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世界の終演を君に。  作者: 遠藤
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3

「……いつから知ってたんだ?」


漸く絞り出した声は、情けなくも震えて掠れていた。そんな僕の様子を見てか、芽依は更ににっこりと笑う。


「今は……まだ秘密。私が貴方を殺す時に教えてあげる」


それが単なる脅し文句ではないことくらい、僕が1番よく知っていた。


「1つ、賭けをしない?」


どこか弾んだ様な声で、彼女が言う。


「……賭け?」


「そう、賭け」


普段の温和な彼女には、とてもではないが似合わない言葉。でも今は、その身に纏う不穏な空気から、不思議と違和感は感じられなかった。


「貴方が世界を殺すのが先か、私が貴方を殺すのが先か。”互いが持てるもの全て”を使って、先に目的を達成した方が勝ち。貴方が勝てば、世界は終わる。私が勝てば、貴方は死ぬ。……楽しそうじゃない?」


生憎と、そう言って笑う彼女ほど、常識を失ったつもりはない。でもまあ、


「……悪くない。乗ったよ、その賭け」


断るなんて道は、すでに残されていなかった。


 


「ルールは、さっき言った通り。”互いが持てる力全て”を使って、自分の目的を達成するの。タイムリミットは……夜明け。いいかな?」


「あぁ……ゲームスタートも、君に任せる」


「わかった。じゃあ、今は17:47だから……18:00にスタートしよう」


 


傍目には、とても今から命と世界を賭けた者同士の会話とは思えないだろう。


……それにこの夕暮れ時に、西都タワーの下で向き合っていれば、もしかしたら恋人同士に見えるのかもしれない、なんて。


 


__馬鹿馬鹿しい。


 


どうせ世界は、今夜で終わる。僕が終わらせる。それに、僕はもうこの世界が大嫌いになったのだ、そんなつまらない想像に費やす時間なんて、微塵も無かった。


 


「精々頑張ってね、”テロリスト”さん」


「そっちもな、”殺人鬼”」


芽依の声に背を向け、西都タワーへと駆け出した。


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