第六話 仇敵
「无月綾蔵、私と勝負なさい。次は貴方を倒す……!」
白き聖槍、地槍を私に向け、宣戦布告する女。
照月零。
絶対正義の化身を名乗る、月光の妖怪だ。
「断る。今戦っても、互いを窮地に追い込むだけだ」
ため息混じりに淡々と言い返す。
こちらに戦う気など全く無いというのにこいつは……懲りない奴だ。
ミラージュの“敵討ち”は、あの時すでに果たした。
零と敵対する理由は、明無夜軍が終わったことにより消えた。
これ以上何を争おうというのか。
「話をしよう、零。お前に教えねばならんことが山ほどある」
「黙りなさい。話し合う余地などありません」
零は頑なに敵対しようとする。
愛想も是々非々もありはしない。
「お前はここがどこなのか、自分がどうなったのかすら分からないのだろう。私を倒すかどうかは、それを聞いてから決めれば良い」
彼女もミラージュと同じく、時空逆抗のことは知らない。
零も自分の今の状況が分からず、内心混乱しているはずだ。
「問答無用。そんな時間稼ぎには乗りません……」
しかし、それでも彼女は首を縦に振ろうとしない。
その槍をこちらに向けて構えるのみだ。
……通じないか、ならば仕方あるまい。
「无月綾蔵、いざ尋常に……」
「この愚か者が!!」
声を張り、片手を零に向ける。
一瞬怯んだ零の周囲を、闇色の煙で覆い尽くす。
慌てて妖力を解放しようとする彼女より先に、闇霧は彼女の四肢に絡み付き、その自由を奪った。
「ミラージュ、手出し無用だ」
「……しかし」
すぐさま連携攻撃を仕掛けようとしたミラージュを止める。
確かに通常であればその行動は助かるのだが。
「倒してしまったら意味がない。それに、他の妖怪に気付かれると厄介だ」
“変革までは、目立つ行動をするな”。
紫からの忠告のひとつだ。
妖力を撒き散らして他者に見つかったりでもしたら困る。
それに私は、変革の為の戦いで零を敵に回したくない。
零だけではない。
同じあの現世から来たミラージュは勿論、同志である紫も、紫が保護したという妖怪や人間とも、できれば同じ陣営で変革を迎えたいと思っている。
勝手にこの世界へと連れてきてしまった以上、私には同郷の者全員の存在を保証してやる義務がある。
喪うなどもってのほかだ。
例えそれが、零であったとしても。
拘束した零をそばまで下ろす。
身を捩りながら唸る彼女と目があった。
「っ、離しなさい! こんな真似で勝とうなど、恥を知りなさい!!」
睨み殺さんとする勢いで噛みついてくる零。
露骨に顔をしかめたミラージュを再び制し、口を開いた。
「恥を知るべきは零、お前だ。敵対の意思の無い者を、自分の勝手で敵と見なし倒そうとするとは。最早お前は正義でも何でもない。ただの自己中心的な暴力者だ」
はっきりと言い放つ。
私に睨み付けられた碧眼が、動揺からか僅かに震えた。
「せ、世界を暴力で滅ぼさんとする貴方にだけは言われたくない言葉ですね」
「滅ぼす? いいや、塗り変えようとしただけだ。それも自己の為ではなく妖怪の為だった。……まあ、もう不可能かつ不要な野望だがな」
零との会話が若干噛み合わない。
案の定、彼女は明無夜軍が今も進行中であると思っているようだ。
「不可能……? 一体どういう……」
首を傾げる零。
私は頷くと、彼女を縛る闇霧を苦にならない程度まで弛めた。
「それをまさに説明しようとしていたのだ。……零、私の話、聞いてくれるな?」
「…………」
彼女は口を閉じ、視線を落とす。
が、しばし黙した後、何も言わずに顔を上げた。
待ってみても反論は無い。
私はそれを肯定の意思として受け取った。
* * *
八雲紫の一団の出現、私とミラージュの敗北。
明無夜軍の終焉、幻想郷の崩壊、打開策として紫が提示した“時空逆抗”。
そして、それによって我々が辿り着いた、ここ“過去の幻想郷”の概要。
先刻ミラージュに話した内容を、零にも理解できるよう修正と追加をし、誤解の無いよう丁寧に説明した。
零は初めこそ黙って聞いていたが、話が予想外に大きかった為か、彼女はそれなりに困惑し動揺した。
そして、今の状況下で無用な争いは避けたい、他者に見つからぬよう大人しくしていてほしい、と伝えると、彼女はようやく自分が拘束された理由を知り、平静に戻ったのだった。
