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寂しい山脈の冒険(part3) ~身構える私~

※息抜きは、ここまで!?

お次は、死の晩餐会へ―





スライムの討伐から一夜明けて―





「「「コケコッコオオオオオオオオ―!!」」」






朝陽と共に、ニワトリの鳴き声が村に響き渡ります。


草原の彼方から突き刺さる眩しい朝陽は、村を燦々と照らします。


私は目を細めながら、辺りを見渡しますと―





          「ワイワイワイ…」



          「ガヤガヤガヤ…」






(う~ん…)




相変わらずの生活感が溢れる長閑な風景ですね。





村の広場を、ニワトリと共に駆け回る子供達。



これから、畑仕事に行くのでしょうか…


農具を携えたオジさん達。



洗濯や掃除や家事とかで、忙しなく動き回るオバさん達。





そこには…どこにもスライムの姿は見当たりませんでした。





そしてー


私とゼニィーは、村の入り口の前にいた。











「有難うございました…」


「また、この村に来て下さいね」




モッチ村長は、言う。


そして、そこにはパチ四天王やベン君など…


村を代表する面子も揃っています。






「はい!!」


「また、いつか…」




このパチ村には、1日だけしか滞在していませんでしたけど、いざ出発するとなると、私は寂しい気持ちになっていました。




いや―


1日だけしか、滞在しなかったからでしょうか。


本当は、もっともっと長くこの村で過ごしたい気持ちもありましたね。






―ここは、とても良い村です。














「さようなら~!!」 「有難う!!」 「助かったぞ~!!」



「また、来てね~!!」  「騎士様ー!!」


 

        「じゃあね~!!」






村人達も、ゾロゾロと私を見送りに集まって来ます。


今度は、盛大に見送られる私。私は、手を振りながら応える。




「!!」(私)




んっ、そういえば…

見送る村人達の中に、カリーナさんの姿がありませんね。


何となく、いると思いましたけど…






       (はて、トイレでしょうか…!?)
















「ごめ~ん、トイレに行って遅れちゃったわ!!」


「イブさん…有難う、また会いましょうね~!!」 




遠くから、元気に手を振るカリーナさん。


あっ、やっぱりトイレでしたね!!







「ベン君、カリーナさんと上手くやってよね!!」



「モチさんも皆さんもどうか、お元気で~!!」





「イブさんも、立派な騎士になってね~!!」





「ワアアアアアアアアアア―」




「ワアアアアアアア―」




「ワアアアア―」








「…」








「…」










私は手を振りながら、先を行く事にする。


次第に遠くなる村人達の声は、風の音の中に消えていく。







      「ヒュウウウウウウウウウウウウ―!!」







私達は、また寂しい草原の道を黙々と歩いて行きます。














             ○
















パチ村を出発してから、1週間が経とうとしていました。



私達は、その間にも黙々と草原の道を歩いていました。

途中…何匹かのスライムが出現しただけで、それ以外の魔獣は何も出ません。相変わらず、寂しい道です。




(テクテクテクテクテク…)



距離で言いますと…

パーシャから500キロ以上は歩いたでしょうか。

このまま…何も無い草原の道がずっと続くのでしょうかね。


しかし…


そう思っていた矢先に、その景色は徐々に変わり始めていました。

私達の目の前には、次第に大きくそびえ立つ山並みが迫って来ます。パーシャの町から、遠く彼方に霞んで見えていた雄大な山並みが近付いて来たのでしょうね。



そう、ここが―



この山並みこそが、パーヴェル山脈…


通称『天魔の山脈』と呼ばれる山脈なのです。




(ゴクリっ―)



そして…私達は、とある森の入り口に立っていました、寂しい道は、そのまま薄暗い森の中へと続いていく。この森は『天魔の山脈』の麓に広がるパーヴェル森林地帯と呼ばれる大きな森になります。


私は…少し息を飲み、森の中へと進んでいきます。




(テクテクテクテクテク…)




「「ザアアアアアアアアアアアアアアアアア―!!」」





木々の枝が風に吹かれて、不気味な音が辺りを覆う。


時間は15時過ぎになろうとしていました。もうすぐで夕方です。空は深い青色に帯びて、日差しもそれなりに傾いている。




そんな傾いた日差しは…


殆んど地面に届かないので、森の中はとても薄い暗い状態です。


この森は…ハイキングをしている気分を味わえる様な爽やかなで明るい森とは真逆で、如何にも何かが出てきそうなジメジメと湿っていて、薄暗く不気味な森でした。







        (テクテクテクテクテク…)





           「…」(私)





そう思いながら、、歩いていますと…


色々と嫌な想像が、働いてしまいます。




(ブルブルブルブル…)




薄暗い茂みの奥から―



この森で行方不明になった人達が、覗いている感じがする。







    「「ザアアアアアアアアアアアアアアアアア―!!」」








―私は、モッチ村長の話しを思い出していました。




モッチ村長は…私の行く先を聞いて、話してくれたのでした。


このパーヴェルの森近辺にある、いくつかの村では毎年一定数の行方不明者が出ているそうです。そして、どうやら…このパーヴェルの森で行方不明になってしまったとされています。



それは、何故か―?



