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男装女子は竜を飼いならす。  作者: 月嶋のん
男装女子と竜騎士の日常。

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初日終了男装女子。


私とベルキスさんは皇家のパーティーに招待されたらしい。

しかもお断りは絶対できないやつだそうだ。

なぜだ、なぜそうも次々と色々起こるんだ。私はまだ異世界初日だというのに!!!



じわっと泣きそうな顔になると、隣に座っているラスカさんが焦った顔になる。


「お、おい!!男のくせに泣くな!!」

「男だって泣きたい時は泣いていいんです!!あ、ナプキン取って下さい」

「‥お前、余裕だな」

「余裕なんてあるかぁああ!!も、ど、どうしよ‥」


せっかく仕事を頑張ろうって思った矢先に、失敗したらベルキスさんが責められちゃうような状況の中に行かないといけないなんてまたも不安が山盛りてんこ盛りじゃないか!


「ミヒロ」


ベルキスさんの声に顔を上げると、じっと私を見つめている。



「‥マナーやルールは仕事の合間に教える」

「は、はい」

「服も急ごしらえになるが誂える」

「ふ、服?!!」

「隊服では出られない。式典用なら‥今からでも間に合うだろう」



あ、そうでしたー。

男なんでドレスなんて不要ですね。瞬間チベットスナギツネみたいな顔になった‥。頑張れ私の乙女心。ラスカさんは私とベルキスさんを交互に見て「マジっすか!?」って言うけど、決定事項なんでしょ?もうやるしかないじゃん、これ‥。



「言葉遣いは問題なさそうだな。ラスカ、情報ありがとう。他に何かあれば知らせてくれ」

「‥わかりました。おい、お前!ベルキスさんに絶対ぇ恥欠かせんなよ!」

「‥じゃあ何をしちゃいけないか教えてよ‥」



涙目でジトッとラスカさんを見上げると、「男が泣くな!」って言うけど、私は!!女なんだよぉおおおお!!!号泣したいけど、べそべそ泣くに留めている私を誰か褒めてくれ‥。



すると、ベルキスさんの大きな手が私の頭の上に乗せられて、そのままわしゃっと撫でた。



「‥とりあえず対策は取るから安心しろ」

「は、はい!」



泣きそうな顔でベルキスさんを見つめると、ラスカさんが横でものすっごい驚いた顔をして私とベルキスさんを交互に見て、



「‥まじで同意も好意もありなんすか?」

「‥だから結婚したんだろ」



ラスカさんとベルキスさんの言葉に私の顔が真っ赤になる。

いい加減慣れろ!!その好意は友情だから!!

友人関係で終える半年になるんだからな!!と、自分の乙女心に言うと「切ねえ〜〜」と言う。わかってるよ、イケメンに愛の言葉なんて囁かれて嬉しくないわけがないよね。でも仕事と寝床の確保が先だからな?



しかしそんな葛藤をつゆ知らず、ベルキスさんは「行くぞ」と言うとサッサとトレイを片付けて、食堂を出て行こうとするので私も慌ててベルキスさんについて行く。



しばらく無言でベルキスさんの後を付いていくと、ベルキスさんが私をチラッと見る。



「‥早速問題がやってきたが、なんとかする」

「で、でも、貴族達が何か言うって‥」

「竜に比べたら、鶏の鳴き声みたいなもんだ」



比較する対象おかしくない?

私が疑わしい顔でベルキスさんを見上げると、


「まず背筋を正す!」

「は、はい!」

「常に笑顔で」

「は、はい?」

「腕を組む時は、ここに腕を入れる」

「は、はぁ‥」


ベルキスさんがちょっと脇を開けてくれて、そこを指差すので、ベルキスさんの脇にそっと腕を差し込むけど‥。これって、男女の場合じゃないの?あれ、男性と男性の場合ってどうなるの??



完全に混乱して、ベルキスさんに密着した形になったまま固まっていると、ベルキスさんの体が小さく震えてる!!



「ま、また騙した!!!」

「だ、騙してはないぞ?」

「すっごいニヤニヤしてるじゃないですか!!もう本気で心配しているんだから、嘘偽りなくちゃんと教えて下さい!!」



とうとう堪えきれなくなったのか、吹き出したベルキスさんはクックと笑いながら結局私と腕を組んだまま家に戻ったけど、本当の所‥男性と男性の場合はどうするればいいの?明日ラスカさんにでも聞けばいいかな?



結局家に戻ったら「俺は訓練があるから、今日はもう先に休め」とベルキスさんに言われて、私は早々部屋に引っ込むことになったけど、マナーとか大丈夫なのか??



「‥まぁ、明日もあるし、今日はもう休むか」



外を見ると、とっぷりと日が暮れて、空には私の世界ではネットでしか見たことのないくらいの星空が広がっていた。



「‥やっぱり異世界、なんだなぁ」



ポツリと呟いて、寝支度してベッドの中に潜り込む。

明日はどうなってしまうんだろう。

不安しかないのに、初日に色々ありすぎてすっかり疲れてしまった私はそのまま爆睡してしまった。‥どこいった、私の繊細な乙女心〜〜。





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― 新着の感想 ―
[一言] ‥どこいった、私の繊細な乙女心〜〜。 大丈夫だ。ミヒロ。安心していい。 のんさんの書くヒロインに繊細な乙女心はない(ヾノ・∀・`)ナイナイwww
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