↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
傾国の魔女  作者: ikhisa
PR
2/3

傾国の魔女-2

傾国の魔女-2


ドラゴン達は力の信奉者である。激高しやすく、プライドの高いドラゴン達だが、強いものには従う。ウロボロスは従わせることが出来るドラゴンであった。ウロボロスもまたドラゴンの例にもれず、切れやすいのだが、それでもまだ話せるほうではあった。帝国の貴族たちの中には「ウロボロスと停戦協定を結んだ方が、帝国の利益になるのではないか?」と考える者たちもいる。

ただ、ウロボロスに対して帝国は劣勢だった。今の時点で停戦協定を結ぼうにも、足元を見られる可能性が高い。何とかして白星を挙げる必要があった。


・・・・


戦闘は早朝より始まった。ドラゴンとの戦いは、飛んでくる飛竜を、備え付けの巨大な石弓であるバリスタで狙い撃ちするのが最初の段階になる。そう簡単に当たるものではないが、当たれば大抵のサイズの飛竜は一撃で倒せる。飛竜たちはバリスタの矢をかわしながら、遠距離からの魔法弾でバリスタを狙ってくるが、それは帝国側の魔術師が防ぐ。次にドラゴン達は岩のような岩竜や歩兵などで、バリスタを設置してある箇所を占領しようと狙ってくる。それを防ぐために帝国側の歩兵たちが奮闘する。大体この辺りで戦線が硬直する。この日もそうなった。

ドラゴン達はかき集めの集団なので、誰かが軍として統括しているわけではない。長期戦になるとグダグダになりがちなので、通常であれば帝国側がこのまま守り切って終わる。しかし・・・



「ウロボロスが出ました!」

見張りの兵士からの報告が入った。ミレリアの近くで剣を振るっていたオルドンは、一瞬手を止めて敵方の空を見た。デカい!

まるで小山のような青白い巨大な飛竜が、こちらに向かって飛んでくる。多くの傷跡を残すその体は、多くの力を喰らって自分の物にしてきた証。他のドラゴン達は、畏怖するように、その道を譲る。オルドンも、今まで何度もドラゴンとは戦ってきたが、あれほどの存在感のある巨竜を見るのは初めてだった。

(あれがウロボロスか!あんなのとやれってのか・・・)

オルドンはチラリとミレリアの方を見た。ミレリアも少し考えるような目をして、ウロボロスを見つめている。


ウロボロスはバリスタの射程圏外に着地すると同時に、四肢を踏ん張り凄まじいい魔力を口に集め、螺旋回転を描く巨大な魔法弾をバリスタに向けてぶっ放す。

ズドゥーン!!!

巨大な炸裂音と共に、バリスタとそれを動かしていた兵士たちが消し飛んだ。戦法も何も必要のない、圧倒的な個。


ウロボロスが次弾の準備に入った。これが続くと戦線が崩壊する。こちらからも強力な個で対応する必要があった。

「私が出ます!」

ミレリアがそう叫ぶと、水を纏った人魚の姿になり、上空に躍り出た。ウロボロスは溜め込んだ魔法弾を、ちょうど良いとばかりに、飛んできたミレリアにめがけてぶっ放す。

風切り音と共に巨大な魔法弾がミレリアに向かう、が、突如として現れた螺旋を描く巨大な水柱が魔法弾を巻き上げた。

「おお!」「水王!」「守護者!」

帝国兵たちが歓声を上げた!


ウロボロスが目を細めて、言う。

「あれがミレリアか・・・面白い!お前たち、手を出すなよ!!!」

ウロボロスがそう叫ぶと、巨大な翼を広げて大きく羽ばたき、ミレリアめがけて飛び立った。

「決闘だ!」「竜王が戦うぞ!」「一対一だ!」

ドラゴン達から歓声が上がった。全竜が見逃すまいと、ミレリアとウロボロスを見つめている。帝国兵たちも、手を止められるものが皆、その光景を、息をのんで見つめ始めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。