「……状況は解りました。取り敢えず、一時休戦は約束しましょう」
「信じるぞ。零」
そう言うが早いか、私は闇霧を霧散させた。
拘束の解けた零の身体が、重力に従って地に落ちる。
咄嗟に立つことが出来なかった彼女は、芝生に膝をついた。
瞬間、彼女に邪斧を向けるミラージュ。
私は零から目を離し、ミラージュを睨み付ける。
「得物を仕舞え。手出し無用と言ったはずだ」
「しかし綾蔵様! わたしはレイに……」
「騙し討ちされたことは知っているし、闇討ちされたのも見た。だが、それはそれ、これはこれだ。こいつは馬鹿ではない。私の話は理解しているはずだ……」
そうだろう? と言って零を振り返る。
彼女はうつむいたまま、小さく頷いた。
「で、でも……綾蔵様にもしものことがあったら……」
一方ミラージュはいまだ不満げだ。
表情に滲む色は、焦燥か葛藤か、それとも恐怖か。
「利害が一致している間だけでいい、零を信じろ。私だってそうだし、零もそのつもりのはずだ。八雲紫も同じだろう」
「…………わかり、ました。綾蔵様がそう仰るのであれば」
どうにかミラージュを説得する。
彼女はまだ何か言いたそうにしていたが、武器は下ろしていた。
「心配してくれたのだな。ありがとう」
「……いえ」
語気を静め、礼を言う。
ミラージュは申し訳なさそうに目をそらした。
そもそも生き物であれば、自分以外は最初から敵である。
その中で、争う必要が無い者とは争わない、争う必要が無くなったのなら争わない、後々争うとしても今は争わない……。
そうして無駄な争いを避けることが、殺伐とした生物界で生き残る術のひとつだ。
永く生きる妖怪ならば尚更重要である。
若く未熟なミラージュや、敵を作りたがる零には、早かれ遅かれこれを分かってもらいたいものだ。
「綾蔵。その八雲紫という大妖怪の言葉を信じるなら、私達は“変革”の戦いに参じなければならない……ということですね」
「ああ、参じたほうが身のためだろうな」
膝をついたままの零が、私を見上げて問うてくる。
露骨に見下ろさぬよう、しゃがみこんで言葉を交わす。
「敵は誰ですか。紫ですか」
「まさか。紫を相手にやりあうのはもう御免だ。同志である以上、私は必ず紫の側につく。……敵が誰なのか、私の憶測で良ければ、聞くか?」
尋ねると、目を据わらせてしっかりと頷く零。
見ると、ミラージュも続きの言葉を待っていた。
一呼吸置いてから口を開く。
「今の幻想郷では、どういうわけか妖怪達に士気が無く、弱体化している。この状況に、圧倒的な力を持つ妖怪が突然現れたら……」
「……その強き妖怪に、弱体化している他の妖怪が一斉になびく、ということですね」
零が私の言葉を遮った。
だが、彼女の予想は当たっている。
「その通りだ。よくわかったな」
「現世で人類の歴史を見ていましたから。弱者は正義よりも力を信じ、強者になびくものです。例えその強者が、正義など微塵も持たない愚者だとしても」
持論を述べる零。
その口調には、少しばかり怒りが滲んでいた。
「仕方あるまい……それが弱者の生存戦略だ。力なき正義など、何の役にも立たないのだからな」
「そして同時に、力ある者ほど正義を忘れ、愚に堕ちるものです。……私が一時消滅したのも、幻想郷に送られたのも、そうして現世から“正義”が消えていったからなのかもしれませんね……」
達観のため息をつく零。
私は同情するように、目を閉じて頷いた。
現世の人間達を例にとってもその通りだ。
例えば、約百年前。
人類が後に「大戦」と呼ぶ、あの史上最大の戦争でもそうだった。
あのころ力を持っていた列強国は、弱小国家を次々に屈服させ植民地としていた。
圧倒的な軍事力を以て、弱者を奴隷としたのだ。
そこに正義など有るわけもない。
有ったのは、強奪と競争を伴う醜い欲だけだった。
抗う国も現れた。
彼らは列強の植民地に攻め込み、それらの地を次々に解放していった。
現地人からすれば、まさに救世主だったろう。
しかし、その国は力を重んじすぎた。
代償として資源は枯渇し、軽視された人命は死んでいき、自国の王すら意のままに操った。
その国がやがて破滅したのは言うまでもない。
