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第37話 望むような恋愛を

 〇柊七緒視点〇



「って感じで高1で男子と徐々に話せるようになって今に至る感じ……です」


「「…………」」


 好きな人が自分の悪口を言っているのを聞いてしまい、人が怖くなったこと。そして自分自身で努力して痩せた事などその時の心情も赤裸々に過去を語られ、俺も光も直ぐに言葉が出てこなかった。


 やっぱり俺と似てると感じたのは間違いじゃなかった。



「ちょっと? 何か言ってよ? 気まずいじゃん……」


「……いや、海もそんな辛い思いしてたんだね……。素直に凄いよ、努力して痩せて、高1で男子と話せるくらいにはトラウマ克服してさ」


「てか普通に不登校なってから知ってる人ばっかの所にまた行けるようになったのも凄いよな……」


 光の言う通りそこには素直に尊敬した。不登校になったらもう中々知ってる人がいる学校には行こうとは思わないのに。


 普段の海はアホっぽくて何も考えていないように思えたが、実は色々と考えてから発言したりしてるんだな……。

 今までただ変な奴だと思っていたけど、海の事を少し見直した。


 ……いや? 普通に何も考えずに滅茶苦茶デリカシーない事言ったりしてたな。やっぱそんなに考えてないのかも。


 いや、仲が良い俺達だからこそ……みたいなのか?


 そう思うと悪い気もしない気がした。



「ふへへ、そんなに褒められるとちょっと照れるなー!」


「今変態なのはアニメの影響か」


 調子に乗り始めた海に光が指摘すると「まぁそうかも」と頬を掻いた。


「二人と仲良くなってからは毎日楽しいよ。カラオケとかいう青春イベントも体験できたし、二人には感謝してるんだ」


 海が馬鹿正直に心の内を打ち明けて来たので、ニヤケそうになるがニヤケたら海がこれ以上話してくれないかもしれないので唇をぎゅっと結び我慢する。


「あれ? この前七月さんとかをご飯誘ったのは克服する為だったってことか?」


「ま、まぁそういうこと。七緒と七月さんの絡み見てたらさ、俺もああいう青春送りたいなって。頑張ろうって思ったんだよね」


「はぁぁぁ……なるほどね。でもちょっと納得いった。あの時の海なんかちょっと変だったし」


「え、バレてた?」


「うん、自分から誘えとか言っときながらご飯食べてる時もずっとソワソワしてたの、あれ怯えてたんだね?」


「恥ずかしいから言わないでやめて! それに全然中学の時より女子の顔面偏差値高くて日和ってる」


 確かにそれは分からなくはないなと薄笑いしていると、光がジュースを一口飲み足を組む。


「ま、そういう事だったら俺達もこれから協力するから頼れよ。な、七緒?」


「おう、俺達友達だろ」


「二人とも……ありがとう……」


 これ以上辛気臭い話をしても気が滅入るだけなので、少しうるうるしている海の事はほっといて俺は曲を入れる。


「さ、歌いますかね」


「え? え? ちょっと二人の過去の話は無いの?! え、ちょっと!?」


「今日はお腹いっぱいだからまた今度な」


 俺の気持ちを代弁してくれた光が駄々をこねる海をあしらっているのを横目に俺は皆で盛り上がれるような曲を歌い始めた。


 これから先、海が女子ともしっかり話せるようになって海が望むような恋愛が出来るといいな。



「てか筋トレとかして痩せたのに今全然体力無いのはなんでなの?」


「……風邪引いた後からやるのめんどくなってやってない」


「やれや! 太るぞ!」


「はぁ!? そういう光はやってるの~!?」


「やってるが?」


「スミマセンデシタ……」




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