↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男装女子は竜を飼いならす。  作者: 月嶋のん
男装女子と竜騎士の日常。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/246

パーティー終了?!男装女子。


いきなり音楽を流せ!というレイノル様に、心の準備が何もない私は大いに慌てたが、ひとまずお辞儀をしてレイノル様の腰に手を回して、踊り出した。私、1ヶ月前はただの学生だよ?偉くない??



クラシックのような音楽が流れてきて、ロアン君がいつも流してくれる音楽と違うけど、テンポは一緒なので内心ホッとして、ステップを踏む。



「‥意外と上手なのね、ミヒロ」

「それはもう練習しましたから‥」



ちょっと意外そうな顔をするレイノル様に、小声でそう話すと嬉しそうに微笑む。


「練習してくれたなんて、偉いわね!」

「お褒め頂き、光栄です」

「でも、後ろにいるベルキスの視線は頂けないわ」

「へ?」


レイノル様が上手にクルッとステップを踏んで、ベルキスさんの方を見られるようにしてくれて‥、ベルキスさんを見ると、無表情のままだ。お、怒ってる???


「え、えーと‥」

「ベルキスってば、随分と心が狭いと思わない?」


いやぁ〜‥、あの朝の襲撃がなければ、もう少し穏やかだったかも?

そう思っても言わないけど‥。


「ミヒロ、もう少し余裕を持つように言っておいて頂戴ね」

「承知しました」


私の返事にレイノル様は満足そうに頷いてから、わざとベルキスさんの方へにまーっと笑う。‥うーん、まったくこの人は‥。



音楽がそろそろ終わりそうになって、レイノル様はちょっと残念そうに私を見上げる。



「あ〜あ、楽しい時間ってどうしてこう早く終わっちゃうのかしら」

「‥楽しかったですか?」

「そうよ!み、ミヒロは好きだし?」



照れ臭そうな顔で言われると、この世界に来てそんな風に言って貰えて嬉しい反面、私はなぁ‥女なんだよね。と、泣きそうな気持ちにもなる。乙女心なんて、場末の酒場でくだ巻いちゃってるよ?



「‥お気持ちは嬉しいのですが‥」

「分かってるわよ!まったく似た者同士ね」



似た者同士‥。

思わずベルキスさんに目を向けると、ぱちっと目が合う。

まさかの勢いで結婚しちゃったけど、似てるのかな?いや、それはないなぁ〜〜。あっちは強くて、他の騎士さん達や竜達に好かれてて、仕事もしっかりしていて、かたや私は身一つでこの世界にきて現在「男」として生きてる。改めて考えると、ものすっごい複雑だな!?私。



そんな泣き出したいような気持ちの私をレイノル様は見上げて、


「ミヒロ、仕事気をつけてね」

「はい、ありがとうございます」

「何かあれば全部、ベルキスに押し付けなさい」

「い、いや、これ以上はもう‥」

「いいのよ!あの男の事だもの。ミヒロのは喜んで引き受けるわよ!」


い、言い切ったよ‥。

でも、それも結婚している間だけだと思うけどね。

私は曖昧に笑うと、レイノル様は「本当心配だわ!」って言うけど‥。なんだかんだいって、優しいなぁ。ほんわか和んでいると、音楽がもう終盤だ。



ステップを踏んで、レイノル様がふわっと本当に妖精のように回転して、音が止んだと同時に終わりのお辞儀をするので、私もお辞儀するとワッと周囲から拍手が起きた。


えーと、これってもしかして成功?

ホッとしつつレイノル様を騎士さん達の方へエスコートしようとすると、アーデルさんがこちらへ歩いてくる姿を見て、ドキリと心臓が跳ねた。



な、なんで、ここに〜〜〜??!!!



内心、もうドキドキとヒヤヒヤが山盛りてんこ盛りだが、なんとか顔に出さないようにしていると、レイノル様はアーデルさんを見るなり、手を差し出して‥、



「はぁ‥、次はアーデルなのね」

「はい。どうぞよろしくお願い致します」



ニコニコと笑うアーデルさんは、ちょっと意味有り気に私にウインクしたかと思うと、レイノル様の手を取って、ダンスしていた中央へ二人で向かっていった‥。



えーと、これは‥無事終わったって事でいいのか?

私はちょっとぽかんとして立っていると、すぐにベルキスさんが側にやってきて‥、



「お疲れ。無事終わったな」



小さく微笑んでそう話してくれた途端、足の力が抜けそうになって、慌ててベルキスさんの腕を掴んだ。


「す、す、すみません‥。今になって緊張が‥」

「そうらしいな」


いかん!迷惑をかけまいと思った矢先にこれじゃダメだ!!

なんとか足を踏ん張ろうとすると、ベルキスさんはそんな私をひょいっと縦に抱き上げた。そんな私達を見た周囲の人達のざわめきに、私は更に目を白黒させる。



「べ、ベルキスさん????!!!!」

「もう終わったんだ。大丈夫だろ。さ、帰るぞ」

「え、え、もういいんですか?」

「ダンスは踊ったし、挨拶もした。もう十分だ」



スタスタと私を抱き上げたまま歩くベルキスさんと、中央で踊っているレイノル様を見ると、レイノル様が面白そうに笑って、踊りつつ手を振っていて‥、私はもういっぱいいっぱいで会釈しかできなかった‥。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。