だが、その国を滅ぼした列強国もまた、力を信じすぎた。
過ぎた軍事力はおろか、禁忌とされる核兵器の力までも振りかざし、世界の覇権を握った。
それだけでは飽きたらず、世界中で紛争を引き起こし、資源や利権を意のままにした。
そこに有るのは、正義無き力だけだ。
この世に正義など無い。
世界は“力”で回る。
人類はその真実を、おびただしい量の血と涙を以て知ったのだった。
彼女の言うとおり、“正義”が幻想となったのは必然だろう。
「話を戻す。我々の主敵となるであろう妖怪について、いくつか心当たりがある。考えられるのは、統率力と強大な力を兼ね備えた者。かつ、幻想郷にいない、もしくはいない扱いとなっている者だ」
そう言って、試すように二人を見る。
様々な妖怪を知っているであろう零は、記憶を思い出すように考え込む。
若すぎるミラージュは、僅かな知識の中から該当する者を探し始めた。
「天狗と河童は既に幻想郷にいるのでしょう? なら、鬼、狐、狸あたりですか」
大して時間も掛けず、すらすらと名前を挙げたのは零だ。
流石と言ったところか。
世界中で戦い回っていただけはある。
「消去法でいこう。まず、狸はない。奴らの頭領が統率できるのはあくまで狸だけだ。雑妖怪を束ねる力など無いだろう」
化け狸。
妖狐と並んで有名な妖怪の種である。
確か佐渡に奴等の頭領がいたはずだ。
無論、れっきとした大妖怪である。
「狐と鬼も有り得ないな。それぞれの最強の個体が、既に紫と深く結び付いている。むしろ味方となるだろう」
妖狐の頂点、金毛九尾は、紫の式神。
異端の鬼、酒天童子は、紫の友人。
よほどのことがない限り、少なくとも味方として会えるはずだ。
「統率力、強大、いない扱い……。あの、それって……紫や綾蔵様のことでは……?」
ミラージュが私の顔色を伺いながらおずおずと述べる。
そこに気が付くとはなかなか鋭い。
「良い読みだが、恐らく違う。私が独断で事を起こすつもりは無いし、紫が起こすのだとしても、私はそれに味方するのだから問題にはならん」
「そ、そうですよね。すみません……」
何故か謝るミラージュ。
私は首を傾げた後、気にするな、とだけ返した。
「東洋の妖怪ではないということですね。だとすると、西洋の大妖怪、かつ統率力の……ある……者…………っ!?」
背後で零が戦慄する。
ようやく思い当たったようだ。
「……まさか、吸血鬼……ですか」
振り向き、彼女に笑いかけた。
「おや、一致したな。私もそう思う」
吸血鬼。
ドラキュラやヴラドに代表される、西洋の有名な妖怪だ。
豪速や怪力、異常な回復力は勿論、身体を蝙蝠の群れとして霧散させたり、街を一晩でゾンビ街にする等、凶悪かつ強力な存在である。
一方で吸血鬼は高いカリスマも持ち合わせており、その眷属の多さには定評がある。
正義の無い雑妖怪共をなびかせる程度、造作も無いはずだ。
外の世界でどれだけの個体が生き残っているのかは不明だが、一体でも現れれば幻想郷は支配できるだろう。
それほどまでに吸血鬼という種は危険なのだ。
「だとすると厄介ですね、数で圧倒的に不利となります。……あれは数名でどうにかなる規模ではありません」
「ほう、吸血鬼とまみえたことがあるのか」
見たことがあるかのような口ぶりで話す零。
やはり戦闘経験があるようだ。
「一度だけ。一対多を強いられ、勝負と言えないほど惨めな結果となりましたが」
「吸血鬼に立ち向かっただけでも勲章ものだ。それでいて生きているのだから、惨めだなんて思う必要は無いだろう」
自嘲気味に目を伏せた彼女を慰める。
客観的な感想を言わせてもらえば、単独で吸血鬼を敵に回すなど愚の骨頂だが……。
それを言うと彼女の気に障るだろうから止めておく。
「ふん。貴方も単独では勝てないでしょうに」
残念、既に機嫌を損ねてしまったようだ。
慰めを受け取られることもなく、冷たくあしらわれた。
「……どうだろうな」
“強者は賢者にのみ勝てない”。
紫の言葉が甦る。
強者というのが私のことであれば、吸血鬼に負けることは無いということだ。
だが、その強者というのが吸血鬼を指すのなら。
私は吸血鬼に負ける運命だということになる。
紫はそれを望んでいるのか?
