94話 悪夢(前編)
「モクモクモクモクモク…」
ええええ~!!
こ、この緑色の煙は、一体…!?
私は…目の前の光景に呆然とします。私は、寝室で寝ていたはずでは…
(キョロキョロキョロ…)
「「「!!」」」(私)
いや…やっぱり、ここは寝室でした!!
寝室全体に緑色の煙が…充満しているので、一瞬どこだか分からなかったです。その緑色の煙は、その煙自体が緑色に発光している様で、寝室を薄暗く照らしながら、不気味に漂っている。
「うう…」
そして、鼻を突く異様な臭いがします。私は手で鼻をつまむ。
この不気味な煙ですが…どうやら、寝室のドアの僅かな隙間から入り込んできたみたいでしょうか。私はすぐに立ち上がり、寝室の明かりをつけようとしますが―
「パチパチパチ―」
「あ、あれ…」
いくら、スイッチを押しても明かりはつきませんでした。
故障でしょうか。
「…」(私)
まぁ、仕方がないので、私は寝室のドアを開けて廊下に出ます。
廊下も、不気味な煙が漂っています。私は…恐る恐る寝室から出て、階段を降りて1階に向かう。暗くて、足元がよく見えませんので、気を付けてながら降ります。
明かりと言えば…
不気味な煙が放つ、僅かな緑色の光だけです。
「ギィシ、ギィシ―」
「ギィシ、ギィシ―」
「…」(私)
―これは、不気味な煙の為なのでしょうか。
降りていく先が、歪んで見えます。
私は…本当に、1階に降りているのでしょうか。
「ギィシ、ギィシ―」
「ギィシ、ギィシ―」
(あれ…この廊下って、こんなに長かったでしょうか!?)
階段を降りた私―
階段を降りたら、居間へと続く廊下ですが…その廊下は、異様に長く見えた。そして…壁には、相変わらずの沢山の絵画が掛けられています。
(ゴクリ―)
暗い廊下を進みながら、息をのむ私。
これも、不気味な煙の為なのでしょうか-
絵画に描かれている人達の目は…怪しく光り、廊下を歩く私を『ジィィィィ―』と見つめています。しかも、見たら天井にまでビッシリと絵画が飾られている。
その殆どが、肖像画です。
皆、埃や蜘蛛の巣に覆われていて…
長い間、ここに飾られている事が分かる。
その肖像画の人達は、もうとっくにこの世を去っているのでしょうか。
血の気の無い顔が、四方八方から私の事を見ている。
まるで、彼らの亡霊達が-
私に、何かを語りかけているみたいです。
「…」(私)
(まぁ、ですが…)
この世界で、不思議な事を色々と体験した私は…恐怖に対する耐性も、かなりついていました。これくらいの事ならば、もう特に問題はありませんよ!!
((ブルブルブルブルブル…))
うん、大丈夫です。
耐性は…きっと、ついているはずです(汗)
私は、身体をブルブルと震わせながら…
臆する事無く、廊下を進んで行きます。
そして―
しばらく廊下を進んで行きますと、とても大きな額縁が飾られていました。それは、夕食の時にゼニィーが落とした絵でしょうか。
私が気になっていた絵でもあります…
正装した男女が、描かれている絵でありました。
また、お婆さんが掛け直したのか…
同時に、私は嫌な事を思い出す。
そういえば…
ゼニィーより、その2人の顔は真っ黒に染まっていたと聞きましたね。
流石に、その顔を見る勇気が無い私は、その絵の横を素通りする。
その絵の顔と目を合わせない様に、視線を逸らしな―
「「「ガシイイイイイイイイ―!!」」」
「「ギャアっ!!」」
丁度、その時です!!
突然、誰かが後ろから、私を手を掴む!!
ビックリして、声を出す私。
すぐに、後ろを振り向くが―
誰もいませんでした。
(((ええええ~、今の何ィィィィ!?)))
オロオロする私。一瞬…お婆さんとも思いましたが、誰だったのでしょうか。その握ってきた手は、氷の様に冷たかった。
「ん、あれ…!?」
(手に、何か違和感を感じる…)
握られた手に違和感を感じた私は、その手を見ますと…
その指には、指輪がはめられていた。




