表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/137

82話 あれっ―!?





「あれっ―!?」


「そういえば、カリーナがいませんね…」


ボタンを押そうとしたモッチ村長は、気付いて言う。




「あれ、おかしいですね…カリーナさんも私達と畑にいて、一緒に逃げて来たと思ったのですが…」


逃げてきた村人の1人が言う。

カリーナさんは、一体どこに…





「はて、トイレですかね…?」









        


            「…」(皆)













「「「カリーナアアアアアアアアアア!!」」」(2人の叫び)



((ええええええ~!!))



モッチ村長とベン君はー

先程の冷静さは、嘘だったかの様に叫びながら村から飛び出していきます。まさか、そのまさかで、カリーナさんはまだ畑にいる可能性が高いのです!!



((カリーナさんに、何かあったのか―!?))




「…」(私)


…と言いますか、モッチ村長は腰を痛めて全然動けないと言っていたのに、まるで陸上選手並みのスピードで駆けて行きます。これは、何かの魔法を使ったのでしょうか―!?

いや、それとも火事場の馬鹿力か―!!




「あれは、痛みを軽減するペインレストと言う魔法よ!!」


カマンヴェールさんは、言う。

あっ、魔法だったんですね。


なるほど…いや、そんな呑気な事を言っている場合では無い!!



「「私達も追いかけるわよ!!」」


「「は、はい!!」」




―畑は、村から数百メートル離れた場所にありましたね。

私とカマンヴェールさんも、全速力で前を行く2人に離されない様に必死に走る。



「「ハァハァハァハァハァハァ―!!」」


息を切らしながら走る私。

体力、少なっ。


「!!」(私)




でも、すぐにカリーナさんの姿が見えた。


道の真ん中で、うずくまっている。手で痛そうに足を抑えている。近くには、スライムがピョンピョンと飛んでいた。もしかして…スライムで転んで、足を痛めてしまったのか!!




「ウゴオオオオオオオオ…」






そして―


そのすぐ後ろには、巨大ゴブリンがいて、巨大なこん棒をカリーナさんのか弱い身体に向けて、高々と振りかざしている。そう、今まさに、こん棒を振り下ろす所だった。こん棒に潰されば、間違いなく即死だ!!


しかし、しかしー

懸命に前を行く2人も…距離的に、もう間に合わない―!!





「ダメよ、間に合わないわ…」



カマンヴェールさんも、そう言葉を漏らす。




((クソっ、間に合わないのか―))





     「「カリーナサアアアアアア―ン!!」」




     「「ベンサアアアアアアアア―ン!!」」








2人の悲痛な叫びが、響き渡る。




私は、こん棒が振り下ろされる瞬間に


カリーナさんから目を背けようとするが―














        (あっ、バリアがあったわ…)





「「「「「ガッキイイイイイイイ―ン!!」」」」」


バリアが巨大ゴブリンのこん棒を受け止めます。


と言いますか…



モッチ村長が、カリーナさんがいないと気付いた時点で、ゼニィーが畑に急行していました。カリーナさんの頭の上で、手を振るゼニィーさん。

ああ~、良かった…


膝をついて、安堵する私。



「これは、一体…!?」(唖然とする2人)


「イブちゃん、もしかして貴方の魔法なの…?」



皆が唖然としている中、カマンヴェールさんは言う。



「はい、バリアです…」


「えっ、バリア…あっ、防壁の魔法の事ね!!」






     「「ウゴオオオオオオオオオオオオ―!!」」



      「「「ガッキイイイイイイ―ン!!」」」


      「「「ガッキイイイイイイ―ン!!」」」


      「「「ガッキイイイイイイ―ン!!」」」


 


それからも…


相変わらず巨大ゴブリンは、こん棒でカリーナさんを叩いている。

とりあえず、ここから先はどうしましょうか…?

モッチ村長とベン君も、我に返ったのかタジタジしていますし。



「フフフフ、私に任せてちょうだい」

「「さぁ、今度は私の見せ場よオオオオオオオオ!!」」


「!!」(私)


カマンヴェールさんは高々に叫ぶと、懐から瓶を取り出して飲み干します。すると―





      「「ムキムキムキムキムキムキ―!!」」

       「「フオオオオオオオオオ~!!」」




「「あああ~ん、力が漲るわアアアアアアアアアアアア~!!」」



((えええええ~!!))


細身だったカマンヴェールさんの身体は、筋肉がムキムキになり凄い膨れ上がる。



「「オラアアアアアア―!!」」

「「必殺、カマパンチ!!」」





     「「「バアアアアアアアアアアア―ン!!」」」




        ((いや、カマパンチって―!!))






狙って、やっているのでしょうか。


それとも、単純にカマンヴェールパンチの略か…




カマンヴェールさんはー


私がカリーナさんの周りに作ったバリアを踏み台にして、そのまま巨大ゴブリンに盛大なアッパーをお見舞いした。巨大ゴブリンの身体は宙に浮くと、そのまま頭から地面に激突する。






      「「「ズドオオオオオオオオオーン!!」」」




巨大ゴブリンは脳震盪を起こしたのか、ピクピクとしています。




「す、凄いパンチですね…」(唖然とする皆)



威力もさることながら


見た目も圧巻の光景に、言葉を失う私達であった。

























評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