悪魔の実験
何度か趣味で小説は書いていたのですが、正式に公の場に放流するのはこれが初めてとなります。どうか生暖かい目で見守ってください
「ふぅ…今日も二人の最高に尊い姿が見れそうだ…」
今日の12星座占いの運勢は最高。昨日深夜から今日の早朝にかけて投稿された百合漫画は全部チェックを完了した。
「sunlighthill@百合の観測者」…俺のtoitterアカウントだ。俺の幼馴染でもある百合カップル、星野美咲と月村茜の尊さを毎日語っており、それなりにフォロワーもついている。
「ん、おはよう。蓮くん。」
「あっ、ひのっちじゃん。おっはー。」
「おはよう。二人とも今日も仲良しだな。」
茜が当たり前じゃんと言わんばかりに胸を張る。あぁ…本当に尊い…尊すぎる…
美咲と茜は俺の幼馴染で、幼稚園の頃からの付き合いだ。中学2年の頃だっただろうか。二人が恋愛関係にあったと知ったときも、俺は祝福した。もともと百合が好きというのもあるが、それ以上に、二人には胸を張って生きていてほしかった。だから、「たとえ二人が付き合っていたとしても、二人が俺の親友であることに変わりは無いから。」と言った。それ以降、二人は周りに自分たちの関係をオープンにしている。もし二人の関係について色眼鏡で見るやつがいれば、俺が全身全霊で反論する。幼馴染として、親友として、一人の百合好きとして、二人には幸せであってほしいんだ。
「ねぇ、今日も一緒にお昼食べるよね?」
「?食べるけど?」
「良かった。今日ちょっと蓮くんに聞きたいことがあったのよ。」
俺に聞きたいこと?なんだろう…勉強なら美咲は俺よりも圧倒的にできるし、流行に関しては茜のほうが詳しい。美咲が俺に聞きたいことってだいぶ限られるよな…
午前中の授業が終わり、昼食の時間。今日もいつものように屋上で弁当を食べていた。美咲と茜はお互いに弁当のおかずを交換したりしていて、今日も楽しそうだ。本当に尊い…一生見守っていたい…
「そういえば美咲、聞きたいことってなんだ?」
「…百合が好きな人ってさ、百合の間に男が挟まるとキレるよね。」
「まぁ、一部寛容な人もいるが、大体の百合好きはそうだな。」
「じゃあ、百合が好きな男の子を百合の間に挟んだらどうなるんだろう?」
「は?」
いつの間にか美咲が距離を詰めていた。そういえば茜も近づいていた。いつの間に…
「でさ、昨日話してたの。『ちょうど近くに百合好きな男子がいるんだし実験してみようよ』って。」
「『ちょうど近くにいる百合好きな男子』って…俺のこと?」
「君しかいないでしょ。」
「おいおいおいおいおいおいおいおい。待て。なんだその悪魔のような実験は。」
「純粋な知的好奇心だよ。」
「『自分たちの関係性が穢れる』とか思わないのか!?」
「ひのっちが間に入ったところで穢れる絆じゃないしぃ」
「君が時々私達のことを神様でも見るような目で見てること、知ってるからね。」
やっぱりバレてた…って、いや今はそんな場合じゃない
「というわけで…」
「ちょーっとだけ私達の間に挟まって欲しいんだよね」
「嫌だぁぁぁー!!」
その後、全速力で階段を降りて教室まで逃げ帰り、席の机に突っ伏して眠った…
「あの二人の間に挟まれないように注意しないと…もしも…もしも挟まれたら俺は…」
「罪悪感で死んでしまう!!」




