第三話
・・・実はけっこう前に書き上げてそのまま投稿するの忘れていました。
すいません。
あれから3日たった。
今日はふと思い付いて、体組織を分離させてみた。
どうやら核から切り離してもある程度自由に動かせるようだ。
意識も切り離せるかもしれないが、どうなるかわからないのでやめておいた。
さらに3日後。
今日も半人型形態で探索をしよう。
本体から数個の体組織を分離させて宙に浮かせ追随させる。
敵を見つけたら、鋭い杭状に変形させ、高速で回転させて打ち出し、標的を貫通させる。
一定の範囲内ならばいつまでも標的を追いかけ、多方向から襲い掛かる漆黒の魔弾。
弾体が小さく、弾速が早いので、目視での回避はほぼ確実に不可能だ。
下半身の本体に手をかざし、本体から伸びてきた大鎌をつかむ。
分離させられる、ということで武器を作ってみたらうまくいった。
正直、直接身体を変形させて攻撃したほうが強そうだが、魔力(?)を込めて攻撃する時にイメージしやすくなるし、威嚇にもなるし、それなりに強いしなんとなくカッコいいので使っている。
それに大鎌をフェイントにして本体から直接攻撃すると面白いように当たる。
ただ単に無数の触手の刃によるフェイントまじりの攻撃よりも当たる。
全くのノーモーションで放たれる触手刃より、振りかぶるなり構えるなりなにかしら動きが必要な大鎌は反応しやすいため、つい反応してしまうのだろう。
多分、全く性質の違う攻撃が同時に来るのも効果的なんだと思う。
大鎌の扱いは難しかったが、数日掛けてなんとか基本的な鎌の振るい方をマスターした。
両手を大きく開いて柄を握り、左手を伸ばし右手を体に引き付けるように構える。
左手を突きだし、即座に引きながら右手を伸ばしつつ薙ぐように振るう。
すると、刃先が標的の後ろに滑らかに回り込み、振り切った時には標的が綺麗に刈り取られる。
他にも、振って突き刺す、押し付けて外側で切る、すれ違いざまに引っかけるように切る、大きく振って引き戻す時に切る、など、多彩でトリッキーな使い方が出来る上、わたしの体組織なので自由に変形させることも出来る。
無形な触手刃の多重連続攻撃、魔弾によるオールレンジ攻撃、魔法による各種特殊攻撃と組み合わせることにより、まさしく変幻自在な攻撃が可能だ。
今まで、平和な日本で安穏と暮らしてきたわたしだけど、ここで生き延びるためには強くなければならない。
でなければすぐにモンスターのエサになってしまうからだ。
今日は戦闘時のセンスを学ぶため、大鎌と魔弾のみで戦うことにした。
大量の触手刃による攻撃や魔法による殲滅は力押しで敵を一掃できるけど、効率が悪く、多分強い相手には通用しない。
能力に頼っただけの戦いでは、足下を掬われるかもしれない。
なので、自分の戦いに関する経験値をためて、センスを磨こうと思ったのだ。
そして今日も、広大な森の中を探索する。
しばらくして、モンスターの群れとエンカウントした。
十体程の小型の爬虫類型モンスターだ。
二足歩行の小型肉食恐竜にそっくりだ。
“小型”とは言っても、体長3〜5メートル程もある。
ただわたしが今までに遭遇した中では小さい方というだけだ。
こちらを見つけると、連携して襲い掛かってきた。
まずは魔弾を試す。
左手のひらから泡のように体組織が沸き上がり宙に浮かぶ。
イメージによって鋭い杭状に変形し、高速で回転し始めた。
音を置き去りにして撃ち出される漆黒の魔弾。
一瞬でモンスター一体の頭蓋を吹き飛ばす。
・・・グロい。
撃ち出した魔弾を操作し、更に二体の頭蓋を砕く。
今のわたしには目など有って無いようなものなので、意識すれば銃弾を感知して操る事などぞうさもない。
飛んで来た魔弾を身体に戻し、大鎌を構える。
魔弾は強すぎて練習にならなかった。
目の前に迫るモンスターの一体を、右から袈裟懸けに斬り倒す。
モンスターは綺麗に真っ二つだ。
即座に振り向きながら、鎌を振り切った位置から腕を返して背後に迫っていたモンスターを逆袈裟に両断する。
更に振り切った鎌をそのままはねあげるように振るい、鎌の外側の刃で別のモンスターの首を撫で斬りにする。
そのまま掲げた大鎌を、また別のモンスターの頭部に振り落とす。
頭蓋に先端が潜り込み、直後に真っ二つに割り裂いて大鎌が駆け抜ける。
今度は大鎌を右へ身体ごと大きく振り、引っかけるようにしてまた別のモンスターの首をハネる。
更に突っ込んで来たモンスターの足を刈り取り、転倒したところで頭を鎌の柄の先で抉るように叩き潰して止めを刺す。
くるりと振り向きざまに大鎌を振り払い、背後から迫っていたモンスターの首をハネ飛ばした。
どうやらこれで全部なようだ。
大鎌は体組織の一部なので、付着した血液は取り込んでしまえば残らない。
更に倒したモンスターの死骸を取り込む。
取り込めば取り込んだだけ私の体組織の組成が変化していくのが解る。
おそらく、取り込んだ素材を分解して吸収し、より強く、より効率の良い体組織を生成しているのだろう。
そして余剰な物質、不要な物質を廃棄しているのだ。
わたしは老廃物を脱ぎ捨てると、再び探索を開始した。
あれから半月ほどたった。
独りきりで異世界の樹海に暮らす毎日。
昼も夜も得体の知れない化け物がひしめくこの場所で、わたしは未だに生きていた。
日本に居たころは普通の女子高生だったのに・・・。
・・・!?
待て、待て、待て!
何故わたしはこんなにも適応している!?
“普通の女子高生”が耐えられるはずがない!
何故気が狂わない!?
何故今まで考えるどころか気付きもしなかった!?
おかしい・・・
いや、考えるな!
おそらく下手に考えると恐怖のあまり発狂しかねない!
すでに若干狂っている可能性も否めない!
判明した事実だけを心に留めて、生き延びる事だけを考えるんだ!
こんな状況で発狂なんてしたら確実にモンスターのエサだ。
落ち着けわたし!
接近戦はCQC!
基本を思い出して!
視点を変えて前向きに考えるんだ!
幸い、今のわたしには生き延びれるだけの“力”がある。
落ち着いて探索を続けよう。
そのうち何かしら手がかりが見つかるハズだ!
・・・だといいなー・・・
そんなある日の事、いつものように探索をしていたわたしの耳(?)に突然聞こえてきたのは、悲鳴だった。
・・・年端もいかぬ少女の。
次もほぼ出来ているのであまりかからないと思います。