あり得る話かもしれないが……。
「……まあ、紫と私が組むのだ、吸血鬼ごときに敗けはしまい」
自分の言葉で、底なしの思考を断ち切った。
私が強者であるということも、主敵が吸血鬼であることも、まだ不確定要素だ。
過ぎた憶測は要らぬ疑心を生む。
これ以上はやめておこう。
しかし、吸血鬼……か。
大したことはないだろう。
八雲紫に比べれば。
「そういうわけだ、零」
未だに膝を突いたままの彼女に語りかける。
「私と共に戦ってくれないか」
本題だ。
零とミラージュを率いて紫に味方し、変革の戦いに勝利するのが私の望みである。
だが命懸けになるのだ、無理強いはできない。
それに、私や紫に味方するかどうかは彼女次第だ。
「貴方に力があることは認めます。ですが……」
即答を避ける零。
彼女は顔を上げ、私を睨み付ける。
「貴方に“正義”は、ありますか」
そうきたか。
正義が無いのなら味方する価値は無い、と。
「私が信じるのは現実的な理想と自分の力だけだ。そこに正義など無い。……だが」
一旦言葉を切る。
方眉を上げた零を、真っ向から見つめた。
「変革の戦いに勝てば私は……いや、我々は、この世界の正義となれる」
「……!」
息を飲む零。
信条に障ったのか彼女は何か言い返そうとするが、そのどれもが言葉とならずに終わる。
「今の幻想郷には正義も秩序も法もない。我々がその先駆けとなるのだ。自分が正義として存在できる世界を勝ち取る……それが、禁忌を犯した我々の生き延びる道だ」
はっきりと持論を告げておく。
何も彼女に押し付けようというのではない。
私の信条に付いてくるか、そうしないかの選択を与えているのだ。
「…………」
零は考え込む。
葛藤しているように見えた。
これは正義を勝ち取るための戦い。
つまり、今の我々に正義はないということだ。
正義を戦う理由としてきた彼女にとって、それは信条から外れたことなのだろう。
さらには実質的に私や紫の指揮下である。
孤高を貫く彼女の性とも相容れない。
「……分かりました」
ぽつりと聞こえた了承の言葉。
俯いていた顔がこちらを向き、閉じていた碧眼が私を見る。
その金髪が月光を弾き煌めいた。
「貴方に協力します。共に正義を勝ち取りましょう」
声にも瞳にも迷いの色は無い。
その真っ直ぐな言葉に、思わず笑みが溢れた。
「……そう言ってくれると信じていた」
右手を差し出す。
彼女は一瞬躊躇した後、その手を取った。
瞬間、握力を込めて引っ張り上げる。
立ち上がらざるを得なかった彼女の顔が、目の前まで迫り止まった。
「ありがとう。頼りにしてるぞ、零」
「っ……!」
礼を言った途端、顔を強ばらせる零。
私の手を素早く振りほどくと、一歩ほど後ろへ距離を取った。
「い、いつまでも協力し続けるつもりはありませんからね。変革が終わった後は……」
「勿論だ。好きにするといい」
至極当然の答えを返す。
当たり前です、とだけ彼女は吐き捨て、私から顔を背けた。
元から変革が終わるまでの協力体制のつもりだ。
変革を乗り越え、存在さえ保障できれば、あとはどう動こうが問題にはならないだろう。
勿論、私自身も自由に行動させてもらうつもりだ。
それはミラージュも言える。
ミラージュ・ナイトメア、彼女は私が創り出した妖怪であり、私の従者だ。
だがいつまでもその肩書きを貼り続けるつもりはない。
私のそばに居続けても学べることはすぐに頭打ちになるし、視野も世界も狭いままだからだ。
いずれは彼女にも、ひとりの妖怪として自立してもらわねばならない。
彼女自身の意向にもよるが、どちらにしろ早かれ遅かれその時は来るだろう。
「それで綾蔵様。変革の戦いというのはいつ始まるのですか」
零をちらちらと睨みながらミラージュが訊ねてくる。
その視線の先は、零の右手。
どうやら私の手を無理矢理振りほどいたのが気に障ったらしい。
視線に気付いた零が不快そうに睨み返す。
ミラージュはそれを、すました顔でぷいと無視して見せた。
