強者登場
遅くなりました
中々に学校生活が忙しくて…
話もまとまってきましたのでこれからはバンバン投稿していく予定です
(予定は未定)
ー
ーー
ーーー…?
死なない…??
いやもう死んだのか…?
朦朧とする意識の中私はそんなことを考えていた。
痛みも感じず死ねるのか?あんな凶悪なこん棒で?
私はうっすらと目を開けた
疲労でぼんやりとしか映らなかったが、目の前にいるのがトロルでないのは確かだった。
…少年…??
そう、目の前に立っていたのは後姿からして少年。年は10くらいかな?
だけど、目の前のトロルはどうしたの?
ーー…!?
私はもう目の前に少年がいることなどどうでもよかった。
大事なのはそこじゃない、少年がどうやった攻撃を防いだかだ
少年は片腕であの凶悪なこん棒を止めていた。いや、片腕では少々間違っている。
ー彼は右手の"小指"でこん棒を止めていた。
「…お?」
トロルは自分の攻撃を止められたことに気づき、顔をしかめた
「おめぇ、なんだべ?」
「さぁ?僕に勝てたら教えてあげるよ。」
少年はそう言い、にこりと笑った(ように感じた)
そして唐突に私の方を向いた
「おねーさん、だいじょぶ?」
私は茫然として何も言えなかったが、少年は言った
「うん、意識はあるみたいだし、疲れてるみたいだけど大丈夫だね。そこでみててねっ!」
少年は無邪気に笑ったが、その笑顔の奥には後方のトロルに向ける凄まじい殺気を帯びていた。
私は冷や汗が止まらなかった
この少年は何…?人間なの…?
「おめ、おでにかてるとおもってる?」
トロルは聞きにくい声でそう言った。
「勝てるよ。僕は強いからね。…雑魚は雑魚らしくすぐ死ねよ?♪」
「…あ゛?」
そうの直後ー
ドズン!
と音がした時には、トロルの頭はもう体にはついていなかった。
少年が何らかの方法で首を跳ね飛ばしたのだ。
「…はあ!?」
「何だ今のは!」
「てか誰だよあの子供!」
観客も騒めきだした。当たり前だ。誰も何が起こったのか分からないからだ。
全身に返り血を浴びた少年は400に及ぶ観客に高らかな声でこう答えた。
「皆さん!今日は"私が"代表を務めるコロシアムにお集まりいただき誠にありがとうございます。」
観客の一人が青ざめた顔で言った
「ここの管理人…ってことは…!?」
少年は言う。
「っと、申し訳ない。自己紹介がまだでしたね。
…私はヴェルザルト・ドラグニル。魔界の人間界親善大使であり、現大魔王の弟です。このコロシアムの館長でもありますね。皆さん、どうかこれからもご贔屓に。」
話を聞いて、私は戦慄した。
魔界の王家の一族の悪魔…!?
魔界には七つの王家が存在する。
パンドラ、ノア、ラミアス、グラム、アスカロン、ダーインスレイヴ、…そしてドラグニル
これらの王家は[七大罪]と呼ばれ、また大魔王の忠実な家臣である。
大魔王は七つの王家から最も強い悪魔が選出される。ドラグニル家はその中でもここ30000年以上大魔王の座を譲り渡していない。最も危険で強い家系だ。
その一族の悪魔が今私の前にいるのだ。
私は震えが止まらなかった。
「突然割って入って申し訳ありません。このような可愛らしい少女を見殺しにするのは耐えられなかったのです。代わりと言っては何ですが、これから少しショーをお見せしたいと思います。まあ単なる亜人を殺すショーですが。では、運営の皆さん、"アレ"を。そうですね…100ほど。」
ざわめきが走る。
あれの意味は分からないが、亜人を一人100匹で倒すなんて狂気の沙汰以外の何者でもない。そんな感じのざわめきだ。
単純にトロルであれば、一匹で一般人20人近くの戦闘力だ。つまりトロルクラスであれば一般人2000人を相手にするようなものだ。もうそれは戦争レベルだ。
有り得ない。
誰もがそう思った。
…そう、あの虐殺ショーが始まるまでは。
続く
なんかビミョーなとこで終わってしまって申し訳ないです。
ちなみに100匹の"アレ"はトロルではありません。もっと強い何者かです。
3話は来週中には書きます。…多分。
それでは!