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男装女子は竜を飼いならす。  作者: 月嶋のん
男装女子と竜騎士の日常。

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やっぱりバレた男装女子。


できれば一番会いたくなかったアーデルさんが目の前に立っている。

思わず固まってしまう私に、以前と変わらない爽やかなスマイルで私に微笑みかける。流石騎士の鏡!でも会いたくなかった!!



「今日もお綺麗ですね」

「あははははは!!!!嫌ですねぇ!男がそんなお世辞を言われても!」



だぁああああ!!!!

何を言ってるんだ?!私は男!男だよ?!!

冷や汗、滝汗、リメンバー!私は目がウロウロと泳がないようにしつつも、顔が引きつりそうになっている‥。


ロアン君はそんな私を横に静かに頭を下げ、



「初めまして。フィクトルの弟のロアンと申します。本日はアーデル様もいらしていたのですね。お会いできて光栄です」

「ああ、フィクトル団長の!これはご丁寧に。大変聡明という話は誠ですね」

「いえ、そんな恐れ多い‥。食堂の案内を?」

「いえ問題ないです。私が少し遅くなっただけで‥」



お、おお??!

すごいな、ロアン君!流石マナー講座の私の先生!

もう今日から師匠って呼ぼう!そう思っていると、ベルキスさんがこちらへやって来て、ちょっと驚いた顔をする。



「これはアーデル様、あとで一人遅れて来ると伺っておりましたが、アーデル様でしたか」

「ふふ、竜の巣の調査と聞いてどうしても参加したくてね」

「左様でしたか。では、着いた早々に申し訳ありませんが昼食を取りつつ、今後のお話をさせて頂きたいのですが‥」



ベルキスさんがアーデルさんと話をしている間に、そっと後ろへ下がって行こうとすると、アーデルさんが私とロアン君を見て、にっこり笑う。



「お二人も、ぜひご一緒に!!」

「え」

「よ、喜んで!」



ロアン君に後ろから突かれて、思わずハッとして私も頷くと「嬉しいです!」ってアーデルさんは笑うけど、いや、なんで?!!冷や汗が止まらないんだけど?!


ひとまずトレイに食べられそうなおかずをのせて、なぜかベルキスさんと私、ロアン君とアーデルさんという面子でテーブルを囲む。



ねぇ、ちょっとこれどういう事?!



すると、アーデルさんがふと‥、



「ああしまった。私とした事がカトラリーを忘れてしまったな」

「あ、僕持ってきます!」

「そう?すまないね」

「あと、ベルキス殿。新しい竜の巣までの地図を見せて頂きたいんだが‥」

「っ‥。すぐ、持ってきます」



え、え、ええええ???!!!

ロアン君!!ベルキスさん!!ふ、二人にしないで欲しいんだけど!!!

私はもうパニックである!!誰か助けて!!チラッと横を見ると、ラスカさんが哀れ‥って顔をしてこっちを見てる。なら助けてよ〜〜〜!!


そう思っていると、アーデルさんが面白そうに小さく笑っている。



「そんなに警戒しなくても‥」

「い、いえ、警戒はしてません!あ、あと前回は間違えていたようですが私は」


「女の子、なんでしょう?」

「違います!!!」


「でも、僕魔法でそういうの分かるんだよね」

「えっ」



目を見開いて、アーデルさんを見上げるとにっこり笑う。



「ほら、女の子だった」

「も、もしかして、騙しました?」

「違うよ。カマをかけたらボロを出したのはそっち」



目眩を起こして、このままぶっ倒れたい!!!

なんなんだ!!竜騎士ってのは正しい人じゃなかったのか?!ベルキスさんだって、こんなカマをかけないぞ!?せいぜい騙して、からかったりする‥、いや、どっこいどっこいか?!ともかく!ともかくだ。



「あの、この事はちょっと事情があるのでぜひご内密に‥」

「もちろん!色(・)々(・)と(・)手伝いをしてくれればね」

「‥‥竜騎士さんって皆いい性格してるんですか?」



まじか?まじで言ってるのか?

じとっと涙目で睨むと、アーデルさんはにっこり王子様のような爽やかに微笑む。


「まさか!皆良い性格だと思うよ?」

「意味に大幅な差異があると思います‥」


もう決めた。

倒れよう、今すぐ倒れよう。

それで記憶を失ったふりをしよう!そう思っていると、目の前にバンと地図が置かれて、顔を上げるとベルキスさんがちょっと息を切らせて私とアーデルさんの前に立っている。



「‥地図をお持ちしました」

「ああ、ありがとう!わ、結構ここから近いんだね!」



にっこり笑って地図を見るアーデルさんと、すぐさま私の横に座ったベルキスさんだが無表情である。‥こ、これは怒ってますよね?怒ってますよね?まるで魔窟に入ってしまった気分の私を同じく魔窟に入らんとするロアン君が決死の顔でカトラリーを持ってこちらへやって来るのが見えた。



‥うん、ロアン君、なんかごめん??




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