一難去った?男装女子。
無事にパーティーを終えて、家に帰った私。
もちろん一番先にしたのは鏡を見に行く事だった。
だって、ロアン君に「かなりやばい」って言われるし、レイノル様やベルキスさんにまで驚かれたんだもん‥。顔の真横に思い切り口紅が塗られてるとか、そんな感じか?!そう思って、キノと一緒に洗面所へ駆け込んだら‥、
「あれ?変なメイクでない‥」
それどころか、確かに女性にも見えるし、男性にも見える。
なるほど中性的に見えるな。
「あ!でも、このメイクのせいでアーデルさんは女って勘違いしたのかも!」
そうだ、そうだ。きっとそうだ。
ってことは、これからはメイクしなければ一切女だと思わないだろう!っていうか、もう2度と会いたくない!!だって、アーデルさんがもし誰かに「実は私が女」だとバラしてしまったら?
‥いや、今はきっと竜騎士だし「いい人!」と思い込んでおこう。
そう思って拳を握っていると、部屋のドアがノックされる。
「はい?」
「どうも、ロアンです!」
原因来た〜〜〜!!
慌ててドアを開けると、ロアン君は私の顔を見て、
「良かった!ちゃんとメイクは崩れずにすみましたね!」
「ろ、ろ、ロアン君〜〜〜!!??」
「え、皆さん注目してませんでした?」
「注目されてたのかな??いや、女性に間違われ‥」
言いかけて、ハッと口をつぐむ。いかん、これはまだ言えない‥。
だけどロアン君はニンマリ笑って、
「なるほど、ちょっと面白い事があったんですね?」
「ロアン君、本当に10歳?」
「年はこの際いいです。ところで貴族の方に喧嘩を吹っ掛けられたそうで」
「なんで知ってるの?!」
「ベルキスさんに今しがた教えて頂きました」
「‥なるほど」
「ひとまず着替えたらお茶にしませんか?お茶菓子持ってきたんです」
ぜひ〜〜〜!!
もうお茶を飲んで、ゆっくりしたい!あと落ち着いて甘いものを食べたい!頷くと、ロアン君は「下でお茶用意してますね」と笑顔で話して、降りていったけど‥。本当に子供なの???
化粧落としはないので、後でロアン君に貸してもらう事にして、私はいつものシャツとパンツの姿になってキノと一階へ降りていく。台所にはベルキスさんとロアン君がテーブルを囲んでいて、ベルキスさんは私を見るとちょっと手を上げる。
「ああ、ミヒロも着替えてきたか」
「はい、あの服はどうすれば‥?」
「後で洗っておいて貰う。で、保管しておいてくれ」
頷くその横で、ロアン君はまるで勝手知ったる‥といった様子で、カップにお茶を注いで渡してくれた。‥手早い。その上、お茶が美味しい。キノなんてちゃっかりクッキーを貰って齧っている‥。
ロアン君の横に座ると、ロアン君はちょっとニマニマしつつベルキスさんを見る。
「メイクしたミヒロさん、可愛かったでしょう?」
「ぶっ!!??」
慌ててお茶を吹き出しそうになって、慌てて飲み込んだので思い切り咽せた!ゲホゲホと咳をすると、ベルキスさんが背中を撫でてくれた。す、すみません。
「‥あれ?違いました?」
「‥可愛かったが、それはここだけにしてくれ。心配になる」
「ですって!ミヒロさん!メイク道具差し上げますから、練習して下さいね」
「な、なんで?!!」
ようやく咳が治まって、顔を上げると家のドアがドンドン!!と大きくノックされ、ベルキスさんが返事をすると、結構な勢いでラスカさんが入ってきた?!
「ベルキスさん!!大変っす!!今度聖竜騎士団がこっちに立ち寄るそうです!!」
「えっっっっ!!???」
お、お茶飲んでなくて良かった!
絶対吹き出してた!!
驚いてラスカさんを見上げると、ラスカさんは私を見て、目を丸くする。
「え?!!ミヒロ??どーしたその顔!!」
「‥‥ある意味、落ち着くわ。その反応」
ロアン君は横で「もっと言う事あるでしょう!」ってすかさず突っ込み、ベルキスさんはといえば、私を立たせたかと思うと自分の真横に椅子を置いて座るように促すので、そのまま椅子に座るけど…。なんで???




