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アクマで魔法少女ですので  作者: ココア


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第186話:ライトボールの練習とその後ろで

「皆さんも使えるライトボールですが、違いが分かる人は居ますか?」


 ライトボールとは違い本当に光っているだけのライトだが、先日練習したため完璧に使えるようになっている。


 通常のライトとの一番の違いは、二層で発動している事だろう。


 後は消費魔力が少ないのと、光量の調整が出来る点だが、これについては明るさを変えていないので今は分からない。


「はい!」

「はい、キアラさん」


 そんなエメリナの質問だが、手を挙げたのキアラだけだった。


 エメリナに魔法を教えて貰っているキアラが、このライトについて知っている可能性もあるが、流石にそんなドジをエメリナがするとは思えない。


「ライトを二層にして発動しています」

「正解です。良く分かりましたね。これは通常のライトとは違い、ライトの中にライトを唱えたものになります」

「……それに意味はあるのか?」

「はい。様々なメリットがあります。少々お待ち下さいね」


 エメリナはホワイトボードにメリットを箇条書きで書き出す。


 俺も気付いていなかった事も書いてあり、流石冒険者だと思わせられた。


 このライトだが、全方位を照らすだけではなく、懐中電灯の様に一方方向を照らす事も可能なのだ。


 ライトとは光を操る魔法なのだが、光から光が漏れないようにすることで球体の前だけを光らせる事が出来る。


 少し闇魔法に似ている感じもするが、光は光らせること以外も出来るのだ。


 鎖にしたり結界を作ったりしているので今更だが、視点が違えば考えも変わり、過程が違えば答えも変わる。


 使うか使わないかならば使う事はないが、ちょっとした閃きが助けになる事があるので、こういった事をしっておいて損はない。


 ついでに時間差の閃光玉としても使え、時間差があるのでパーティーで事故を起こしにくいなんてのも面白い。


「この様に、簡単な魔法でもちょっと使い方を変えるだけで、様々な使い道が生まれます。光属性は他の属性に比べ少々難しいですが、使える様になればとても有用な魔法です。この中で、回復魔法を使える方は居ますか?」


 俺以外がスッと手を上げるので、面倒だが俺も上げておく。


 誰か使えない奴がいれば合わせても良かったが、周りに合わせておいた方が無難だ。


「皆さん優秀ですね。先程少しお話しましたが、正しい知識があれば、回復魔法の威力は上がります。回復魔法については座学が多くなってしまうのと、扱いが難しいので学ぶのは先になりますが、最低限扱えるようになる事を約束します。さて、今日はライトの練習をしましょう」


 回復魔法の練習をするのは良いが、怪我人はどうするのだろうか?


 都合よく怪我人がを呼んでこれるなんて事は無いだろうし…………と思ったが、小さい怪我なら剣術科とかで沢山出来るか。


 実技を学ぶ以上は怪我をするのは当たり前であり、その実技の科目は沢山ある。


 適当な所と合同で授業をすれば大丈夫なのだろう。


 教室のカーテンをエメリナが閉めた事で薄暗くなり、エメリナのライトが通常のライトとは違う事がはっきり分かるようになる。


「それでは始めて下さい。分からない点がありましたら、何でも良いので聞いて下さいね」


 始めて下さいと言われたものの、既に使えるわけだが……どうしたものか……。






1







 薄暗い教室の中で、ハルナ以外の四人は直ぐにライトを発動させるが、流石に一発で成功とはいかない。


 それは魔力チートを持っているアントワネットも例外ではない。


 現存の魔法は最上級まで使えるが、魔法をアレンジなんて事はアントワネットは考えたことがなかった。


 これはこの世界がゲームの世界だと思っている弊害なのだが、魔力が実質無限であり、魔法も最上級まで使えるのに、これ以上必要なのか思っているのだ。


(こんなものを覚えなくても、普通にライトで良いと思うんだけどなー)


 授業であるので一応覚えようとはしているが、アントワネットに授業への関心はほとんど無い。


 気にしているのは王子であるマフティーと、隠しキャラ……だと思っているハルナだけだ。


 学園で起こるイベント。ゲーム風に言えばサブイベントをこなしてきたが、今のところハルナとは一度として出会っていない。


 最初の大きなイベントであるテロ事件ではアントワネットが何かする前に裏ボスであるヨルムが解決し、何がなんだか分からなかったが、アーシェリアの評価がイベントと同じく下がったので、とりあえずは良しとした。


 そしてイベントをこなしながらゲームとの差を探したり、ハルナについて情報を集めたりしてきたアントワネットだが、結局ハルナのことはほとんど分からなかった。


 平民でAクラスなのは学園としては凄い事なのだが、その上位互換としてアントワネットとヨルムが居るのと、あのアーシェリアが気に入っている存在だとSクラスでは噂が流れているため、態々ハルナへと近づく人がほとんどいない。


