第24話「空が静かになる日」
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## ■第24話「空が静かになる日」
北方山脈。
監視任務。
風は穏やかだった。
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「……来ないな」
蒼真が空を見上げる。
セリスも首をかしげる。
「最近、全然……」
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報告が上がる。
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・目撃情報、ゼロ
・魔力反応、消失
・痕跡、減少
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王宮・分析室。
「……確認された」
分析班が言う。
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「ドラゴン反応――消滅」
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沈黙。
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蒼真が呟く。
「……終わりか?」
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風太は首を振る。
「違う」
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「“いなくなった”」
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## ■理由
夜の空・最上位報告。
極秘。
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「推定――」
「本星への帰還」
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セリスが驚く。
「本星……?」
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「この世界の生物じゃない可能性が高い」
風太は言う。
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「そして――」
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「向こうの“方針”が変わった」
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蒼真が苦笑する。
「なんだそれ……」
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「俺たちの戦いが、関係あるかもな」
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沈黙。
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## ■現場確認
山脈奥地。
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かつての巣。
巨大な空洞。
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「……空っぽだ」
セリスが呟く。
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爪痕。
焦げ跡。
戦いの記録だけが残る。
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風太は静かに言う。
「帰ったな」
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## ■国内の反応
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民衆:
「助かった……」
「もう来ないのか……?」
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軍:
「脅威消滅」
「戦力維持の必要性は?」
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貴族:
「軍縮すべきでは?」
「財政負担が……」
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## ■揺れる国家
王宮会議。
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「軍縮を提案します」
貴族が言う。
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「ドラゴンはいない」
「過剰戦力です」
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蒼真が低く言う。
「……どうする」
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セリスも不安そうに見る。
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風太は少し考え――
言った。
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「維持する」
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ざわめき。
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「なぜです!」
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風太は静かに言う。
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「“理由が分からないから”だ」
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沈黙。
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「来た理由も」
「帰った理由も」
「完全には分からない」
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「だから、備える」
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## ■本質
風太が続ける。
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「俺たちは、勝ったわけじゃない」
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「“見逃された”可能性もある」
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空気が凍る。
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セリスが小さく呟く。
「……怖いね」
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「だからこそ」
風太は言う。
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「この状態を“基準”にする」
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## ■新方針
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・軍の維持(縮小なし)
・訓練継続
・技術開発継続
・情報収集強化
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蒼真が笑う。
「平和ボケはしないってか」
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「そうだ」
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## ■静かな変化
街。
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子供たちが遊ぶ。
空を見上げる。
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「ドラゴン、もう来ないよな!」
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セリスがその様子を見る。
少し微笑む。
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「……来ないといいね」
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## ■ラスト
夜。
王宮の屋上。
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風太が一人、空を見る。
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静かすぎる空。
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(……次はどこだ)
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遠く。
ほんの一瞬。
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“光”。
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消える。
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風太の目が細くなる。
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「……終わってないな」
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