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逆プロジェクトX  作者: 木林進
2章 Morphy One(モルフィワン)構想
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2/2

始まりはHP 200LXシリーズの生産終了を発表

当時、私もHP200LXユーザであり、単三電池で数週間動くこの端末を胸のポケットに入れて持ち歩くヘビーユーザでした。

【背景】

1999年7月、HPはHP 200LXシリーズの生産終了を発表しました。


当時、ニフティサーブにはHPユーザー向けフォーラム「FHPPC(Hewlett-Packard PC Users' Forum)」があり、日本最大級の200LXコミュニティとなっていました。

このフォーラムでは、

・日本語化ソフトの開発

・周辺機器の情報交換

・DOSソフトの紹介

・改造・修理情報

・オフラインミーティング

などが非常に活発に行われていました。


【生産終了に対する主な議論】

フォーラムでは大きく次のような意見が交わされました。


① 「代替機が存在しない」

最も多かった意見です。

ユーザーは

「生産終了は理解できる。しかし代替機が全く存在しない。」

と主張しました。

当時の他社製PDAには

・DOSが動かない

・Lotus 1-2-3が使えない

・単三電池で数週間動かない

・キーボードが小さい

・アプリ資産が使えない

などの問題があり、

HP200LXだけが唯一無二という評価でした。


② 「まだ十分売れている」

フォーラムでは

「売れていないから終了なのではなく、ニッチ市場として十分成立している」

という議論がありました。

また

・医師

・SE

・営業

・ライター

・プログラマ

など固定ファンが非常に多く、「少量生産でも継続できるのではないか」

という声が多数ありました。


③ 「次世代機を出してほしい」

単なる継続販売だけではなく

・CPU高速化

・CF対応強化

・メモリ増量

・日本語版

・液晶改善

など、「200LX後継機」の要望も非常に多く出されました。


④ 「署名運動をしよう」

これが最大の特徴でした。

FHPPCフォーラムのスタッフが中心となって

・HP本社への要望書

・署名活動

・店頭署名

・Web署名

を開始しました。


さらに

・東京・秋葉原

・名古屋・大須

・大阪・日本橋

で街頭署名まで実施されました。


⑤ 「予備機を買い占めよう」

フォーラムでは「壊れたら終わり」という危機感から2台目、3台目、予備機

を購入する動きが急速に広がりました。


報道では一人で6台購入したユーザーまで現れたと紹介されています。


一方で現実的な意見もフォーラムには冷静な見方もありました。


例えば、

・CPUが古すぎる

・DOS市場が縮小している

・開発費を回収できない

・HPは企業向けPCへ経営資源を集中している

ことから、「継続は難しいだろう」という意見もありました。


つまり、感情的には継続希望、経営的には終了はやむを得ない

という二つの立場が共存していました。


結果

ユーザー運動は非常に盛り上がり、

・多数の署名

・メーカーへの要望書提出

・街頭活動

まで行われましたが、HPの決定は覆らず、生産終了となりました。

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