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11:マリー・フラワーネット

お、おぃネコほんとにいいのか?

かまわん、いけ!

しらねーぞ! しらねーからな!

うはははははは、燃料投下なのだー!

朝、小鳥のさえずりと暖かな日差しで目を覚ます。

「あ……ふぅ」


ベッドの中で伸びをする。

「ん~!」


紅茶の甘い香りが鼻をくすぐる。

やっぱり朝の紅茶は香り重視のファーストフラッシュに限るわね。


ベッドから降りたわたしにメイドが近づき身だしなみを整える。

「お早う御座います、お嬢さま。朝食の準備が整いました」


今日の朝食は、苺のショートケーキにモンブラン。

上に乗っている栗をどかし中身を銀のスプーンですくう。

「パクッ、ん~美味しいわ~」


甘いものを食べる時は紅茶にシュガーは入れないの、だって太っちゃうもんね!




鏡の前でクルリと一回りする。


フワッと広がるハニーピンクの髪とそれにあわせたピンク色のローブ。

フフッ、今日も可愛いわね。



マリー・フラワーネット。

それが私の名前。大貴族であるフラワーネット家の次女よ。


姉は幼い頃に不幸な事故で死んでしまったわ。

だって、わたしの目指すトゥルーエンドの邪魔になるのはわかっていたから。


「マリー様、ごきげんよう」

「ごきげんよう」

「今日もお美しいですわマリー様」

「フフッ、ありがとう」


先日は珍しく学園外の特殊イベントに参加してみたのだけれど、失敗してしまいましたわ。

おそらくあそこで冒険王サンド様との出会いイベントが発生するはずだったのよね、悔しいわ。


「マリー様、お聞きになりまして」

「あら、何かしら?」

「先日失踪しました教師の代理の方がいらしたそうよ」


あらあら、臨時教師のイベントといえば白の王子ですわ!

やっぱりそうだったのね、白というから光魔法とアタリをつけてみたのですけど的中しましたわ。


「どのような男性なのかしら?」

「え? わたくし女性だったと聞きましたわ」

「あら、そうなんですの...」

おかしいわね?


「ごきげんよう」

「ごきげんよう」


近くで噂話に耽る女生徒の声が聞こえる。

「聞きまして? 昨日ウィン君が可愛らしい女性と一緒に笑いながら歩いていたらしいですわ」

「嫌だわ、ウィン君はてっきりバス様のものだと」

「何を言っていますの! ウィン君はサンド様とよ」


フフフッ、バカね。

ウィン様は将来、風の王と呼ばれるお方なのよ。

彼との出会いイベントは学園祭の時の女装が忘れられずこっそり女装して出かけているところに遭遇するという少し特殊なイベントでしたわね。


ハッ!

まさか既にその一緒に歩いていた女とイベントを消化してしまったのかしら?


………………


…………


……


まさか!

わたし以外にもいるのかしら?



「新しい先生の名前がわかったわよー!」

「え~、なんていうの?」

「臨時講師らしいけど、冒険者のリンって人らしいわ」

「冒険者なの~、野蛮ね~」

「冒険者ならやっぱり、オークみたいにおっきいのかしら?」

「女の子っていう話よ」

「え~、どういうことよ~」



リンですって?


あら、

あらあら、

あらあらあらあら、

そういうことなのね!


おかしいと思っていたのよ。

本来なら学園入学の時に起きるはずのイベントが無かったから。

お姉さまを殺した事で出会う筈だったイベントもキャンセルされたのかと思っていたのだけれど。


やっぱり出てきたわね!


悪役令嬢リン!

まさか教師として出てくるなんて意表を衝かれたわ!!!



このトキメキ・ローランアカデミーの主人公であるわたしマリー・フラワーネットのライバル。


リン・エスポワール!


貴女なんかには負けなくてよ!!!

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