第28話 嫉妬?
〇七月明奈視点〇
メロちゃんとのコラボ配信楽しかったなぁ……。
コラボに誘うのも緊張したし、一対一で話すのも緊張して最初は上手く話せなかった。
ツニッターとかで今まで見てたメロちゃんとまさか自分がコラボ配信出来るようになるとは思ってなかったな。
それにしても、可愛かった。年上なのに、声は滅茶苦茶幼くてか細くて思わず守ってあげたくなるような声をしていて、たまに脳がバグってた。
その声から飛び出してくる暴言は凄いが、声がその暴言を和やかにしてくれる。小さい子が暴言吐いてもあははーと微笑ましい気持ちになるのと同じ感覚だった。
ヴァルも私と同じランク帯だからまた一緒にやろうってメロちゃんの方から誘ってくれて嬉しかったなー。
ゲームは私よりも上手くて、褒めると照れるのが可愛いかったし、たまにお姉さんぶろうとしてるところとかも可愛いくてメロちゃんの魅力を身を持って知った。けど実際お姉さんだしゲームで冷静に人数不利も勝っていて本当にかっこいい所もあった。
次やるときは私もメロちゃんに良い所を見せてかっこいいって思ってもらうぞー!
あぁ配信終わったばっかりなのにもっとヴァルをやって上手くなりたい気持ちが湧いてきちゃった。
明日は体育祭の振替休日で休みだけど、昼まで寝ちゃうのは勿体無いから今日は大人しく寝るんだ! 私我慢しろ!!
あれ、そういえばラギくんも今日配信つけてたよね。もう終わったのかな?
私が配信している時に配信通知が届いてた気がしたのを思い出し、ラギくんのアカウントを検索して覗くと配信終了を知らせるツニートが目に入ってきた。そのツニートの下には配信開始の文と一緒にURLが貼ってあったので何も考えるまでもなくクリックする。
既に配信が終わっていたので最新のアーカイブが自動で再生され始めた。
へ~珍しくエテやってたんだ。いっつもヴァルしかしてるイメージなかったなー。
コラボと書いてあったから誰としたのか興味本位で少しだけアーカイブを見てみる事にした。
どうやら日和さんという、ゆるふわ天然系お姉さんとデュオで、二人きりでランクを回していたらしい。
えぇぇぇ!? なにこの包容力ありまくりの余裕がありそうなお姉様は!? え、待って、今二人きりでしたかったって言った!? 小悪魔系でもあるの? あ、そういうことね、人見知りなのか。
え、柊くん照れてるのかな?
自然と柊くんが顔を赤くして目を逸らし、口元を手で隠して照れている姿を想像してしまう。
コメントでも視聴者から指摘されていたが、それに対しラギくんがした返答を聞くとクスッと思わず笑みが溢れた。
なに勘違いしちゃうって、ふーん柊くんこういう反応もするんだ……。
少しだけ見るつもりだったが、二人のやり取りが気になり過ぎてその後も見ているとラギくんが照れているような場面が多々あった。
柊くんも男の子だなと思うが、私も見てるだけで照れるというかきゅんとしちゃう発言を日和さんがするから気持ちは分からなくはなかった。
けど、それと同時に少し心がモヤっとした。私以外の女の人と楽しそうにしているのに嫉妬している……?
いやいやそれはないよね。だってあきななとラギくんはただの少し仲のいい配信者友達。それに私と柊くんだってただの同じクラスの友達だし嫉妬するような関係性じゃない。
そう、そのはずなのにこのモヤっとする気持ちはなんだろう。
深く考えてもよくわからなかったので再びアーカイブに意識を向けると、ラギくんが気持ちいいほどに敵に弾を当てまくり敵のアーマーを割った音が鳴り響く。
そして一人をノックダウンさせ、遮蔽を上手く使いながら回復と弾のリロードを済ませると交戦を続けている日和さんのアシストに入り、部隊を壊滅させていた。
『お、おぉ! ナイスカバー過ぎるよラギくん、ありがと~!』
『ナイス耐えです!』
いやラギくんエテも上手なのね……。
〇柊七緒視点〇
振替休日もいつものようにダラダラして終わり、また学校が始まる。
体育祭が無事に終わったことにより、みんな少し気が抜けている気がする。かくいう俺も今日は遅刻しそうになった。
ギリギリの所で教室に滑り込み、光にまた呆れられ海は笑っていた。
ふと七月さんの方を見るとバチッと目が合ったのだが、何故か直ぐに逸らされてしまった。
…………?
いつもならニコッて笑ったり呆れ笑いを向けてくるのに今日はどこか少し不機嫌な気がした。
七月さんと仲が良い桃沢さんや小野さんの方を見てみるが特に何も知らないのかいつも通りといった感じだった。
最後の頼みの綱だというように渡辺さんの方を向くと目が合った。
何か知ってる? と首を傾げアイコンタクトを送ったが伝わらなかったのか、渡辺さんは片方の眉を顰めながら小首を傾げると前を向いてしまった。
授業が始まり1時間目、2時間目と終わっていく中観察してみたがあれ以降は至って普通だった。




