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取り戻せ光!ジャンヌの祈り

 ハンドレッドアイザーの猛攻に対して与謝野テッパンは防戦を強いられ続けるが遂に限界を迎える。

 「その鉄屑も、これで終わりだな!」

 ハンドレッドアイザーの拳は遂にテッパンセンをへし折ってしまう。

 「磨那さん、ここは撤退する方がいいかもしれません。住民の避難という最低限の目的は達成出来ています。」

 テッパンは提案する。

 「確かに、今はジャンヌさんのこともありますし、ここは退きましょう。グランド・マジック!」

 与謝野テッパンは大地を隆起させる。

 「逃がすか。」

 ハンドレッドアイザーは隆起した大地を粉砕するが、既に与謝野テッパンは戦線離脱をしていた。

 「こうもあっさり逃げられるとは。だが奴らの限界はこの拳と目で確認出来た。次は勝つ!」

 ハンドレッドアイザーはムネトピア神殿に戻る。

 「グラメニア様、奴らに逃げられてしまいました。」

 「して、実際に交戦してどのように思えた?」

 「奴らの中で一番強いのは緊急撤退の技です。突風、濁流、ファイヤーウォール、そして大地隆起。こちらの妨害を封じつつ完全撤退を可能にする能力の存在が、こちらの追撃を常に逃れている為にトドメをさすに至っていません。ですが、あの技を撃たれる前に倒せばよいこと、奴らの力の限界を知れたことは重要な情報でした。それから…」

 「どうしたハンドレッドアイザー、まだ何かあるのか?」

 「はい。奴らは既に光の石を手に入れてはいるようでしたが、光の石はどうやら奴らに怯えて戦う力を失っているようです。」

 「なるほどな。ハンドレッドアイザーよ、奴らが光の石を使いこなせることなる前に、奴らの息の根を止めるのだ!」

 「仰せのままに。この身は、ムネトピア帝国の栄光と繁栄の為に!」

 ハンドレッドアイザーは立ち上がり、黒服兵を連れて神殿から出て行く。


 「磨那氏よ、だから言っただろう。今のジャンヌ氏を不用意に戦場に向かわせてはいけないと。これ以上ジャンヌ氏の心を閉ざそうとする姿は、見るに耐えない。」

 ネデスは磨那に言う。

 「そういうわけにもいきません。だってジャンヌさんの目、助けてほしそうな目をしていました。あんな辛そうな人を見て、放っておけるわけありません。」

 「しかしな…」

 ネデスは少し考える。

 「…わかった。ジャンヌ氏の件、私に任せてもらえぬか?少々荒療治が必要かも知れぬ。」

 ネデスはカッと目を見開いて磨那に言う。

 「荒療治って、そんな危険なこと!もしジャンヌさんが完全に心を閉ざしたら!」

 磨那は反論する。

 「無論、そこまで危険なことはしない。しかし、今のジャンヌ氏にはまだ、人の言葉を聞く意思が見える。なら、会話が可能な今の時点で、英雄としての誇りを取り戻させ、元の正義感溢れるジャンヌ氏に戻れるようにしてあげたい。何分、この中でジャンヌ氏の史実を見てきたのは、私しかいない。その時代をフラットストーン越しに見てきた私だから、ジャンヌ氏の悲惨さを語れる。ここは、私に任せてもらえぬか?ここにいる者は皆如何せん若い。私くらいオジジな方が話せる時もある。」

 「わかりました。ネデスさん、ジャンヌさんをお願いします。私達は席を外しますね。」

 磨那はネデスサファイアとダルクダイヤを置いて部屋から出る。

 「…ジャンヌ氏よ、何時までそうしているつもりだ?」

 「…だって、私が頑張った所為で、オルレアンの民はあんな風に。私は、みんなを騙した魔女だから、自分が生きる為に神との誓いを破ったのですから!」

 「それは違う。それは奴らがジャンヌ氏を魔女にでっち上げる為に意図的に行われたこと。ジャンヌ氏が神と交わした約束は、もとより存在していない。」

 「それは、私の信じる神の存在の否定になります。」

 「私は科学の名の下に信じるものを信じるから神は信じられぬが、それでも自分が信じた人だけは信じたい。」

 「ですが、私を信じた所為で、ジルは悪魔の所業に身を堕としました。私は、神にも捨てられ、民にも捨てられたのです!最後まで稀代の科学者と謳われたあなたに解りますか!」

