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第77話 専用切り抜きチャンネルが出来ていた


 結果は惜しくも4位だったが、それ以上にタケさんと一緒にプレイ出来た事。この三人で出れたことが嬉しかったしいい思い出になった。


 それにタケさんのお陰で切り抜き動画がバズって、主催の翔琉さんにも認知してもらえて登録者やフォロワーが増え、ファンが増えた。

 しかもエテも上手くなったし、今回メリットしかなかった。デメリットを探す方が難しいくらいだ。


 デメリットがあるとするならば、極度の緊張や不安に襲われることだろうか。 でもそれを込みにしても絶対に参加してよかったと思う。


 カスタムでチャンピオンを取る事がこんなにも嬉しいものだとは思わなかったし、チームでしっかり連携したりするとこんなにもエテは楽しくて面白いゲームになる事も知れた。



 あ、でも暫くエテはやらなくていいかもしれない。燃え尽き症候群みたいな感じだ。




 因みに優勝は2位と十数ポイントもの差をつけての【他人任せ】だった。最後の試合であれだけキルをして2位を取っていたから納得でしかない。


 ジンさんのワンマンチームじゃなくて、他の二人も決して弱くなくしっかりとカバーしたり連携が取れていたから強敵だった。


 元プロはやっぱ強いと同時に反則だろとか卑怯とか、出来レースとかそういう批判的な意見も見られた。

 確かに俺も、元とはいえプロは流石になぁ……って思ったりもしたけど、プロと戦う機会なんて絶対無いからいい経験になったとあまり深く考えないようにした。





 本配信も終わり、そろそろ俺達も配信を終わるかーと話していると突然ジンさんから【負けた、強かった】というコメントと共に1万ビッツが飛んできて再び盛り上がったりもした。


