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交差点
聞こえないフリをしていた。大好きな君の声も、大嫌いな家族の声も。耳を塞いで、聞こえないと喚いていた。
目に涙を溜めて、僕の顔をじっと見つめる君。すっと伸びた白い手が、絵の具に塗れて汚れている。
ごめんなさい、なんて今更遅い。許してください、なんて今更遅い。誰も彼も、僕が傷付けてしまった。そして逃げた。
僕が君の声を聞いていれば、こんなことにはならなかった。きっと君は大声で、僕の名前を叫んでいた。それを僕は無視して、走っていた。
車通りの多い、大通りの交差点へ。
聞こえないフリをしていた。大好きな君の声も、大嫌いな家族の声も。耳を塞いで、聞こえないと喚いていた。
目に涙を溜めて、僕の顔をじっと見つめる君。すっと伸びた白い手が、絵の具に塗れて汚れている。
ごめんなさい、なんて今更遅い。許してください、なんて今更遅い。誰も彼も、僕が傷付けてしまった。そして逃げた。
僕が君の声を聞いていれば、こんなことにはならなかった。きっと君は大声で、僕の名前を叫んでいた。それを僕は無視して、走っていた。
車通りの多い、大通りの交差点へ。
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