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世界の終演を君に。  作者: 遠藤
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4

「っ……」


肩で大きく息をしながら、床へズルズルと座り込む。


「流石に、きついか……しょうがない」


もう一度だけ、とノートPCのEnterをクリックする。と、それに呼応するかのように、フロアの電気がボウ、とついた。


 


ここは西都タワーの54階。100階まであるから、ちょうど半分を過ぎたくらいのところ。目的地は100階、いや、その先だが……。


「芽依の侵入を防ぐためにも、正直すぐに”シャットダウン”したいんだけど……流石に無理か」


そう、たった今まで、ノートPCで西東タワーをハッキングし、すべての電源を落としていたのだ。扉から、電灯から、エレベーターに至るまで。とは言えど、100階まで階段で上がるのは無理があったようだ。


……それにしても。


「なんで芽依、すぐに追ってこなかったんだ……?」


そう、僕が西東タワーへ駆け出したすぐ後、芽依が走り去る足音が聞こえたのだ。


 


……なりふり構わず僕を殺しにくるのではなく。


余談だが、予定調和の崩壊というのは、一説によると人間に強烈な違和感を残すらしい。そして、違和感というのは無意識に発露、蓄積され……いつか別のものへと生まれ変わる。


 


「……ははっ、何だ、別のものって」


自分で考えたことながら、どこか末恐ろしかった。


まあそんなことはどうでもいいのだ。僕は、僕の願いを叶えるだけ。目的をただ達成すればいいだけのこと。この際、周りのことなんかに構っている暇はないのだ。


 


僕から凪斗を奪ったこの世界は、絶対に許さない。


凪斗がいない世界なんて、消えて仕舞えばいい。


神なんていない。いるとするならば、きっとそいつは性格が悪くて、意地悪で、最悪で……でもきっと、人を見る目のある奴だ。凪斗を僕のもとから連れ去ったんだから。


 


「待ってて凪斗、すぐいくから」


夜明けには、世界の終演を君に届ける。


Enterの音と共に、フロアに闇が満ちた。


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