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アクマで魔法少女ですので  作者: ココア


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第187話:朝の一幕と約束

「今日もいい天気だね~」

「今日は珍しく早いですね」


 エメリナで遊んだ次の日の朝。


 いつもの様にあさから朝食を作っていると、いつもよりも早くシルヴィーが起きて来た。


 いつもシルヴィーが起きるのは朝食の時間ギリギリか、俺が朝食を作り終わって一服している時だ。


 俺が朝食を作り始める位に起きるのはかなり珍しい。


「たまたまね~。今日のご飯は何かな~?」

「フリッタータとクリームシチュー。それからパンですね」

「フリッタータ?」

「卵焼きみたいなものです」


 名前はあれだが、卵に具材を混ぜ合わせてフライパンで焼いただけのものだ。


 混ぜる具材は何でも良いが、今日は無難にチーズとベーコンと適当な野菜を混ぜて作る予定でいる。


 クリームシチューはそのままクリームシチューであり、野菜マシマシで作っている。


 クリームシチューはじっくりことこと煮込んだ方が美味しいので、ヨルムに弱火でかき混ぜさせている。


「へー。美味しいの~?」

「焦げない限りは美味しいはずですね。因みにクリームシチューはヨルムのお墨付きを貰っています。ヨルム。つまみ食いは程々にして下さいね」

「うむ」


 大量に作らせているので、多少つまみ食いされた所で問題ないのだが、言っておかないと際限なく摘まみ食いするので、注意しておかなければならない。


 どんどんヨルムの食に対する欲望が高くなってきている気がするのだが、気のせいだろうか?


「それは楽しみだね~。来週の週末って空いてる~?」

「今のところ予定はありませんが、どうかしましたか?」


 なんの前置きもなく話が変わったが、風の向きが急に変わるのはよくあることなので、気にすることはない。


「この前貰った絵であれからまた少しあって、クシーちゃんとかとお茶会をしようって話しになってね~」

「つまり、私に用意をお願いしたいと?」

「それと参加もだよ~。クシーちゃんもハルちゃんに会いたがってるからね~。リベンジに燃えてたよ~」


 ふむ……ふむ……そうかそうか。


 たまにはちゃんと戦いたいと思っていたし、丁度良いな。


 前回は不意を突いて勝っただけであり、最初からあの力を使われていればおそらく負けていた。


 出来ればなにやら仕様が変わった強化フォームを試してみたいが、今回は普通にアルカナを使って戦うとしよう。


「それでしたら喜んで参加させて頂きます。お菓子について何かリクエストはありますか?」

「美味しければ何でも良いけど、出来れば初めての物が良いな~」


 初めてか……基本はクッキー類で、たまにホットケーキやパンケーキ作っているが……何か良いのはあるだろうか?


(何か案はあるか?)


『マカロン!』


『錦玉羹なんてどうです?』


『ドボシュトルテなんてどう?』


 なんで素人相手にどれもこれも、作るのか大変な物を勧めてくるんだ?


 そもそもドボシュトルテなんて名前は聞いた事があるが、どんなものか見たことすらない。


 タルトの仲間か?


 錦玉羹は模様次第とはなるが、普通に作る事は可能だ。


 これはマカロンにも言える事だが、問題は材料がこの世界で調達できるかどうかだ。


 とりあえず案を出せと言ったが、こいつらがそこまで考えているとは思えない。


(その中で実際に作れそうなのは?)


『作ろうとすればどれも作ることは出来るね。材料についても一週間もあれば揃えられるし、特殊な機材とかも必要ないからね』


(一応料理のイメージを送ってくれ)


