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戦闘芸術女神フィナ  作者: 如月いさみ


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誘い 2

少しずつ更新されていくかもしれません。

気の向くまま

車は大阪市とは反対の方へと向かって進んだ。


響夏は流れる風景を見つめ

「郊外に向かっとるな」

と呟いた。


太一は頷き

「せやな」

このまま171上ったら茨木とか京都の方やな

と告げた。


浅羽はふっと笑い

「さすが地元の人は土地勘があるね」

と言い

「市内は漣くん、君のベースグランドだからね」

我々にはアウェイになるかもしれないし

「避けさせてもらったよ」

と付け加えた。


響夏はルームミラー越しに浅羽を見ると

「つまり、貴方は関西人やないということやな」

と呟いた。


浅羽は鷹揚に

「そうだよ」

と応え

「私は関東の出でね」

茨城出身だよ

と告げた。


そして

「佐久良…彼女のことも良く知っているよ」


それに響夏と太一は目を見開いた。


「彼女は美しく聡明で…強い女性だ」

浅羽は視線を伏せて口角だけを上げて笑みを浮かべた。


二人を乗せた車は茨木の一角にあるホテルへと彼らを運んだ。

近くには大学があり二人が案内された部屋にはその大学の教授が二人先に席についていた。


浅羽は部屋に入ると唇を開いた。

「佐久良と君たちは軍や政治家の組織」

我々は

「学者と研究者の組織だ」


その意味。

浅羽は笑むと

「そうだね、漣くん」

君の父君が所属していた組織ということだ

と付け加えた。


そして、席に座ると呆然と立つ二人に声をかけた。

「どうぞ」

ゆっくり話をしようじゃないか

「この関西区域を束ねる支配者である漣君と…唯一の成功例である秋月太一君」


我々は全てを知っている。


■ 戦闘芸術女神フィナ


静寂が広がっていた。

いや、外からの音すらも搔き消すような重圧の中に太一はいた。


響夏にしても同じであった。


浅羽は研究者として響夏以上に当事者であっただけにこの混乱の核心を理解していたのである。

「すでに変化した細胞を元に戻すことは出来ない」

つまりそれは

「夜の日本は異形のものと殻の人形だけの世界になるという事だ」

我々の寿命も

「ただその異常な遺伝子構造が次の世代にどう影響するかはわからない」


それを

「彼女は確認するつもりなのだろう」


太一はちらりと横目で響夏を見た。

響夏はそれに気付くと

「そんなことは大したことやあらへんと思ってる」

人は何れ死ぬ

「早かれ遅かれしゃーないことや」

けどな

「自分らが死んだ後のことをかんがえなあかんちゅうことや」

と告げた。


浅羽は笑むと

「だからこそ、我々は諸外国との国交を断絶したままの状況を維持する形を選んだということだよ」

と告げた。


「我々が死ぬと夜の日本は機能停止状態となる」

そう

「あのFBIの彼女がそれこそ何をしても止める手立てはない」


響夏は視線を伏せた。

確かにそのとおりである。


浅羽は彼の表情に満足したように目を細め

「太一君一人ではどうしようもないだろ?」

と付け加えた。


太一は突然の名指しに

「え!?」

と驚きの声を上げた。


響夏は太一を見ると

「たいっちゃんは姿も何も変化してへんやろ?」

自分らみたいな細胞の変化が起こってない可能性があるっちゅうことや

と説明した。


浅羽は隣に座る学者から紙を受け取り2人の前に出すと

「そう、君は唯一のイレギュラーだ」

DNA配列に変化がない

「もちろん、生命カウンターと言われるこの部分もね」

と言い

「君は我々よりも長く生きるパーセンテージが高いということだ」

と太一を見た。


響夏はそれを見ると三人をすっと見回し

「佐久良のおひざ元にスパイがいるってことやな」

と呟いた。


太一の採血は家康の下で行われただけである。

そのデータが回ってきているのだ。


浅羽は二人を見つめ

「我々は学者と研究者のグループだといっただろう?」

と告げた。


太一は浅羽に目を向け

「せやったら、例えば響夏や佐久良さ…やのうて、津村さんとか他の人の身体を元に戻すとかはできへん?」

と問いかけた。


浅羽は冷静に

「できない…と言うのが正解だな」

研究して結論を出すまでの時間が我々には残っていない

と返した。


「だからこそ、日本を守るために我々に味方に付いてもらいたいと話している」

佐久良は断ってきた

「彼女は何れ日本を開国するつもりらしい」


響夏は視線を伏せ

「その答えが区間支配…か」

と呟いた。


そして、視線を上げて浅羽を見ると

「あんたはそれ以外の方法としてどうするつもりなんだ?」

と聞いた。


「マギーや他の国のジャーナリストにしたように入ってきた人間を害しただけでは日本を取り巻く異常気象が解ければ海と空からの侵入を防げるわけがない」


浅羽はそれに笑みを浮かべ、唇を開いた。

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