「さあな。数週間後か、何ヵ月も先か……はたまた明日か。すぐだとは言っていたが、具体的な時期までは教えてくれなかった」
私の返答に零は、ふうん、と怪訝そうに頷いた。
ミラージュは不満げな顔で、そうですか、と呟く。
「……八雲紫とやら、随分と胡散臭いですね。本当に信用できるのですか」
「紫、やっぱり怪しい……綾蔵様を騙そうとしているのかも……」
口々に言う零とミラージュ。
この二人、ここにきて初めて発言の方向性が一致したのではないか。
……紫、私の配下からの信用は無いらしいぞ。
私は精一杯擁護したつもりだから、これはお前自身の責任だ。
士気に関わるので是非とも猛省してもらいたい。
「そう言うな。奴の頭脳には誰も勝てん……疑ったって無駄だ」
眉をひそめる彼女達をたしなめる。
二人は揃ってため息を吐くと、疑心の思考を止めたようだった。
私にだって、紫の考えは読めない。
嵌められている可能性も十分にある。
だが、そうだとしても。
我々は右も左も分からない。
我々が頼れるのは、紫だけだ。
「盲目的に信じ、歩み続けるしかあるまい。今すべきは……」
それに私は。
私に愛すべきものを壊されてもなお、理想を貫こうとする彼女を信じたい。
時空逆抗、これは私と紫が手を携えたからこそ実現できた理想だ。
紫も私を信じている……私はそう信じている。
「……静かに時を待つことだけだ」
夜空を見上げる。
満月がひとつ、狂おしく浮かんでいた。
名前:照月 零
初登場:一章第十六話 聖槍
種族:妖怪
性別:女
年齢:不明
身長:高
髪の長さ:腰
髪の色:金
瞳の色:青
能力:正す程度の能力
月の光や絶対正義の具現として生まれたとされる妖怪。
この物語における、いわゆる正義の味方キャラ。
ロングスカートの白いドレスを身に纏っている。
妖力で構成された、地槍という名の純白の聖槍を扱う。
正義感が強く、秩序を乱すモノを許さない、厳しい性格。
誰に対しても敬語を使うが、性格ゆえか優しく感じられることは少ない。
現世が人類科学文明に支配された時代、夜を照らす電灯などにより月光が忘れられた。
また、度重なる戦乱などにより絶対正義も忘れ去られた。
存在意義を失った彼女は次第に実体を保てなくなっていき、100年前には自我すら失った。
第一章では、綾蔵による明無夜軍が始まると同時に、望まず復活を果たした。
綾蔵やその従者ミラージュ及び暗鬼が世界秩序を乱していると判断し敵視、その排除に動く。
ニューヨークにてミラージュを撃退後、綾蔵を倒すべく東京へと向かうが、規格外の大妖怪たる彼には全く歯が立たず、戦闘不能となる。
直後に現れた八雲紫らによって綾蔵とミラージュが苦戦を強いられているのを見た彼女は、残された力を振り絞り、ミラージュに奇襲をかけて重傷を負わせることに成功する。
しかしそれが綾蔵を激怒させてしまい、報復攻撃により致命傷を負う。
彼女は行動不能のまま八雲紫によって異空間に引きずり込まれ、意識を失った。
【地槍】
照月零が扱う、妖力で構成された聖槍。
読みは「じそう」もしくは「ゲイボルグ」。
邪を祓い、地を統べ、天を掴むと云われる。
その云われ故に、邪斧や天槍とはそれぞれ対となる槍である。
高い貫通力のほか、レーザーを放ったり飛刃を飛ばしたりと、多彩で強力な攻撃を行える優れもの。
※【ゲイ・ボルグ】アイルランドの説話に登場する、クー・フーリンが扱う槍の名。
【邪斧】
ミラージュ・ナイトメアが扱う、妖力で構成された大斧。
読みは「じゃふ」もしくは「アルマーズ」。
混沌と破壊を振り撒くと云われる。
その云われ故に、聖槍とは対となる武器である。
膨大な妖力を溜め込んでおり、振り回すだけで辺りを爆撃できる。
また、凄まじい重量と質量を誇るため、降り下ろされた場所には何も残らない。
※【アルマーズ】とあるゲームで、邪悪な属性を持つとされる斧。
※【アルマース】ロシア語で「ダイヤモンド」あるいは「ダイヤモンド原石」という意の名詞。