それは…行方不明になった人の靴などの所持品が、森の中に落ちていたからだそうです。更に行方不明になった何人かは直前に、この森に入る所を目撃されているとか。


それも真夜中に時間に…





行方不明と言いますと…


この世界では、害獣や盗賊に襲われたり、拐われたりして、行方不明になる事があるそうですが、元々…パーシャ地方一帯はカコシが出るパーシャの町がある為か、害獣は少ないそうです(但し、ランダムに出現するスライムエッグは除く)。そして、盗賊に関しては全くいないそうですね!!



ですので、もしかしたら…


行方不明になった人達は皆、この森に入って遭難したのではないかと考えられているのです。






「…」(私)




ですが、夜な夜な森の中に入って行くとは…


森の中に、一体なんの用事があったのでしょうか。




私的には…行方不明になった人達は皆、色々と思い詰めていた事でもあったのかもしれない…とも考えましたが、それも定かではないとか。少なくとも…その人達は皆、行方不明になる直前まで何かに思い悩んでいる様子は無かったとの事です。




なので…


本当に何のキッカケも無く、突然いなくなってしまうそうですね。


そして、この行方不明になる人数も年々増えているらしい。





まるで、森の中にいる何かに呼ばれているの―






          「ガサガサガサガサ―」





(んっ、茂みから音がするぞ…!!)




動物でしょうか。


この森には、魔獣は住んでないと言いますので…


私は、恐る恐る茂みの中を覗いてみますと―



「「「ギョオオオオ!!」」」




茂みの中から―

大きな目がパッチリと、私を凝視していた!!

黄色く輝く目が、茂みの闇の中に浮かんでいる!!


「「バサアアアアアアアアアアアア!!」」


直後-

茂みから、何かが飛び出して来ます!!




「「ウワアアアアアアアアアアア―!!」」




「ヤッホ~!!」

「お疲れ様で~す!!」



「…」(私)



いや、ゼニィーでした…(汗)





「「ちょっとビックリさせるな、ゼニィーイイっ!!」」



茂みから、ゼニィーが飛び出して来ました。

私は、腰を抜かしながら言う。



「んっ、どうしたの~!?」



「アンタ、姿を見ないと思っていたら一体、何をやっていたのよ!?」

「また、小銭を拾っていたの!?」


「いや、行方不明者の手掛かりを探していたよ~!!」




「えっ、ウソ…!?」



ゼニィーの予想外の言葉に唖然とする私。

てっきり、小銭を探していると思いましたけど。



「流石に、こんな人が住んでいない森の中に、小銭なんか落ちている訳が無いでしょう。普通に考えれば、分かるでしょ~!!」



「そ、そうね…」



更に予想外の正論を言うゼニィーに、言葉が詰まる私ですが…


いやいや、そもそも落ちている小銭を探す事自体が、正論とは程遠い気がしますけどね。




「でも、手掛かりは何も見つからなかったけどね~!!」


「そ、そうなの…」






            「…」(私)






行方不明者の手掛かりは、何も見つからなかったみたいです。

このゼニィーの言葉は、私の予想の範囲内でもありました。まぁ、近隣の村人達も頻繁に、この森の中を捜索しているそうですからね。



しかしながら…


たまに、行方不明になった人の所持品が見つかるくらいで、行方不明になった人達は、今まで誰1人として見つかっていないらしい。しかも…数年前には、騎士達も含めて、森の中を大捜索した事があったみたいですが、それでも行方不明者は見つからなかったみたいです…


見つかったのは、朽ち果てた空き家が1軒だけだったとか。




「…」(私)




行方不明になった人達は皆、どこに行ってしまったのでしょうか。


謎が広がるばかりです。







「そうそう…」

「手掛かりは見つからなかったけど、食材なら沢山あったよ~!!」


「えっ、本当!?」



ゼニィーの言葉に、一気に胸が高まる私。


んっ、ですが…



「また、虫とか蛙とかじゃないわよね…?」


「いやいや…」

「今回は違いますよ~、ホレっ!!」


ゼニィーは、口からタッパーを取り出して、蓋を開けようとする。



(ゴクリっ―)


息を飲んで、身がまえる私。









       果たして、タッパーの中身は一体!?














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