 優勝したのはジンさんのチームなのに何か変な感じだが、元プロのジンさんにコメントを貰えた事が嬉しかった。





 本来ならカスタムのメンバーで二次会として他のゲームをこの後やったりするのだが、今日は疲れたし時間もいい時間なので解散ということに。


『いやぁ……ほんとありがとうね。二人と出れて凄い楽しかったわ』


 配信を終えるとタケさんが俺達に深々といった感じにお礼の言葉を告げてきた。


「こちらこそ、ありがとうございました。俺も楽しかったです」


『私も! 楽しかったです! 誘って頂きありがとうございましたっ!』


『で、ぶっちゃけ二人って付き合ってるの?』


『「付き合ってないです!!」』


『あははは! そっかそっかー。ま、そういう事にしときますかね。そんじゃ後は若いお二人で~』


 そう言い残すとタケさんはいなくなってしまった。


 配信上で何度も否定しているのにまだ信じて無かったんかい。最後の口ぶりからするに、まだ信じて無さそうだったけど……。


『い、いやぁ……ラギくんほんと一緒に出てくれてありがとね!』


「いや、こちらこそ誘ってくれてありがとね」


『うん……楽しかった!』


「俺も楽しかったよ」



 さっきまでの騒がしさは何処へやら、静かな時間が流れて行く。


 お祭りの余韻に浸っていると、あきなながポツリと呟いた。


『最後のラギくん……かっこよかったよ』


「……え? あ、ありがと…………」


 突然の甘めの声に俺は戸惑いながらもお礼を言うとあきななはえへへと笑いながら『それじゃ、おやすみ!』と通話を抜けて行った。


 びっくりした……急にくるそういうノリは普通に心臓に悪いから止めて欲しい。


 ただでさえ最近は色んな人からカップルとか思われて意識してしまう回数が増えてるのに、そういう事を不意打ちでされると何を考えているのか分からない。


 あぁ悪い癖はやっぱり直ぐには抜けないな。

 何でもかんでも、その言葉を素直に受け取れずに何か裏があるんじゃないかって考えてしまう。


 配信している時は、そんなに深く考えなくなるのに。





 その後ベッドに横になりながらツニッターを開くとジンさんや主催の翔琉さん、実況の寺島さんからもフォローをされていた。

 その他にもカスタムに出ていた数人からフォローされていて、改めてカスタムに出て良かったなと思った。



 後から知ったが、カスタムは大盛況でツニッターのトレンドにも載っていたらしい。


 まぁそりゃ本配信の同接が20万だったら載らない方がおかしいよね。


 そして、なんと元プロのジンさんを倒したからか俺の名前も載っていたらしい。


 嬉しいような、恥ずかしいような。そして色んな人に俺のプレイが見られたと実感すると怖い気持ちもあった。


 フォロワーも今までに無いくらい爆増して、正直身体が震えている。これはいつまで経っても慣れないものだ。


 あきななも同じく伸びたっぽい。



 いや、カスタムの恩恵デカすぎだろ……。





 その後も恩恵は続き、カスタムの切り抜きやshortsも投稿されて暫く通知が止まらなかった。



『タケ、大事なカスタムで即落ち二コマをしてしまう』


 二試合目でタケさんが真っ先に逃げた結果、1番最初にやられてしまうという動画。

 実況解説の反応も追加されていて凄く面白かった。



【戦犯過ぎてやばいwww】

【なwにwしwてwんwのwww】

【これヤバかったw】

【トロールやんw】

【これがチームで一番ランク高いの終わっとるw】


 俺も自分のチャンネルで最後の1vs1のshortsを上げてみると物凄い再生数を記録した。

 コメントも高評価も前のヴァルでバズったclutch動画の数倍も多くてどんどん感覚が麻痺していく。


 その他にも俺とあきななのてぇてぇシーンや、それをまたタケさんが後方腕組みで満面の笑みで見てたり俺達の会話に目を見開いて反応してる動画なんかも投稿されていた。



 そしていつの間にか俺とあきななのてぇてぇシーンだけを集めた動画がアップされる専用切り抜きチャンネルが出来ていた。


 どうやってそれを知ったのかというと、ニューチューブのおすすめに流れても来たし投稿者さんがわざわざツニッターのDMで許可を取りに来てくれたからだ。

 恐らくあきななの方にも聞いているんだと思う。凄くしっかりした人だ。


 投稿された動画を見てみると、俺とあきななが初めて会った時からついこの間のカスタムの時のまで動画になっていた。


 俺とあきなながコラボしているアーカイブを探し出して、てぇてぇと思う部分を切り抜いて字幕とか効果音の編集……ってこれどれだけ大変だったんだろうと想像するだけでため息が出そうになる。


 既に10本程投稿されていて、そのどれもが再生数万超え。登録者数も1万を超えていた。


 因みにあきななもバズりにバズりを重ねた結果、4万人を超えていた。俺もツニッターの方はもうすぐ2万になりそうだった。


 恐ろしいです……。



 この切り抜き師さんはしっかりと概要欄に俺とあきななのニューチューブやツニッターのアカウントのURLを載せてくれている。

 しかも俺のツニッチのアカウントまで載せてくれているので本当にありがたい。



 そのチャンネルに投稿されている動画を見に行ってみるとかなりの量コメントされていてざっと目を通してみる事に。


 〇出会った頃の切り抜き動画のコメント〇


【よそよそしい時も尊くて草】

【最初からめっちゃてぇてぇ】

【こっからあんだけ仲良くなったかと思うと感慨深い】

【ラギ紳士過ぎてやばい】

【あきなな大人しいwww】



 〇お兄ちゃんボイスやトキシック野良と出会った時の切り抜き動画のコメント〇


【全てはここから始まった】

【こっからバズり始めたんか】

【俺も知ったのここからだなー】

【この頃も仲良かったけどこの後からさらに距離縮まった感ある】

【↑分かる】


 〇カスタムの切り抜き動画のコメント〇


【タケが逃げた後も二人で連携し合ってんのエモい】

【息ピッタリやん】

【熟年カップルみたい】

【ここ、小っちゃいけどあきななが「頑張れラギくん……!」って言ってるのが最高にエモい可愛い尊い。祈ってる感めっちゃすこ】

【なにこの人達めっちゃ可愛いじゃん】

【あのカスタムの裏でこんなてぇてぇやり取りが起きてたのか】



 どうやらこの動画きっかけで俺達の事を知ってくれた人もいるみたいで嬉しかった。


 自分でたまに編集するからこういう動画を作る大変さは分かる。それなのに無償で作ってくれるなんて本当にありがたい。


 大抵編集を依頼すると余裕で1万とか2万とかして学生の身からするとおいそれと頼むことは出来ないのだ。


 ま、まぁ内容はちょっと自分で見ると恥ずかしいけど。みんながこれで喜ぶなら、これからもあきななとのこういう関係でやっていくのが良さそうだな……。


 あきなな……七月さんと出会う前は全くの無名で配信しても視聴者は0。そんな俺がまさかこんなに色んな人に見られるようになるとは想像もしていなかったな。


 結果的に七月さんに身バレして良かったのかもしれない。


 身バレしてなかったら、こんなに仲良くなっていなかったと思うから。



ここまで読んでくださりありがとうございます。一旦ここで一区切りみたいな感じです。

ただ、まだ続きは執筆中なので完結ではありません。


少しお待たせしてしまうかもしれませんがなるべく早く更新出来る様に頑張ります。


もしよろしければ、評価やブクマをしていただけたら嬉しいです。とっても励みになって頑張っちゃいます。

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