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64:謁見2

ズヴァール卿が私を指差し。

「その女を捕らえよ!」


息子のトリンが剣を抜き。

「その女を殺せ!」



などという事は当然起きない。

この場で命を出せるのはただ一人、王座から全てを見下ろすローランの王のみ。


大体この場で帯刀とかは不可能だしね。


居並ぶ者達の注目の中をウィリアムさんに続いて私も王の前に進む。

ズヴァール親子のように見るからに貴族のような人達や、冒険者ギルドにいる高ランク冒険者と拮抗するような実力を持つ武人のような人、緋色のローブ姿の人もいる。


ローランの主要人物が集まっていると言うところなのだろうか?

まさかこのような場でお披露目されるのか、内々の謁見と思っていただけにちょっとなんていうか非常に困ってしまう。

(ミ、ナ、ゴ、ロ、シ。うひょ!)

(ダメに決まっているでしょう。クロのおバカ)

流石にこのような場でいきなり縛ってくるようのことはしない。はず。

ウィリアムさんも、もしその様な事をしたらどうなるかは解っているはずだし。


隣で膝をつき頭を下げているウィリアムさんをちらりと見る。

気付いたウィリアムさんがこちらを見て少し頷く。

大丈夫という意だろう。まあ、成り行きに任せるとしようかな。

(ミ、ナ、ゴ、ロ、シ?)

(しないって。ローランの所有物としてお披露目されて立場を縛るなら、ローランから消えるだけだよ)

そんなことはウィリアムさんは百も承知なはずだから、その様な事にはなりませんと頷いたのだと思う。



静寂の中、フレデリック王が口を開く。

「ウィリアム」

「ハッ! 冒険者リンを連れてまいりました」

「ウム。リン、(おもて)を上げよ」

(くるしゅうない、おもてをあげぃ~、ババン!)

完全に遊んできているクロの時代劇風に少し頬を緩めつつ顔を上げ挨拶をする。

「初めまして、冒険者リンでございます」

久しいなとか、前に会ったかとか言われても困るので初めましてを先だししておく。


「フム。我がローランの名に恥じぬ働きを期待する」

フム、で片付けられてしまった。流石王様。

「ご期待に添えられるよう努力致します」


参列者に驚きの空気が流れたのを見計らって、王様の隣の偉そうな人が声を発する。

「このたびこの者、冒険者リンの後見人にフレデリック王がなられた。なお、この情報は公表しない。よって平時は冒険者リンが望まない限りただの冒険者として接するように。しかし、当然ながらこの者に対する敵対行為はローラン王に対する敵対とみなす!」


そうなるのかと思いながら、まだ続く説明を聞き流す。

私の経歴が説明されている。管理迷宮最下層攻略参加者とか、学園での功績とか、緋色のローブの人も説明に加わっている。というか今後の魔術師育成計画とかの話にまでなってきている。脱線してるよね。


説明が上手かったからなのか、私の見た目からか訝しんだ目で見ていた人達も賞賛の眼差しっぽいものに変わっている。

(妾と思われてたな! 後でそいつらミナゴロシ!)

(ダメでーす)


ああ、けど。説明の後から真っ青な顔の人が二人いる。


「よって、ズヴァールの家督を...」

あ、なんか、新しいズヴァール卿が誕生している。

(名だけ別の家に継がせる事で王家との血縁が切れるみたいだな)

(私、この計画に利用されたっぽい?)

(だな)

(流石に国家レベルになると抜け目ないね)

(あの偉そうな奴が軍師だな!)

(えー、軍師とかゲームっぽい)


(あ、元ズヴァール親子連れて行かれちゃったね)

(打ち首獄門だな!)

(もっとこう、罵声が出るかと思ったけど)

(無理だろ、全部失ったのだから。しかもこの場でリンに罵声をあびせようものなら、それはあの王座に座っている奴にあびせたのと同じと宣言されたばかりだしな)

(それもそうか)

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