クロノの会談と対談
「いや~、クロノのスキルは凄いね!!まさかあんなやり方で僕の固有スキルを喰っちゃうなんてさ!!やっぱり君は面白いよ!!」
手合わせが終わり、会談は再開された
ロキフェルは優雅に飲み物を飲みながらリラックスした雰囲気で話しかけてくる
「多分だけど、クロノも本気は出していないでしょ?それであの強さだもんな~…」
「其もであろう…?」
そう返答すると笑いながら頷く
「そりゃそうでしょ!多少ムキにはなったけどさ~、同盟相手の力量探るのに本気は出さないよ!!」
それはその通りだと思う
実際、3分という縛りを無視して倒そうとしても奥の手は必ずあっただろう
ロキフェルは慌てていても絶望はしていなかった
それはまだ打開できる奥の手があるという事だ
「さて、君の性格も実力も僕個人としては非常に面白いという事が分かったから同盟関係を締結するには申し分ないと思っている。君と組んで近隣諸国に侵攻するのも面白そうだからね!!何だったら属国になってやっても良い位さ!」
「「ロキフェル様!!」」
家臣たちが慌てて言葉を発するが、彼が手で制しながら言葉を続ける
「けどまぁ、今は止めておこうかな?家臣も慌ててるし、僕も君をもっと知りたいとも思っているしね。」
僕はその言葉を聞いて頷く
信頼出来ない部下を持った所で持て余すだけだし、彼の意図を把握出来ていない
「さて、僕は貿易関係や軍事関係の細かい部分は非常~に嫌いだ!!僕は君とお話したいから互いの臣下たちで話し合って貰い草案を見るってのはどうだろう?」
彼の提案に僕も承諾する
魔族の常識も自国の事も理解しきれていない僕が加わると混乱する可能性があるからな…
…
……
互いの臣下は僕らと少し離れた場所で話し合いを始め、僕らは【魔王】同士で会談する事となった
「ところでさ~…」
ロキフェルがニヤニヤとした表情でこちらを見て話を振って来る
「クロノって獣人じゃないんだよね?仮面付けてフードも被ってしるし…興味あるなぁ~!!」
ロキフェルの性格を顧みると当然の質問だろうな…だけど
「其と我は、同盟は組めど、友では無し。其に姿を、見せる事は、叶わぬ。」
そう告げると両手で頭を抱えてオーバーに落ち込む仕草を始める
「うぁ~!!そんなこと言っちゃうの?!ショックだ~!!同盟だよ?!ある意味友達だよ?!見せてくれても良いんじゃないかな~!!」
「非ず。国家同士は友で無し。共に目線を向けるのみ…」
そう告げると、誰も聞いていないのに小声で話し出す
「じゃぁさ、僕らが属国になるって言ったら…見せちゃう??」
…そんなに見たいんだなと少し呆れてしまう
本気ではないのだろうが、知りたい欲求が強いという事は理解できる
「非ず。我も其を計りかねている、故…」
「っぽいね~!その回答はクロノっぽいよ!!君の性格を少しかもしれないけど把握してきたよ~!」
そう言ってニマニマしてくる
その表情がルーシャの事で相談した時のグーガと似ていて少しだけイラッとした
「ま!クロノの素顔はお楽しみにしておこうかな?!臣下たちも今話し合ってくれているけど、今日中に草案が出来る訳無いけど、早いうちに【遊戯国トリクトリロ】と【黒家クロノス】が同盟を結んだ事だけは国内と近隣諸国に共同宣言する事で問題無いかな?」
その申出はこちらとしても非常に有り難い事だったので頷いて了承する
「じゃぁそういう事で!!おーーい、マリトナーーー!!おおよその骨組みは出来たーーー?!!」
臣下たちが話し合っている場所に無遠慮に声を掛ける
マリトナはこちらに走って近づいてくる
「ロキフェル様…骨組みと申しましても、そんなに直ぐに完成する訳では御座いません。」
マリトナさんはあきれ返った様な表情でロキフェルを見て答える
ロキフェルはその言葉を聞いて飲み物を飲みながら、にこやかに返答する
「マリトナ、彼らの要望は出来る限り応えてあげてね!!クロノの事を僕個人としては非常に気に入ったからね!後は要望を聞いてこちらが明らかに損する部分以外は叶えてあげる様に!!という事で今日はおしまいにしよう!!」
それを聞いたマリトナさんは非常に驚いた表情でこちらを見てくるが…僕自身は何かを頼んだ訳では無いので仮面の下で困った表情をするだけだった…
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