 「人が他人の想いを理解できるわけがないだろう!だからこそ人は、人に自分を知ってもらおうと必死になる。時には、狂った程献身的に。時には、崇拝するが如く。」

 「その結果、一人の人生を歪めたのなら、やはり私は罪に塗れた卑しき者です!」

 「これは少々厄介だな。聖乙女と呼ばれる程の高潔さが仇となったか。だがジャンヌ氏よ、他者を傷付けない人はいるのか?いないであろう。ジャンヌ氏の信仰しているキリスト教において、異なる宗派、信者を悪魔と貶めて一方的に蹂躙してよいなんて教典はあるのか?あるのは死後に裁かれるという文言だけだろう。ジャンヌ氏の生きた時代は確かにこの世の地獄とも言えた。教会を牛耳っていた者は、みな異端者と呼んでも過言では無かった。己の快楽の為に魔女などという者をでっち上げ、その快楽に身を委ねていた。ジャンヌ氏も、そんな悪魔達の被害者の一人だ。」

 「それでは、私は何のために戦っていたのですか!私が信じていたものは、ただのまやかしだったのですか!」

 「はっきり言ってやろう。その通りだ!だとしたら、ジャンヌ氏はどうしてフラットストーンの呼びかけを応えた!それはまだ、ジャンヌ氏の中に、正義の為に戦う闘志が残っているからではないのか!」

 ネデスはジャンヌに説教にも近い言葉を放っていた。


 「性懲りもなく風の力か。その程度の速さで俺に勝てると思うな!」

 ネデスがジャンヌと話している頃、ナイチチゲイルは再び現れたハンドレッドアイザーと戦っていた。

 「だとしても、日本の平和を取り戻すまで、私は負けるわけにはいかない!トパーズ・リフレクト!」

 ナイチチゲイルは与謝野テッパンに変身する。

 「グランドドリル!」

 与謝野テッパンは左脚を軸にして高速回転し、土煙を発生させる。

 「結局は目眩ましか!」

 ハンドレッドアイザーは素早く突進し与謝野テッパンを掴もうとする。

 「今だ!ガーネット・アンガー!」

 与謝野テッパンはマリー・パットガネーヨに変身してハンドレッドアイザーを逆に掴むとジャンプする。

 「食らいなさい!炎下墜撃!」

 マリー・パットガネーヨはそのままハンドレッドアイザーの頭部を地面に叩きつける。

 「ぐっ、その力がここまでだとは予想外だったが、その程度か!」

 ハンドレッドアイザーは立ち上がり、マリー・パットガネーヨを殴る。

 「ぐはっ!」

 マリー・パットガネーヨは短い悲鳴をあげ、その身体は5メートル程吹き飛ぶ。


 「磨那氏は今もこうしてこの故郷を取り戻す為に戦っている。私は、最初こそフラットストーンに対する科学的好奇心から貧乳超人になる道を受け入れた。だが今は違う。磨那氏に出会い、ナイチンゲール達と合流し、ウォールストリートの皆さんと交流を深めていく中で、他者を信じる勇気を得られた。ジャンヌ氏よ、この老いぼれの話を聴いても尚立ち上がるのを拒むのならもう余計なことは言わない。好きにするがよい。だが忘れるな。お主が死しても尚、お主が貶められても尚、お主を信じてお主のもとに向かおうとした者がいたことを。私から話せることは以上だ。麗雄氏、こちらに来てくれぬか。私も磨那氏に合流する。」

