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修学旅行の班決め

「それじゃあ、今日は修学旅行の班決めをするぞ。」

うちの学校は、部屋割りは先生が決めて、行動班は自分たちで決めるという方式になっている。目安は3人〜5人。普段だったら美咲と茜と組むんだが…

「ひのっち〜ウチらと組もうよ〜」

どうしてもついさっき、昼休みの時に言われたあの「悪魔の実験」が頭をよぎる…油断したら挟まれてしまうかもしれない…よし…ここはことわ

「あっ、言っておくけど、君に拒否権は無いからね。」

「えっ…美咲?なんでここに…」

「なんでって言われても…私はいつも茜と一緒にいるよ?」

「ねぇ〜一緒に組もうよぉ。」

「…………断る。と言ったらどうする?」

「今ここで私たちの間に君を挟む。」

まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずい。まずいぞ。実にまずい状況だ。なんとかして二人から距離を取らないと…あっ、オタク仲間の桐谷だ。よし。なんとかしてあいつの班に入れてもらおう。

「な…なあ桐谷。お前らの班に入れてくれね?」

「えっ…いや、オメェには可愛い幼馴染がいるだろ。しかも百合の。そっちで班組めよ。」

「いや…実はそういう訳にもいかなくて…」

「は?どうしたんだよ?」

「実は…」

そこから、なぜ俺が二人と班を組む訳にもいかないのか、二人が企てている悪魔の実験について、洗いざらい桐谷に話した。

「そういう訳で、あの二人と班を組む訳にはいかなくなっちまったんだ。頼む!!せめてこっちの班に入ってくれ!!」

「百合好きな男を百合に挟むとどうなるのか…なるほど…確かに興味深い実験だな…」

「あ…あの…?桐谷さん?何を言って…」

「すまん日乃原。百合界の発展のために犠牲になってくれ。」

「何ーーーーー!?お前何言ってるんだよ!!もしもあの二人の間に挟まれたら間違いなく俺は罪悪感で死ぬ!!まだあの二人のゴールインを見届けるまで死ぬわけにはいかないんだ!!」

「あんしんしろ日乃原。骨は拾ってやる。」

「そういう問題じゃないんだよ!!あの聖域に俺が入ることで穢されるのが嫌なんだ!!もしもそんなことになったら俺は死ぬ!!間違いなく死ぬ!!決定的かつ不可逆的に死ぬ!!頼むよ助けてくれ…お前だけが頼りなんだよ…」

「いや、新たなる可能性の観測をせずに百合好きを名乗るのは百合に失礼だろ。」

「やめろ!!開拓していい可能性としちゃいけない可能性くらい区別できろよ!!お前だって普段百合に男が挟まったらキレるじゃねぇか!!」

「お前あの二人とは幼馴染なんだろ?もう実質挟まってるようなもんじゃん。」

「そんなこと言うなよ!!百合好きにとってはなぁ!!百合の間に挟まることは大罪なんだよ!!例えるなら…そうだな…夜の紅茶を朝に飲み干すくらいの!!」

「夜の紅茶を朝に飲み干すとどうなるか実証してくれよ」

「嫌だよ!!」

「ひのっち。」

「逃げ場はないみたいだねー。さあ、今ここで挟まれるか、それとも私たちと同じ班になるか、選びな?」

うぅ…終わった。い…いや…修学旅行中に挟まれないように注意するだけだ。

「分かった。同じ班になるよ。」

「やったー!!」

「ありがとね」

「ひゃあ!!いきなり耳元で囁くな!!心臓に悪い!!」

「はっはっはっははははは…いやー、お前ら本当に仲良いな。こっちが羨ましくなってくるよ」

その後、俺は「代わりたいのなら代わってくれよ」という眼差しで桐谷を見つめたものの、あっさりと目を逸らされて見なかったことにされてしまった。

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