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ウチは……


「それで、フヨコちゃん。君の現状を伝えるにあたって僕は少し悩んでるから、君に選択してもらおうと思う。ここでシラベちゃんにフヨコちゃんとカラネちゃんについて明かすか明かさないか。二人の秘密について公開することになるから、ここは選択してもらうかな」

「契約精霊様。選択肢を与えている所申し訳ないが、ここからは聞かせずに済むなら教えなくて大丈夫だ。恐らくこれからは込み入った話になるだろうから一足先に帰らせてもらっても良いだろうか」

「そうだね。シラベちゃんは優しいね。流石だよ。わかった。じゃあまた今度遊びに来てね」

「あぁ。フヨコ、何か伝えておくことはあるか」

「いや、大丈夫よ。精々頑張りなさいくらいね」

「ふっ、わかった。では失礼する」


 シラベ先生はイスと一緒に消えて、契約精霊様と一対一になった。


「それじゃあ、シラベちゃんが帰ったし、現状を教えるよ。心の準備はいい?」

「えぇ、まずは、君はフヨコちゃんじゃない」

「・・・ちょっと待ってよ。考える時間を頂戴」

「うん。どうぞ」


 ウチは冷静になる時間をもらう。


 爆弾発言ね。

 ウチがフヨコではない?

 でも、カラネではないわよね?

 だって、カラネはここにいるわけだし、じゃあ・・・


 いや、だとしてウチというか、フヨコ(本物)はどこに行ったのよ。

 現にウチから魔力はあるわけだし、元の身体に戻っているわけではない。


 わざわざ、契約精霊様が嘘をつく必要はない。

 全部は鵜呑みにしなくても、大体の事は真実だと考えていいはず。


 よく考えなさい。

 ウチがフヨコ(本物)ではないと考えた場合のウチの本性を。

 恐らく、どこかにヒントが・・・


「まぁ、そんな反応になるよね。それに答えは見つかったかな?」

「ウチは、カラネの別人格ってことよね?」

「そうだね。正解だよ」


 カラネ。

 なんか違和感があるわね。

 でも、そうしか考えれないのよね。


 ウチ・・・ややこしいわね。フヨコの記憶がある分。違和感があるのよね。

 フヨコの最後の記憶にはカラネが最後魔法を呟いた記憶がある。


《思い込み》《複体》


 ウチが今、フヨコだと思い込んでいる。

 複体でフヨコの身体をしている。


 そもそも、もし、ウチがフヨコなら、どこかで《交代チェンジ》が聞こえているはずなのに関わらず、その記憶はない。

 シンプルに記憶が無いだけかもしれないけど、《思い込み》《複体》の二つの魔法が聞こえている以上どこかで聞こえて覚えていてもいいはず。


 でも、それから考えると、ウチって元々


「ウチは元、呪獣になってた人格ってことよね」

「そうだね。カラネが戦闘用に作った人格。それが呪獣となり、フヨコとなった」

「でも、そしたら、フヨコ自身はどこへ行ったのよ。どこにも感じ取れないじゃない」

「推測は出来るんじゃないかな?ヒントはカラネの魔法《思い込み》だよ」


 なんで、考えさせるのよ。

 まぁいいわ。

 推測できる・・ねぇ。

 ヒントは思い込み?

 そもそも、カラネの魔法についてそんなに詳しくないけど、まぁ言葉通りの思い込み。


 ・・・おかしいわね。

 思い込むだけなら、カラネから見たフヨコの姿を思い込むしかできないはず。

 普通に記憶がちゃんと過去も覚えているのはおかしすぎるわ。

 それに魔力についても技術力についても思い込むだけで出来るはずはない。


 だから、余計にウチはフヨコだと、本物だと勘違いしたわ。

 でも、じゃあ、どうやって記憶や知識を持っているのかしら。


 カラネがフヨコの知識や記憶を知っているから?しか方法は無いわよね。


「うーん、答えに辿り着きそうで着かないから、答えを言うよ?」

「まぁ、構わないけど、一体どこに行ったのよ」


 少し逸れたけど、フヨコ自身はどこへ行ったかの話。

 ウチ自身との関連性があるはずだけど、上手く答えが出ない。


「答えは、カラネと一緒にいるということ」

「それって呪獣の力の中にいるってこと?」

「いや、違うよ?えっと、まぁ元々はそうって頷けたんだけどね。今はカラネと一緒にいるといった通り、呪獣の力と別にカラネの力と一緒にいる」

「そういうことね」


 だから、ジュオンが知っている。隠している。興味がなかったなんて発言していたのね。

 いや、ジュオンはなんで教えてくれなかったのよ。まぁ興味が無いが適している気がするのだけど。


 ジュオン。

 彼女はどこか、カラネと何かあるのはわかるけど、不思議な子なのよね。


 今、フヨコはカラネと一緒にいる。

 カラネはフヨコを捕らえて、フヨコから人格をウチを生み出しているのね。

 でも、一体何のため?

 それにジュオンは知っているはず。

 カラネは寝ていると、起きたら呪獣になるとそれは一体・・・


「うん、順序を追って説明してあげるよ。といっても僕も基本推測の域でしかないのは理解してね」

「わかったわ」

「あ、ちなみに、この会話はカラネ本人とフヨコ本人には聞こえない。今のキミにしか聞こえてないからね」

「よくわからないけど、わかったわ」


 紅茶を一口飲む。

 このお菓子や紅茶はウチを冷静にさせてくれる。何かそういった成分でも含まれているのかしらね。

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