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仮面鍛冶士は今日も装備を作る ~Braves Beat~  作者: あきさけ
第一章 出会いは赤と紅に染まって
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19.街に帰りて日常に戻る

「いやー、楽しかったねエイト君! たまには冒険もいいものでしょ?」

「個人的には疲れたけどな。……まあ、実入りはあったから悪くはないかな」


 街までたどり着き、俺の工房へと全員でやってきた。

 全員が一息つきたいということだったので、作り置きのフレッシュジュースを差し出している。


「……うむ、これも美味しいな。やはり、料理スキルのランクが高いと変わるものなのかね?」


 フォレスト先輩が聞いてくるけど、どうなんだろうな。


「試したことも比較したこともないのでなんとも。材料の差じゃないですかね?」

「ふむ、ちなみに材料は?」

「リンゴとオレンジ、パインにレモンを少々です」

「いろいろと混ぜているのだね」

「よくわかりませんが、四種類くらい混ぜると美味しくなるらしいので。知り合いの料理人が言ってました」

「なるほどな。やはり、生産職同士の繋がりは深いようだ」


 確かに、生産職同士の横の繋がりはかなり広い。

 お互いに素材を交換しあったり、スキルの情報を交換したりと便利なものだ。

 俺もいろいろと情報提供しているし。


「……さて、とりあえず最低レベルの赤妖精を倒してきたわけだが。感想はあるかな、エイト」


 フォレスト先輩に問われたので、こう答える。


「そうですね。……思っていたよりも強かったかな?」

「そうか。まあ、レベルが上がってもタフになるくらいで攻撃パターンは変化しないからな。レベル25のボスとしては強めだろう」

「そうなんですか。ちなみに最高レベルってレベルいくつなんです?」

「いまのところ40が最高レベルだな。ちなみに、前回持ち込んだ赤妖精はすべてレベル40で倒してきたものだ」

「なるほどです。それで、素材の品質があんなによかったんですね」


 今日剥ぎ取った分の素材は、すべて品質Cだった。

 宝石は無事に入手できたからいいものの、それがなかったら解体ナイフの分、赤字だったな。


「我々としては、討伐難易度による素材の差などないと思っていたのだがね」

「そうだねー。装備がドロップしやすくなる、程度にしか思ってなかったよねー」

「確かにな。……まあ、装備はエイトのおかげで一式揃っちまったわけだが」


 先輩方の言うとおり、赤妖精装備は一通り作っている。

 あと作るとしたら、ソード先輩の腰装備や下半身装備、後はブレンの防具か。


「なあなあ、エイト。俺の分の防具も作ってくれよ」

「構わんぞ。素材は揃っているんだろうな?」

「あー、たぶん? 前回剥ぎ取りでお裾分けしてもらった分と今日の分でなんとかなるか?」

「とりあえず、一覧を見せてみろ」

「おっけー。これだ」


 ブレンの持っている素材の一覧を確認する。

 ……うーむ、これだと。


「ブレンは金属鎧が好みか?」

「おう、そうだな」

「じゃあ上半身鎧に腕、腰、足はなんとかなる。下半身鎧は無理だな」

「……素材を集めればなんとかなるか?」

「なんとかなるが……赤妖精装備もそれなりに重いぞ? 全身フル装備で大丈夫か?」

「これから鍛えるから平気だ!」


 なんとも脳筋なお答えで。


「わかった。作っておいてやるから、素材を渡せ」

「やったぜ。それじゃあ、頼んだ」

「おう、任せろ」


 ブレンから素材を受け取って、とりあえず倉庫にしまっておく。

 さて、この後はどうしたものか。


「なあ、エイト。俺の下半身装備も作ってくれないか?」


 今度はソード先輩からの依頼か。

 特に問題はないし、引き受けよう。


「いいですよ。上半身と同じ金属防具でいいですか?」

「あー、いや。下半身はレザーアーマーのほうがいいんだよな。動きやすいから」

「なるほど、ハイブリッドですか。了解です。レザーだと、ソフトレザーは外注、ハードレザーは俺が作製になりますが」

「ハードレザーで頼む。何日くらいかかる?」

「明日一日は丸一日製作をする予定ですから、明後日にはできていると思いますよ」

「わかった、明後日に取りにくる。金もその時でいいか?」

「ええ、大丈夫です。それじゃあ、素材を預かりますね」


 ソード先輩からも素材を預かり、準備は万全だ。

 ほかに何かあるかな?


