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第十四話:魔法使い軍団の野望

カウフマン帝国の南部に、プホルスはいた。


10名の軍勢を率いて、カウフマン帝国の南部部隊5,000人を殲滅した。


魔法使いの技量毎に10〜30人単位で小さな師団を組み、カウフマン帝国全域に兵力を割り当てている。


「さて、ここいらはもう片付いたな」


プホルスは大きく息を吐いた。


隣にいる赤毛の少女に話しかける。


「ベル、そろそろ晩メシにしようぜ」


「今日は疲れた、クタクタだ」


「プホルス様?今日は昨日より魔力の操作精度が低下しています。」


「撃ち損じが20%もありました。」


「本来ならあと1時間は早く完了していたはずです」


「こんな雑魚狩りで手こずっている様ではグレースとの戦いではまた負けてしまいます」


「あぁ…その話はするな、気分が悪くなる」


プホルスは苦虫を噛み潰したような顔になった。


「では、帰りましょうか」


ベルは静かに言った。


カウフマン帝国の南部の村に拠点を置いていた。


プホルスは軍隊や王宮は無慈悲に殲滅するが、カウフマン帝国の民には一切手を出さなかった。


為政者の横暴で民が望まぬ戦争が起こり、自らの妻と子どもが犠牲になった事への怒りがプホルスの原動力だ。


民には恨みは無かった。


カウフマン帝国の課していた重税に苦しんでいたこの村の民はむしろプホルスを歓迎した。


この南部の郷土料理である煮込み料理の鍋を人数分、作っておいてくれた。


今回プホルスが率いる10名全員が拠点に帰って来た。


「よし、皆でメシにするか」


「酒もあるぞ、飲みたいヤツは飲め」


「ベル、お前も食え」


ベルは戦いの途中で摘んでおいたベリーを食べていた。


「私はいらないです」


「偏食家だな、肌に悪いぞ」


そう言って、プホルスはガッハッハ!と笑った。


皆、飲んで食べて、酔った者は早めに寝床に移って行った。


やがて、テーブルにはプホルスとベルだけが残った。


プホルスが口を開いた。


「で?どうなってる、ロサーナの件は」


「情報は集まってきてますよ」


「グレースは第二師団にいます」


「それと、謎の少年だ」


「第二師団と関係が深まっています」


「ふーん…」


「偵察隊が撤収前に第二師団の騎士と交戦しました」


「レイラという女騎士です」


「そのレイラは、その少年が作った剣を使っていたそうです」


「偵察隊の、魔法を纏わせた剣を折ったそうです」


「そのレイラとかいう女剣士は魔法使いなのか?」


「いえ、違います」


「ただの普通の剣で、魔法で強化した剣を折ったというのか?」


「そうです」


「その少年は魔法使いではないのか?」


「いえ、偵察隊が言うには魔法を纏ってはいなかったそうです」


「魔封石で隠してるだけだろ」


「それが…そうではないようですね」


「そんなバカな!あり得ないだろ!」


「だから、謎なのです」


「帝国いちの学者だったお前でもわからんのか」


「もっと調べる必要がありますね」


「ふぅむ…」


プホルスは考え込んでいた。


「良い案があります」


「何だ、もったいぶるな」


「スパイを送り込みましょう」


「その、少年にか?」


「そうです、グレースだけならまだしも、その少年の持つチカラを把握しておかないといけませんね」


「スパイか…」


「うってつけの子がいます」


「血塗られていない、真っ白な子」


「誰だ?」


「ベッツです」


「あの子に…そんな大役を任せていいのか?」


「あの子だからうってつけなのです」


「まあ、ベルがそこまで言うなら任せる」


「はい、早速準備させます」


ベルも、寝床に向かった。


プホルスは、タバコを吸いながら窓から夜空を眺めていた。


何故か、謎の少年と会話してみたい、と感じた。












御覧頂いた皆様に心より御礼申し上げます。

初回投稿から毎日投稿を続けておりますが、最終話まで毎日投稿で走り切るつもりです。

常時、原稿ストックを40本以上キープして公開を続けます。

「エタりません、完結までは。」

最終話までお付き合い頂けましたら幸いです。


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