 更にクラスも違うので、いくら頑張っても情報らしい情報を集める事が出来なかった。


 それなのに、選択授業の四つの内二つが同じである。


 ゲームに関係あるキャラだと思ってしまうのは、仕方のない事だと言えよう。


(……中々難しいわね。原理は懐中電灯みたいな感じなんだろうけど、エメリナ先生みたいに上手くはいかないわね)


 アントワネットだけではなく、他の三人共魔法に集中しているせいか、周りを見る余裕が無くなり始める。


 なので一発で成功させ、エメリナに何も言わないようにジェスチャーをしているハルナの行動を、見る事が出来なかった。


 既に見て尚且つ練習していたので出来て当たり前なのだが、練習をしているとは思わなかったエメリナは純粋に素晴らしいとニコニコと笑顔を浮かべる。


 この魔法はエメリナがまだ冒険者になって間もない頃に作り出したものだが、相応の苦労をした。


 魔法を覚えるのと、魔法を作り出すには雲泥の差があるが、魔法を改良するのもかなり難しい。


 それを当時パーティーを組んでいたアンリの協力があったにせよ、改良したエメリナは天才と言えよう。


 そしてそのエメリナをも上回っているハルナ。


 人によってはハルナに恐怖を感じてもおかしくないのだが、ハルナが悪ではないと思っているエメリナからすれば、流石の言葉しか出て来ない。


 またハルナの作り出したルミナスチェーンだが、この一週間あまりでエメリナは二本ならばほぼ完璧に操れるようになっていた。


 ハルナの様に密度の操作はまだ覚束ないが、物を持ち上げたり多くの物を取ったりなんて操作も今ではお手のものだ。


 この魔法は魔法の練習の面ではかなり優秀であり、ルミナスチェーンを自由に使えるようになったエメリナの魔法の腕はヨルムと戦った時よりも上がっていたりする。


「皆さん苦労しているようですね。まずは普通にライトを使うよりも、少ない魔力で使うのを意識して下さい」


 基本的に魔法を使う際は、なるべく魔力を込めた方が良いとされている。


 それは魔法が戦いを主軸に置かれたものと認識されているからなのだが、このライトの魔法はハルナが考察した様に低燃費の魔法となる。


 なので、下手に魔力を込めるよりも、込める魔力を少なくした方が扱いやすいのだ。


「ふむ……そういう事か。分かればなんてことが無いが、これを一から考えたとなると、流石としか言えんな」


 四人の中で最初に成功させたのは、意外にもアントワネットではなくマフティーだった。


「良いですね。その状態で明るさの加減と、方向を絞れるようになれば完璧です」

「簡単に言ってくれるな……だが、その程度やって見せよう」


 それからほどなくしてアントワネットが成功し、続くようにして残りの二人も直ぐに成功した。


 だが、操る事についてはアントワネットが頭一つ抜けており、エメリナが最初に見せた通りに光量の調整等をやってのける。


 それに負けないように三人が頑張る中、ハルナはエメリナと少し面白い事をしていた。


 四人が練習しているその後ろに、エメリナと一緒に鎖を呼び出し、軽い戦いをしていたのだ。


 お互いに言葉は無かったものの、ハルナの誘いにエメリナは直ぐに気付き、自然体を保ちながらハルナの呼び出した一本の鎖と、自分が呼び出した鎖を戦わせ始めたのだ。


 お互い無言で始めたのでルールは無いが、お互いに同じことを考えていた。


 バレた方が負け。


 ルミナスチェーンは光魔法なので光ってしまうが、四人がライトの練習をしているため目立つほどの明るさではない。


 本気を出せば魔力が無限に使えるハルナが勝てるのだが、そんな大人げない事はしない。


 エメリナの魔力量に合わせる形で、鎖で決闘紛いな事をしていた。


 エメリナは頬を伝う汗を自然な素振りで拭いながら、何とか授業が終わるまで耐えきった。


 ついでに四人共最低限魔法を使えるようになり、最後にハルナを含めて一人ずつ魔法を披露する……背後で鎖が舞っている中で。

 

「お疲れ様でした。後は時間がある時に練習し、練度を高めて下さい。次回は座学が中心となるので、教科書を忘れないようにして下さいね」


 ギリギリまで魔力を酷使したものの、エメリナは最初と同じ笑顔でハルナ達を見送る。


 今回もただ観察するだけで終わったアントワネット。


 特に気にすることなく授業を受けていたマフティー。


 実は後ろで起こっている事に気付いたものの、何も言えなかったキアラ。


 普通に授業を受けていた生徒。


 そして、授業とは全く関係の無い事をしていたハルナ。


 中々前途多難な滑り出しとなるのだった。


「――これは……」


 授業も終わり、一息いれようとしたエメリナだが、ふと魔力が回復した事に気付く。


 どうしてかと軽く辺りを見回すと、空中に溶けていく鎖が見えた。


 ハルナが魔力を分けてくれたのだと理解し、軽くなった身体で今日の授業についての纏めと、学園の仕事を始める。


 出来れば教会に入って欲しいと考えているエメリナだが、どうにかしていい方法がないか考えるエメリナなのだった。


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授業中のコソッと指相撲レベル100
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