42話 私の好きな作品~少女漫画の余白~
今日は、私のメイン作品の『ゲームチェンジャー』の連動企画です。
これまで、名作文学やコメディ、などこのコラムも、メイン作品をどう書いていくかっていう動機で始まりました。
私の好きな作品紹介はじめます。
みなさま。
答えって、ある方が面白いですか?
ああだこうだと、結論が出ない議論って、意外に面白い。
私は高校時代、ミルクティーは「午後の紅茶」と「紅茶花伝」どっちが美味しいかで、数時間議論したことがあります。
相馬ゆうです。
まず、私の学生時代の体験から。
男友達の「振られた話」の相談を、何度か聞いたことがあります。
「なんでだろう……」
気持ちは分かる。でも、結論なんてねーよ、と思ってしまう。
最近は「蛙化」という言葉も流行語になりましたね。
でも理由なんて、大してない。
人の心は、余白だらけなんです。
***********
今回は『ゲームチェンジャー』の連動企画。
女心の「余白」を描いた作品たちの話です。
古い作品は、母親の本棚から見つけたもの。
でも、私のバイブルでもあります。
そしてこれは、『ゲームチェンジャー』今回の短編テーマとも、はっきりリンクしています。
***********
① ジョージ朝倉『溺れるナイフ』
小松菜奈・菅田将暉主演で話題になりましたね。
(このあと二人が結婚するなんて、当時は想像もしませんでした)
まず、論理的に考えると意味が分からない。
大切にしてくれる友達より、菅田将暉を選ぶ論理。
友達との関係性も、衝撃的な事件も、かなり一見『雑』に描かれている。
でも、これは悪口じゃありません。
あくまで「主人公の女の子の内面」を描いていると考えると、全部成立する。
筋の通った時系列は関係ない。
重視されているのは、その瞬間の「今ここにある感情」。
つながりじゃなく、余白。
これが、すごい。
ジョージ朝倉さんの世界観は一貫しています。
・『恋文日和』——余白だけで殴ってくるショートショート集
・『ピース オブ ケイク』——多部未華子主演。感情が流されていく物語
ジョージ朝倉作品の主人公は、現実世界に対して「無」に近い。
悪く言えば流されるまま。
でも、それこそが余白を最大化させる。
実際、皆さんそんなに論理的に行動してますか?
***********
② 南Q太『さよならみどりちゃん』
なんとなく人を好きになり、なんとなく終わる。
論理はほぼない。テーマと余白だけ。
それを映画として再解釈した作品も素敵でした。
テーマソングは荒井由実『14番目の月』。
満月より、満たされない14番目の月が一番好き——
この歌詞自体が、この作品の説明になっている。
理由がなくても、終わる。
それが現実。
そして、女子は振り返らない。
***********
③ 魚喃キリコ『ストロベリーショートケイクス』
これも映画化された女性群像劇。
登場人物一人ひとりの悩みは小さい。
でも、その振ればの対比が刺さる。
説明はほとんどされない。
余白は、読者側で勝手に育つ。
女性の群像劇って、実はかなり少ない。
どちらかというと私の短編集も視点は女子。
***********
④ 久保ミツロウ『モテキ』
私はドラマから入りました。
論理で考える男子と、気まぐれで動く女子。
そのズレが、構造として可視化されている。
ドラマ版・映画版は、日本版『(500)日のサマー』を意識しているように感じます。
同じ出来事を、男女それぞれの心の構造で描く物語。
(異論は認めます)
ここで一言。
男どもよ。
幸せの神様は「前髪しかついていない」んだぜ!
***********
結論です。
人はどうしても、因果関係で説明しようとする。
でも、因果が最初からきれいにつながっていることなんて、ほとんどない。
私がやっている統計の世界では、
因果は「あと(結果)から再構成される」ことの方が圧倒的に多い。
だから私は、
感覚=ノイズだとは思っていません。
感覚こそ、現実に最も近いデータだと思っています。
女心の余白も同じ。
答えがないからこそ、リアル。
***********
こういった余白を、『ゲームチェンジャー』二部のキーパーソンになる予定の「桐谷」の学生・新入社員時代のエピソードで、必死に描いています。
長編キャラを立体的にするために、群像劇やショートエピソードを挟むのは、正直ズルいかもしれない。
物語の推進力を止めるノイズにもなり得る。
でも今は、自分の表現の幅を広げたい!
だから、もがいて、実験している。
トライ&エラーです。
エラーばかりになっていないか警戒している、相馬ゆうでした。
次回は、ネット時代の作品の新しい可能性を感じた
『推しの子』の「風呂敷の広げ方」について、少し物議を醸しそうな角度で考察します。
学生時代の友人相談の話はリアルです。
この場合『説明する』ことより『気づきもらう』という高度なこと・・・
いやいや、こうやって人格って形成されるんですね。
皆さんは、好きな作品ありますか?
いろいろコメントで教えて下さい。




