プロローグ
俺の名前は流 楽太。
突然の落雷によって不幸にも死んでしまった17歳。
可哀想だなんて思わないでくれ。
実際、最初はキレたり文句言ったりしてたのは確かだし、あれが寿命を勘違いした結果だって言われた時はどうしてやろうかとも思ったが、そんなこと今はどうでもいい。
だってそんなことがなかったら……今この光景を目に焼き付けることは出来なかったかもしれないんだから。
女神を名乗る、金髪美人のでかい胸。
布面積の小さい服が、彼女のナイスバディを強調している。
これは趣味なのだろうか。
それとも仕事着なのだろうか。
想像しながら、鼻血をだらだら流しているなんてことにも気が付かず、俺は彼女の胸を凝視していた。
「あのー……聞いてます?」
「はい聞いてます」
女神の問いに適当に答える。
なんであんなことを聞いてきたかと言えば、たぶんさっき、重要な話をすると言っていたからであろう。
そんなの興味ないしどうでもいい。
今はこの幸せを感じていたいのだ。
普段の俺なら、こんなド失礼なこと絶対にしたりなんてしない。
しかし、俺は|神<むこう>の失態で死んでしまったという口実を手に入れている。
凝視したとて文句などひとつも言われないだろう。
「あの……流 楽太さん?」
「はい」
「胸……見てますよね?」
「……はい」
「話聞いてました?」
「……はい」
「本当に聞いていましたか……?」
「はい」
女神は少し考えた後、ため息をついてこう続けた。
「俺の名前は流楽太。突然の落雷によって死んでしまった17歳。可哀想だなんて思わないでくれ。実際、最初はキレたり文句言ったりしてたのは確かだし、あれが寿命を勘違いした結果だって言われた時はどうしてやろうかとも思ったが、そんなこと今はどうでもいい。だってそんなことがなかったら……」
「待って!ストップ!ストップ!な……なんで知ってるんですかそれ!まさか口に出てたりしてたんですか!? 俺、気を付けてるつもりだったのに!」
「気を付けていましたよ。私、心が読めるんです。神様なので」
「そうなんですねー、って最初から言ってくださいよそういうの!プライバシーの侵害ですよ!」
「それで、見てたんですか? 胸」
「……だって……だってしょうがないじゃないですか!俺、思春期なんですよ!そんなエッチな格好してたら、俺みたいなガキは皆嫌でも見ます!」
「まあいいです。それにしても、可哀想だなんて思わないでくれ……なんて。あんなこと思ってたら、聞いたのがもし私じゃなかったら、死にたくて死んだなんて勘違いされて、地獄に落とされたかも知れないんですから」
「勘違いする方が悪いでしょうが。それに、死にたくて死ぬやつなんていませんよ」
「でも、地獄行きのリストはこんなにあります」
「きっと知らなかったんですよ。死ぬ以外の逃げ方を」
「そうですか。しかし、自死は自死。恵みを捨てた物は地獄へ落ちます」
「情を持たせようなんて思ってないのでそういう話しないでもらえます?俺だって、情は持ちえど支持はしません」
「本当ですか~?」
「心が読めるなら疑わないでくださいよ」
「そうですね。それはそうです。ところで、さっき私がしていた重要な話はちゃんと聞いていたんですか?」
「聞いてませんでした」
「素直ですね。ではその良い心意気に免じて、もう一度だけ話をしてあげましょう」
優しい女神さまのご慈悲で、もう一度話していただけることになった。
俺はそのやさしさに甘え、今度こそと話を聞け……る……はずがなかった。
気を付けようとした。
したんだ俺は。
だがあのデカいおpを前にして、露出しまくり強調しまくりなあんなのを見てしまったら、目が離せるはずがない。
だいたいなんなんだ神様っていうやつは!
死ぬ前から思っていた!どいつもこいつも恥じらいなく全裸同然の格好しやがって!
歪むぞ!性癖が!
PTAは地上放送よりも先に、こういう過去の遺物を規制しろ!
歪ませられるぞ!お前らの子供の性癖が!
あああああああああなんでこうなっちゃうかな本当に!
「話……聞いてませんでしたよね」
「う……はい……」
「二回目ですよ……これ。そんなに目を離せませんかあなた」
「……だって、だっておかしいですよその恰好!見てほしいといわんばかりにガードが薄い!むしろこれは、見せつけているといえるまである!誰の趣味なんですかそれ!」
「趣味じゃありません!古くから使われている我々女神の正装です!」
「じゃあ時代遅れなんですよそれは!あなたが話しているのは高校生で、ムッツリで、思春期なケダモノなんですよ!もっとガード固い服着ないと襲われちゃいますよ!」
「なんですかそれは!あなた、そんな変態だったんですか!?」
「俺がじゃない!みんなそうだ!お前らがそう作ったんだ!だからお願いだからもっと、もっとガードの堅い鉄壁の服を着てください!」
「そうは言われても、仕事中はこれを着る決まりで……私服にしたら怒られてしまいますし、それにあれを着たら威厳の欠片も……ああもう!とにかくダメなものはダメなんです!」
「ダメで済ますな!俺の純情は、今揺れているんだぞ!」
「とは言われましても、これは正装ですし、ですが伝えるのは義務ですし……。こうなればあとはあの手しか……」
「あるんですか!? 最終手段が!」
「はい。ですがあれは本当の本当に最終手段で、完全に他の手を打てなくなった時ようで……」
「それが今でしょうが!はやく!はやくその最終手段を!」
「本当の!本当に!最終手段なんですからね!どうなったって!本当の!本当に!知らないんですからね!」
「やれええええええええええええええ!」
高評価とかいろいろお願いします。私が喜びます。




