前へ目次 次へ PR 67/91 閑話「瀬川家の家訓」 時期:第二部 日本戦略研究所の新任所長が就任した。 先代所長が言う。 「覚えておけ」 「何でしょう」 「佑殿は神ではない」 「はい」 「悪魔でもない」 「はい」 「商人だ」 「はい」 「だから質問するときは目的を整理しろ」 「はい」 「そして昼飯時に行くな」 「……何故です?」 「機嫌が悪い」 瀬川家三代に渡る知恵である。 新任所長は翌日、昼飯時に行った。一度だけ確かめずにはいられなかった。 戻ってきた顔を見て、先代は何も言わなかった。言う必要がなかった。