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契約精霊様に会いに行く


 コツ・・・コツ・・・


 歩く音が響く。

 ここへ来るのはいつぶりかしら。


 ウチはシラベ先生の後を追うように歩く。


「フヨコ、お前の身体を保護しきれる環境は現在存在しない。だから、可能性のあるあの者の元へ連れていく。お前も知っている者だ」


 飛んでいる方向から察することは出来ていた。

 しかし、いつ来ても道が長いわね。


 未だにここある装置について知ることができない。

 歩く道に一定間隔で設置されている液体の入った装置。

 こんなの生体実験の悪の研究者が持っているのでしか見たことないわよ。


 でも、まぁここなら確かに安全に確実に保護してくれそうよね。


 一本道を歩くこと5分ほど、一番奥にある金属の扉。

 シラベ先生がウチの身体を持っているからウチが扉を開ける。


「いらっしゃい!」


 そういって迎え入れてくれるぬいぐるみのような姿の生き物。契約精霊。

 ウチらでは気軽に会うことができない相手。

 基本的に会うことができるのは契約時のみ。

 恐らく、魔女と呼ばれる存在になれば気軽に会えるんだろうけどね。

 それに契約時のこともあり、一人でしか会えないはず。


「お久しぶりです。契約精霊様」

「うん?・・・あぁ~!そういうことか。うん、久しぶりだね。フヨコちゃん。様はつけなくていいよ」

「ご無沙汰しております。契約精霊様」

「うん!シラベちゃんもいらっしゃい。シラベちゃんはもっと気軽に来ていいのに。それで今日は何ようかな?」


 契約精霊様は、空間を作り変えて、白い部屋に机といす、ソファを用意して、お菓子とティーカップを出現させた。

 シラベ先生が持っているウチの身体をソファの上に寝かせるように指示して、シラベ先生はウチの身体を慎重におろす。

 進められるがまま、椅子へ座り、紅茶を飲む。


 シラベ先生が一口飲んでから、質問に答える。


「フヨコさんの身体を保護していただきたいのです」

「それだけ?」

「えぇ」

「そっか、やっぱりか」

「えっと・・・」


 なんだろう。

 急に来て、お願いごとをされて呆れられているとかそんな感じじゃないわね。

 契約精霊様が少し悩む様子を見せて、沈黙の時が流れる。


 考える様子から何か集中した様子に変わり、何かを準備した。


「シラベちゃんは、今のフヨコちゃん。意識がある方ね、の様子を調べた?」

「いえ、行っていませんが、正直カラネが関わると私の能力がまともに作用せず、なかなか調べる事ができないので、調べていません」

「そっか、シラベちゃんも現在の魔法少女のトップクラスでもまだまだ魔法少女としては未熟だったね。確認だけど、ジュオンちゃんに何かしてもらったかな?フヨコちゃんは」

「えぇ、カラネの意識が呪獣の力で隠れて見当たらなかったので、ジュオンの力で呪獣の力から、カラネの意識を切り離してもらいました」

「んーとそっか。ちゃんとは伝えられていなかったんだね。いや、隠していたのか、興味がなかったのかな?まぁ、ジュオンちゃんだしな・・・」

「すみません。契約精霊様。話が見えないのですが・・・」


 ウチも話が分からない。

 ジュオンが何かを隠した?

 いや、ジュオンには悪いけど、彼女がそんな器用な事が出来るとは思わないのだけど


「あぁ、ごめんね。えっとまずはフヨコちゃんの身体は預かるよ。それは安心してね。で、敢えて言うことじゃないけど、これからの事を考えて言うけど、フヨコちゃんの身体は、あ、意識のない方ね。は、現在意識が無いけど、呼吸は出来てます。それは理解しているようだけど、同時に現在フヨコちゃんの意識が無い、力が意識と一緒にいるせいで、魔力の生成機能がまともに機能していなくて、身体の魔力が不足状態になっている。だから、もしフヨコちゃんが戻っても、死ぬ可能性がある。この状態が昨日の今日だったから大丈夫だったけど、明日からは本当に危なかった。一般人とは違う体になっていることをもう少し理解すべきかな。だから今回僕の所で対処しようと考えたのは正解。現状では魔法少女がこの状態になったら助かる術はないしね。これからもまだ技術の進歩が足りてないから今は僕の所へ連れてきてほしい」

「すみません。ありがとうございます」

「ううん。これは仕方ないことだしね」


 ぬいぐるみの身体で紅茶を啜り、一息つく。


「それで、本来の話の方なんだけどね」

「本来の話ですか?」

「うん。あ、先にフヨコちゃんの身体を保護しておくね」


 そういってソファで寝ているウチの身体が消える。

 一瞬で消えたことに心配なるけど、魔法少女の力を底上げできる存在だから、そのくらい造作もない事なんだとウチは思った。


「それでなんだけど、フコヨちゃんの現状についてこちらで一度保護させてもらうね」

「えぇっと、正直助かりはしますが、それは一体なぜでしょうか」


 シラベ先生が質問する。

 一体ウチの身体というか今のこの身体に何が起きているのよ。


「うーん正直、現状を恐らくジュオンちゃんを置いて誰も把握していないことかな」


 把握していないですって?


「フヨコちゃんは、自身の事をちゃんと認識できていないし、シラベちゃんも力不足でちゃんと理解することができていない。今少し見せてもらったけど、あの場で力を持っていて把握できるのはハカリちゃんくらいじゃないかな。まあハカリちゃんの全力でようやくだと思うよ」


 ハカリ。

 彼女の全力は確かにすごいけど、魔女の3人を置いて評価されるほどなのかしら。


「そうだね。勘違いの一つとして、素質、根本の力の強弱があるからね。魔女の3人よりも根本の力としてハカリちゃんの方が強い」

「そうなんですね」

「うん、まぁ、とあるところまで行くと根本の力の差がなくなるからあれだけど、現状は根本の力の差は存在する環境ではあるね。言い方悪いけど、魔女3人はSRの力でレベル100に対してハカリちゃんはSSRの力でレベル75って感じだしね」

「わかりやすいけど、言い方が悪いわね」

「ごめんね」

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