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プロローグ
空は、いつも遠かった。
大蔵風太にとって、空は憧れであり、同時に「届かない場所」だった。
なにせ彼の心臓は――人の半分しか動いていなかったのだから。
「無理はするな」
「長くは生きられないかもしれない」
医者の言葉は、現実だった。
だがそれでも、風太は空を見上げることをやめなかった。
天気図を読み、風を知り、空の流れを理解する。
そしてついに、彼は空を飛んだ。
小さな機体――ウルトラライトプレーンで。
「……風だ」
その瞬間、彼は初めて自由になった。
だが、その自由は長くは続かなかった。
卒業後、補助心臓が破損。
鼓動は途切れ、世界は暗転する。
――そして。
「願いを言え」
目を開けると、そこには神がいた。
風太は迷わなかった。
「もう一度、飛びたい」
その願いは形を変え、
彼を異世界「ラムート」へと送り出した




