2話 冒険者 アラル・レオナル
大変お待たせ致しました。貴族から冒険者編。次はなんの記憶を辿るのか、、
自身の生誕祭が終わり夜遅くまで居た貴族達も帰らせ、屋敷には僕と執事とメイド達だけになった。片付けもある程度終わり、気づけば朝になっており、特にやることもなく暇していると、メイドの1人がドアをノックして部屋に入ってくる。
「アラル様、、本日のご予定ですがギルド本部で会議のご予定があるのですが、、行かれますか?」
なぜこう言われるのか、、まぁ記憶喪失だからだろうが、、
「いや、ギルド長と仲が良かったと記録されていたし、、流石に顔くらいは出さないと心配されるだろ。少し行ってくる。」
とそれらしい理由を並べて言ってみたが、本音を言えば冒険者ギルドというものを見てみたかったのだ。そうして冒険者ギルドへと馬車を走らせる。
数時間後。日が上がりきって真上に来た正午の王都。その馬車は冒険者ギルドの前に止まった。
「ん〜?おっ、お久しゅうございますアラル殿。」
冒険者ギルドの入口で待っていたもの、、それは今も昔も変わらず、唯一記憶に残っているユニタス・クライドだった。
「久しぶりだねユニタス。元気だった?」
ちなみにユニタスと絡んでいた時の記憶だけはある為どう話していたかはある程度覚えているつもりだ。
「えぇ、それにしても心配しましたぞ?我ら冒険者ギルドのキングであるアラル殿がいなかったんですから。」
ユニタスはやれやれと言わんばかりに冒険者ギルドの愚痴を言い始める。
「それにしても君もそんなに変わらないな、、言うても8年、、約10年くらいの付き合いだから、、そんな人間変わんないか。」
ユニタスは部類で言えばイケおじである。割と筋肉質で、左目は見えないのか眼帯をしている。ちなみにアラルと違ってかなり身長は高く、192cm。そしていままで言わなかったがユニタスは元々SSS級2位の剣士だった。別名不可視のユニタス。この世界にいる現剣聖より強いと言われるほどだったらしい。まぁ全盛期だけだが。髪色は白で、目は赤色。、、アルカバって言うやつと違う部類のイケメンである。それが現冒険者ギルド総帥ユニタスである。
「いやいや変わっているでしょう。それこそあんたがいちばん変わんないだろ、、なんで身長変わんねぇんだよ、、逆に怖ぇよ。」
「ギルドマスター??それは今も昔も触れちゃダメなんだぜ?」
わかってるよな?という圧を掛けつつ、他に集まったSSS級冒険者の元へと向かう。
SSS級冒険者。SSS級冒険者の1番下である10位でもSS級とかなり差があると言われている。
「おいおい、最近表舞台に上がってこなかったと思ったら久しぶりの会議には参加するんだなぁ?どういう了見だ?」
SSS級冒険者第6位。神聖のヤーク。元々協会で孤児だったが、そこで自身を鍛えて努力だけでこのSSS級の世界に踏み込んだ天才。ちなみに過去にアラルより順位が高い時期があったが、数日で抜かれている。
「まぁそう言うでない。お主だってダルカナには勝てぬだろう?ダルカナが自由を許されるのはその圧倒的な力ゆえじゃ。そんな文句を言うでない。」
SSS級冒険者第5位。伝説の暗殺者アルカバ。こうやって2人を交互に見ると本当に系統違いのイケおじだと思う。髪色は白でかすみがかった瞳が特徴的な割とスレンダーなイケおじ。なんでか、、冒険服ではなくて執事服をいつも身につけている男。1度引退したものの、過去の僕がまた勧誘したらしく再度冒険者ギルドに属することにしたらしい。
「久しぶりだね。アルカバ。元気してた?」
「はっはっはっ。もちろん。弟子に心配かけるほど落ちぶれちゃおらんよ。それにお主のお陰で今はびっくりするほど元気じゃからの。」
素晴らしいナイフ捌きを披露するアルカバに感嘆しつつ、他の者への挨拶にまわる。
「おや、久しゅうございますな!ダルカナ殿!」
後ろから声をかけられ、振り返るとクマ並みの巨躯の男が僕に声をかけてきた。
「ん?あー、お前シノギトーマか。」
SSS級冒険者。第3位東国最速剣客シノギトーマ。このエラートナ王国最強剣聖ライリに続く強さで、東国アノチテイでは最強と謳われている。
「んむ?忘れていたのでありますか?アラルどのが忘れることは無いと思うのでありますが、、」
そりゃこんな巨躯を忘れるほど俺の記憶力は悪くねぇがあいにく記憶喪失なんでな、、それにしても普通にデカすぎだろ、、メモに書いてあったけど信じられんかった、、というかこの大きさでバカ早いとか普通に生物的にありえないと思うのだが、、
「おや?ダルカナ様ではありませんか。」
ふとそんな声が聞こえたので振り返るとそこにはメモに書いてはなかったが一昨日の夜会でも会った僕の記憶に残っている僕の婚約者がいた。
「一昨日ぶりかな?元気そうで良かったよ。クレア嬢。」
黒髪ロングに赤い目。妖艶で黒いドレスのようなものを着た自身と同じ歳の少女。そして今も昔も変わらず自分が大好きな少女である。
「何故ここにいるんだい?」
ただ疑問点があるとするならばなぜこのSSS級冒険者しか集まらない場所に来ているのかである。
「あれ、知りませんでしたの?私クレアはSSS級冒険者第4位 闇の支配者 クレアですよ?」
なんも知らない。なんならメモにすら書いてないとなると多分最近なったのだろう、、なら教えてくれても良かったじゃんと思う今日このころであった。
それから残りのSSS級冒険者も集まり、会議が始まった。今回の議題は俺ではなくSSS級冒険者10位の話だった。9位とかなり差があり、SS級1位とそこまで強さが変わらないこと、入れ替わり戦でやけに入れ替わりが行われる10位をなしにするかという議論だ。正直下位の事などどうでもいいので勝手にやってろというとこなのだが、、問題は僕がここまで弱くなっていると、、少しやばいのでは?ということだ。いや流石に2位のライリに負ける要素は無さそうだった。強さの概念的なもの?多分系統が違うから負けることは無いと思う。問題はクレアだ。日記によるとスキルとか魔法でないものを駆使して戦うらしい。ここまで一瞬で上がってきたのもそうすると納得いく。ただ僕はそんな力はない、、というか今はもうないのだ。なんでないのかも知らないけど対抗する策がない。大罪があるのを見るにある程度立ち回り次第で戦うことはできそうだが、、使ったこともない力を使う訳には行かない。リスクしかないのだ。故に対抗することができないのだ、、さてどうしたものかと考えているとちょうど会議も終わり、クレアと一緒に屋敷へと戻るのだった。




