死者からの電話 ①
どんな依頼も100%解決
あか探偵事務所
皆様のご依頼お待ちいたしております
探偵事務所
とてもよく晴れた日
どこかしらから子どもの元気な声が聞こえてくる
こういうのを平和と呼ぶのだろう
そんな穏やかな日の事務所では、紅音がソファーで眠っており、その横の机でユウが黙々とパソコン作業をしていた
事件も依頼もないそんな暇でゆったりとした時間が流れている
こんな日も悪くはない
騒がしいよりも心が穏やかになる楽になる
そんなことを噛み締めていたとき
リリリリリリリリリリン〜
リリリリリリリリリリン〜
そんな静寂を遮るように事務所の黒電話が鳴り響く
滅多にならない【黒電話】の方が鳴っていると言うことは、事件の依頼ということ
普段の電話と違いこの電話が鳴る時はこの事務所の探偵である紅音しか出ない
「はい、こちらあか探偵事務所。あんたは?」
「・・・・・・・・」
少し面倒そうな顔をしながらも電話に出る紅音
だが、相手からの返答はない
なんの音もしない無音である
一瞬迷惑電話かと思ったがすぐにそれはないと思い直す
なぜならこの【黒電話】の電話番号は特殊であるから
そもそもこれに掛かる時点で普通ではないのだ
「・・・・・・・・・探してほしいの」
「はぁ?」
辛抱強く待った(体感30分くらい)紅音に相手の声が届く
可愛いらしい女性の声だが内容が意味不明だ
探せ?迷子なのか?ならなぜ警察に電話しない?
意味がわからず思わず返してしまった
だが、女性はまた同じように「探して欲しいの」と今度は力強く言った
内容は間違いないようだ
自分を探して欲しいという依頼である
思わず迷子か?と問おうとしたが、すでに電話は切れていた
依頼内容だけ言って終わり
なんとも奇妙なことであるが、依頼は依頼
受けないことはない
「ユウ、記録は?」
「(コクリ)」
「分かった。確認次第現場に行くぞ」
こんなこともよくあるので、黒電話が鳴った時は電話の内容を自動で記録する機能と探知機能がついてあるのだ
事務員兼探偵補佐であるユウが先ほどの記録と探知をすぐに行なっていた
数分もすれば結果がでるだろう
「ただいま戻りました!」
「あぁ、おかえり」
「?・・・・依頼ですか?」
「あぁ」
黒電話が掛かる数分前に必要品を買いに行っていたユウと同じ事務員兼探偵補佐である杏沙が帰ってきた
探偵事務所に帰ってきた杏沙は、いつもより少しだけピリついている事務所の雰囲気に首を傾げるが、黒電話にコードを繋ぎ、パソコンで作業をしているユウの姿を見て依頼が来たのだと確信した
そもそも黒電話に機能をつけたのは機械に強い杏沙自身である
黒電話がどんな時に使うのか一番よく知っている
ユウの解析が終わり、結果を確認したところ、この事務所より少しだけ離れた所から電話がかかってきていたようだ
今は珍しい公衆電話から黒電話にかかっていたらしく、現場に行き、監視カメラを確認する必要があるようだ
見つけるだけなら簡単な依頼だが、果たしてそこに電話の相手はいるのだろうか?
少し嫌な予感がするが、早いに越したことはないので3人はすぐ現場に行くことにした
今回も不思議な依頼
どんな依頼者なのだろうか




