」
「それもそうですね」
「実は食べてるふりして、こっそり捨ててたとか?」
「何て卑怯な!」
俺達が憤慨してると、エイミーが言った。
「それは私も疑問に思って聞いたんだけど、お姉様達は毎日早朝にランニング、晩餐後に室内用の鍛錬場で、軽く体を動かしてるんですって…」
「「「そ、そうか…」」」
俺達は、何も言えなくなってしまった。
「と、とにかく対策を考えよう!何か公爵の甘党攻撃を止める方法を!」
腹がマシになって起き上がれるようになってから、本来の議題を上げてみた。
「…と言ってもなぁ~」
「遠慮すると泣かれるし…」
「『やっぱり家族と思ってないのかぁ~、だからいつも部屋で食べてるのかぁ』と言われると弱いわ…。お母様は『お父様を泣かせるなんて、何て親不孝なの』と睨みつけてくるし…」
エイミーがため息をつくと、再び部屋に沈黙が訪れた。
そこに突然、扉が開けられる。
「御機嫌よう皆様。思ったよりお元気そうですわね」
楽しそうに入ってきたのは、アイリーンだった。
「貴様!何しに来た!」
立ち上がって睨みつけると、これ見よがしにため息をついた。
「ご挨拶ですわね。そろそろご自分達の非を認めるかと、思ったのですが…」
ヤレヤレというような態度に、カッとなる。
「誰が認めるか!これぐらい何でもない。必ず耐えきって、貴様に正義の鉄槌を下して見せる!」
仁王立ちして指をさすと、睨まれて扇を構えてきた。
(あ、マズイ)
とっさに左頬をガードすると、右頬を殴られた。
「防御するより、やらないようにしなさい」
「ハイ…申し訳ありません」
俺はまたしても謝った。




