第20話「見えない敵への備え」
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## ■第20話「見えない敵への備え」
王宮・軍議室。
机の中央に置かれたのは、一枚の絵図。
「……これが“想定敵”か」
蒼真が低く言う。
そこに描かれていたのは――
**全長13メートル/翼なし/魔法飛行**
「ドラゴン……?」
セリスが息を呑む。
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風太は頷いた。
「実在は不明」
「だが、“来る前提”で動く」
蒼真が笑う。
「いねえかもしれない敵か」
「だからいい」
風太は言う。
「準備は、裏切らない」
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## ■対ドラゴン戦ドクトリン(基本思想)
風太が板に書く。
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**・単独で戦わない**
**・空と地上の連携**
**・情報優先(位置・速度・癖)**
**・短時間決着**
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セリスが呟く。
「……ボス戦みたい」
「その通りだ」
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## ■軍学校・兵学校の新カリキュラム
### ① 観測・識別訓練
・高速目標の追跡
・魔力反応の検知
・距離・高度の即時判断
「見えない敵を“見る”力」
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### ② 空戦回避訓練
複葉機部隊。
・急旋回
・高度差利用
・散開→再集合
教官が叫ぶ。
「一直線に飛ぶな! 死ぬぞ!」
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風太が補足する。
「相手は直線的じゃない」
「魔法で“曲がる”」
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### ③ 地上支援連携
蒼真が教官として立つ。
「空だけで倒そうとするな!」
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・盾兵 → 引きつけ
・銃兵 → 弾幕
・魔法使い → 貫通攻撃
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「地上が“壁”になる」
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### ④ 集中火力訓練
セリスが指導する。
「一点に集中!」
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・複数機の機銃
・同時魔法(フレイムランス応用)
・時間差攻撃
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「削るんじゃない、“貫く”」
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### ⑤ 恐怖耐性訓練
暗い訓練場。
轟音。
熱。
疑似ドラゴン演習。
新兵が震える。
「無理だ……」
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風太が静かに言う。
「逃げてもいい」
全員が驚く。
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「だが、“次は戻れ”」
「それを繰り返せ」
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セリスが小さく呟く。
「……優しいけど、逃げ場がない」
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## ■対ドラゴン専用戦術
風太がまとめる。
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### ■フェーズ1:発見
・夜の空が探知
・進路予測
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### ■フェーズ2:分断
・複葉機で誘導
・地上へ引き込む
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### ■フェーズ3:拘束
・弾幕
・魔法で動きを制限
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### ■フェーズ4:決定打
・空+地上の同時集中攻撃
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蒼真が笑う。
「完全に狩りだな」
「そうだ」
風太は答える。
「狩られる側になるな」
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## ■数ヶ月後
訓練風景。
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空。
編隊飛行。
以前とは別物の動き。
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地上。
統一された射撃。
無駄がない。
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セリスが言う。
「……みんな強くなってる」
蒼真も頷く。
「自信が違うな」
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風太は静かに言う。
「“いない敵”が育てた」
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## ■そして――報告
夜の空・分析班。
「……報告」
緊張。
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「北方山脈にて――」
一拍。
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「巨大魔力反応」
「移動速度、異常」
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沈黙。
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蒼真がゆっくり言う。
「……来たか?」
セリスが息を呑む。
「本当に……?」
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風太は空を見る。
その目に迷いはない。
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「訓練終了だ」
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