 ネデスはモニター越しに麗雄を呼ぶ。

 「私を信じてくれた人…」

 ジャンヌは目を閉じる。

 『…ジャンヌ、我らが聖乙女。』

 ジャンヌの心象風景の中にかつて自身を支えた参謀、ジル・ド・レェが現れる。

 『ジル…』

 『確かに、私は悪魔として火刑に処されました。しかし、それに後悔はありません。私は、あなたを信じ、あなたの支えになり続けたい。そう思えたからこそ、私はあの行いが出来た。ジャンヌ、あなたは優しい。しかし、その優しさが悪魔に付けいられる隙になってしまいました。』

 『なら、やっぱり私が軍に入らない方が、オルレアンの為になったはずです!』

 『それは違います。あなたの優しさこそが、民に力を与えたのです。あなたの存在は、軍や教会が私物化すべき物では無いのです。ここまで言えば、もう答えは見えているはずです。我らの聖乙女は、知性溢れる存在であるとこのジル・ド・レェ、認識いたしております。』

 『…ありがとう、ジル。私、また頑張ってみる。』

 『その調子です。頑張ってください。』

 ジルからの励ましを受け、ジャンヌは目を開く。

 「おじさん、お姉ちゃんの所に行けばいいんだね。」

 「うむ。」

 麗雄は磨那の部屋に入りネデスサファイアを手に取る。

 「待ってください!…その、私も…私も連れて行ってください!」

 ジャンヌは勇気を振り絞って言う。

 「その言葉、待っていたぞ。麗雄氏、彼女も連れて行ってほしい。」

 「うん、わかった。いくよ、走哮覚醒!」

 麗雄はレオパルタクスに変身して駆け抜ける。


 「随分と手こずらせてくれたな。だが、それもこれまでだ!」

 ハンドレッドアイザーは拳を振り上げる。

 「待て!」

 レオパルタクスは体当たりをしてハンドレッドアイザーを突き飛ばす。

 「麗雄君!」

 「お姉ちゃん、はい!」

 レオパルタクスはマリー・パットガネーヨにネデスサファイアとダルクダイヤを渡す。

 「ジャンヌさん…」

 「磨那さん、私、思い出せました。今の私は貧乳超人のヒンヌー・ダルク。ダイヤモンド・シャインと叫んでください。私の力が扱えるはずです。」

 「磨那氏よ、この通りジャンヌ・ダルクは無事戦う意志を取り戻した。ここから逆転だ。」

 「ネデスさん、ありがとうございます。行きましょうダルクさん!ダイヤモンド・シャイン!」

 マリー・パットガネーヨは白く輝く光に包まれ衣服は光になる。その光は胴、腰、両手、両足の鎧となり、腕と脚には銀色のフリルがあしらわれる。

 「目映い聖なる光、ヒンヌーダルク!」

 「おのれ、とうとう光の力を手に入れたか!だが、その程度で敵うと思うな!」

 ハンドレッドアイザーはヒンヌーダルクに向かって突進する。

 「来て、シャインフラッグ!」

 ヒンヌーダルクは先端が槍のようになっている旗を出現させる。

 「無駄だあぁっ!」

 ハンドレッドアイザーは殴りかかるが、ヒンヌーダルクはシャインフラッグをはためかせながら避ける。

 「シャインブレード!」

 ヒンヌーダルクは西洋剣を出現させる。

 「これでトドメだ!平和を願う貧乳超人が、お前の悪意を消し去ってみせる!シャインインパルス!」

 ヒンヌーダルクはシャインフラッグでハンドレッドアイザーを絡め取る。そして、シャインブレードで縦一文字にハンドレッドアイザーを切り裂く。

 「ぐぎぎっ!もっとおっぱいを見たかった…ムネトピア帝国に、栄光あれ!」

 ハンドレッドアイザーは断末魔をあげて爆散すると、磨那は変身を解除した。

 「ダルクさん、これからもよろしくお願いします。」

 「磨那さん、こちらこそ今度こそ正義と平和の為にこの力を使わせていただきます。」

 ダルクは優しく微笑んだ。

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