「そういえば、エイト君は自分の赤妖精装備を作らないの?」


 レイがそんなことを聞いてきた。


「めんどくさいからパス……と思っていたんだがな」

「思っていた?」

「今日の様子を見る限りだと、自分の分も作っておいて損はないかな、と思ってる」

「やった! これで皆、おそろいの装備だね!」

「装備種別はバラバラだけどな」

「いいんだよ。赤妖精シリーズで統一! なんだか戦隊ヒーローみたい!」

「……そこは魔法少女とかじゃないのか?」

「妹はヒーローもののほうが好きなんだよ。女子向けアニメよりも」


 ……思いがけないところでレイの趣味を知ってしまった。

 でも、赤妖精シリーズだけで固めると、全員赤なのはいいんだろうかな。


「……さて、そろそろ夜も更けてきた。今日はここらで解散としよう」


 フォレスト先輩の言葉を聞き時間を見ると、すでに午後十一時を回っていた。

 普段はこんな遅くまでゲームをすることはないし、そんなに時間が経っているとは思ってもいなかった。

 ……それだけ楽しんでいた、ということなんだろうな。


「そうですね。解散としましょうか」

「だね。またね、エイト君」

「それでは、またな」


 ひとりまたひとりと工房を後にしていく皆を見送り、俺も店仕舞いの準備をする。

 看板を片付けに外に出たところ、そこにダンがやってきた。


「おっす、ダンナ。こんな時間までインしてるなんて珍しいな」

「ダンか。ちょっと遠征に出かけてたからな」

「ダンナが外出とは珍しい。どこに行ってたんだい」

「赤妖精を討伐に」

「……本当に珍しい。勝てたんです?」

「ほかの皆が強かったからな。それに、俺も装備だけは強いわけだし」


 俺の言葉を聞き、ダンはなるほどと頷いた。


「……やっぱり生産職は装備が揃ってますからねぇ。装備制限も生産スキルのレベルが高ければ問題ないわけですし」


 そう、戦闘レベルの低い俺が高レベル装備を難なく着こなせるのは、生産レベルが高いからだ。

 あまり知られていないことだが、生産レベルが高いだけでも高レベル装備は扱える。

 レベル45相当のブラックワイバーン装備を扱えるのはそういう理由があってだ。


「それにしても、ダンナが戦闘ねぇ。戦えたのかい?」

「それなりだな。やっぱり、的が小さい相手は苦手だ」

「動いていない相手には滅法強いのになあ。不思議なもんだ」


 ダンは俺と一緒に狩りに行ったこともある。

 というよりも、俺と同じくサービス開始からゲームを始めた同期で、最初期からパーティを組んでいた仲だ。


「……ところで、ダンナ。赤妖精の防具を頼みたいんだが、大丈夫か?」

「んー、来週まで待ってもらえるなら。ソフトレザーはエミルのところに行ってくれ」

「了解。エミルもたまには狩りに行けばいいのに」


 実を言えば、エミルも最初期のパーティメンバーだ。

 俺以上に町から出歩いていないみたいだけど。


「ま、そこは好き好きだろうな。とりあえず、注文を聞くから中に入ってくれ」

「了解。それじゃ、今回もよろしく頼む」

「ああ、バッチリ仕上げるから期待していてくれ」


 ゲーム同好会の皆との時間が過ぎた後も、やることは変わらない。

 シータサーバーの外れ、裏路地にある工房で明日も装備を作るのだ。

 それが、俺の日常だからな。


いつもお読みいただきありがとうございます。

毎回の誤字報告本当に助かっています。

感想もありましたらよろしくお願いします。


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