↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男装女子は竜を飼いならす。  作者: 月嶋のん
男装女子と竜騎士の日常。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/246

計画的犯行?男装女子。


ロアン君とベルキスさんと一緒に歩いていった先は、周囲の四角い建物よりも一回り大きな建物だ。


挨拶をしてから建物の中へ入って行くと、私のいた部屋よりも中はずっと広くて、正面にある大きなデスクにちょっと寄りかかるよう立っているアーデルさんがニコッと微笑む。



「やぁ、おはようございます。少しは休めましたか?」

「は、はい」

「それは良かった。ああ、立っているのもなんですから、そこのソファーに掛けてください」



アーデルさんの指差した大きなソファーに私とベルキスさん、ロアン君が座ると、向かいの大きなソファーにアーデルさんが座る。な、なんか緊張するな‥。



「さて、昨日はお疲れ様でした。ベルキス殿、昨夜は雷雨の中、救援に駆けつけて頂いてありがとうございます。改めてお礼申し上げます」


「‥恐縮です」

「雷には白竜は弱いので‥、本当に助かりました」



そうなんだ‥。

白い竜って確か賢いって言ってたけど、弱い所もあるんだ。

それぞれ違いがあるんだなぁって思っていると、アーデルさんが昨日私が竜の巣で見つけた焼けた小袋をローテーブルの上にそっと置いた。昨日、水に浸かってビショビショだったものが今はすっかり乾いている。



「‥これ‥」

「ミヒロさん、これをどこで発見しましたか?」

「竜の巣の入り口です」



私がそう話すと、アーデルさんとロアン君、ベルキスさんは顔を見合わせる。え、何?何かだめだった?ベルキスさんを見上げると、ふっと小さく笑う。



「以前、ロアンの部屋に植物があったのを覚えているか?」

「は、はい。竜の巣の周りにある魔物が嫌う草とか‥ですよね?」



ベルキスさんは私の言葉に頷いて、小袋に視線を移す。



「小袋の中にあった植物は、それと反対の効能を持っていた」

「えっ!?それって、魔物をおびき寄せるって事ですか?」

「そうだ。魔物をおびき寄せて、なおかつ獰猛になる香りを持つ草も混ぜ込んであった」



あまりの内容に言葉が出てこない。

‥だって、それって、竜の巣の中にいる竜達がもし私達がいなかったら、クチナシの魔物によって全滅していた可能性もあるって事でしょう?


シャツのポケットからキノがちょっと顔を出して不思議そうに私を見上げると、もう胸が痛くて仕方がない。こんなに可愛い竜を傷つけようとしていたなんて‥。ギュッと手に力が入ると、ベルキスさんの手が私の手を握り返す。



「あ‥」



ぼけっとしてたけど、ベルキスさんとずっと手を繋ぎっぱなしだった!!

慌てて手を離そうとしたけれど、手を離してもらえなかった。な、なんで??そう思っていると、ベルキスさんが少し眉間にしわを寄せる。



「もう一つ、発見したことがある」

「発見?」



ロアン君がアーデルさんが竜の巣で見つけた草を、取り出したハンカチの上に置く。



「竜が強い香りに嫌うのは知っていますよね?特に出産の時は香りの為に、「害意を察知できなくなるから」なんです」



害意を察知できない?

ロアン君の言葉に私はドキドキと胸が鳴る。

それって、警戒できなくなるって事だよね‥。そうなったら子竜は‥、



「香りの強い外にあるはずの草が、洞窟にまで草が根付くという事は、‥恐らくかなり前から草の香りをまとって、子竜を盗んでいたと思われます」



あまりの内容に言葉が出なくて、目を見開く私にベルキスさんが手をギュッと握る。アーデルさんはその言葉を聞いて、悔しそうに顔を歪める。



「ミヒロさんが竜の巣の出口で出会った男は、窃盗団の末端の1人でした。昨夜、雨に紛れて竜の巣を魔物によって破壊させるよう命令を受けたそうです。ついでに騎士団も害せればいいと、その上の人間は考えていたようです‥」


「な、んで‥」

「恐らく、貴族が関わっているのを悟られない為だ」



それって、ものっすごい犯罪じゃないの?!!

私は一部が焼けた小袋を見て、悔しくて口をギュッと引き結ぶ。



「‥絶対、許さない」



私がポツリと呟いた言葉に、皆が一斉に頷く。あの晩、息を潜めるように竜の巣の中にいた竜達の表情を思い浮かべると、胸が苦しくなる。


「あの、竜の巣の竜達は?!」

「それなら私が竜の巣のチェックに行ったよ、皆無事だ」


アーデルさんの言葉にホッと息を吐くと、アーデルさんは私に微笑みかける。



「ところで、ラスカ殿の引き止める言葉に従わず、竜の巣に向かったようだね」

「あ、はい」



ベルキスさんの肩がピクッと動く。

あ、な、何かマズイ気配がするな‥?



「君は竜の調査へは行けるが、ほぼ非戦闘員だよね」

「そ、そうですね‥」



う、ベルキスさんの気配がなんかどんどん怖くなってない??

隣が見られないんですけど‥、



「そういった時は、竜騎士の言葉を聞くべきだよね?」

「す、すみません!!!以後気をつけます!!!」

「うん、そうして下さいね。でないと私がベルキス殿に殺されちゃうから」

「っへ!??」



驚いてベルキスさんを見上げると、無表情で頷かれた。す、すみません〜〜!!以後気をつけます!






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。