『了解』


 ……なるほどなるほど…………どれも悪くないな。


 ただ飲み物の相性もあるので、錦玉羹を作るならばエルフ茶を淹れる事になりそうだ。


 悩むが、ここはマカロンとドボシュトルテにしよう。


 ドボシュトルテだが、ドボシュトルタともいうらしいが、タよりもテの方が発音しやすいので、ドボシュトルテで良いか。


「承知しました。飲み物はコーヒーで良いですか?」

「勿論だよ。ただ、一応紅茶もよろしくね~。ついでに、一杯貰える~?」

「朝食準備が終わるまでは待っていて下さい。そろそろ終わりますので」

「は~い」


 俺の後ろで浮いていたシルヴィーは、テーブルへと移動して座る。


 話しながらでも全く手元が狂わずに料理が出来るようになってきたのは、鎖による思考の強化のおかげだな。


 フリッタータを焼くまえまでの準備を終えたので、一服するためのコーヒーとクッキーを準備する。


 ライネから買ったシルクと蜂蜜はまだ在庫があるが、思っていたよりも早くなくなりそうだな。


 後で仕入れに行こう。


 この前はそこまで大量には買わなかったが、今度は一気に買ってしまう。


 アイテムボックスがあるので腐らないし、どうせ沢山使うからな。


 丁度明日は休みだしリディスを鍛えようと思ったが、魔界で色々と用事を済ませに行くとしよう。


 かえでもあれからそこそこ時間が経ったし、様子を見に行くには丁度良い。


 魔界で思い出したか、来週は召喚もあったな。


 リディスが何を召喚するか分からないが、Sクラスの面子的に何かしら問題起きそうだ。


 召喚については希望者兼追加料金を払える者のみとなっているが、召喚時の見学は誰でも可能となっている。


 とは言っても、見学に行く人間はほとんどいないらしい。


 それもそうだろうという理由だが、単純に危険だからだ。


 学園には相応に強い教師が居るが、召喚が絶対に安全になることはない。


 ゼアーから貰った資料では、例年死者が出ている。


 デメリットもあるが、メリットも大きいので受ける人も居るが、その逆も然りだ。


 アーシェリアのようにな。


 シルヴィーとヨルムに相槌を打ちながらコーヒーを飲み、良い時間になったのでフリッタータを焼いたりと残りの作業を始める。


 今日はダンジョン科の授業だけではなく、ティーパーティークラブの初日でもある。


 既にリリアによって荷物は運び込まれているが、開封等は何もしていない。


 先にやってしまっても良かったが、こういった事は皆でやった方が良いと、とある筋(アンリ)からの提案があったからだ。


 いかせん学生のノリや沢山の人で何かをやるってのは苦手なので、ここは素直に従っておく事にした。


 俺の中には対人能力が高いソラが居るには居るが、こいつは役に立たない。


 役に立たないとは語弊があるが、アルカナとは違いソラはイレギュラーな存在だ。


 イレギュラーと言えば俺もだが、諸々の理由でソラは死んだ事を受け入れ、完全に中にすっこんでいるのだ。


 まあその癖アクマやエルメスとは色々とやっているみたいだが、アクマ達とは違いあまり強く言う事が出来ない。


 この前の件は流石に看過出来なかったので、しっかりと釘を刺す事になったがな。


「こちらを運んでおいて下さい」

「うむ。任された」

「シルヴィーは先に、テーブルに座っていて下さい」

「はいは~い」


 朝食を作り終わったら他の使用人達の分をヨルムに運ばせ、俺達の分は俺が運んでおく。


 しかし、もうそろそろ料理から手を放したいが、中々良い人材が見つからない。


 朝食はコーヒーを飲むついでなので構わないが、夕食だけでも良いから変わりが欲しい。


 いっその事魔界から連れてくるのもありか?


 サタンの方は無理だろうが、メーテルなら報酬次第では紹介してくれるかもしれない。


 …………いや、止めておくとしよう。


 俺がメイドとして働いている間ならばともかく、先の事を考えれば魔界から人を呼んでくるのはあまりよくない。


 シルヴィーに後始末を頼めば良いだけかもしれないが、自分で尻ぬぐい出来ない事をするのは流石の俺でも躊躇する。


 人生とは中々上手くいかないものだ。


「おはようございます。本日の朝食はフリッタータとクリームシチュー。サラダとパンになります」


 全員が集まったところで朝食の紹介をし、リディスが食べ始めてから食べ始める。


 そして食べ終わったら片付けと並行してお弁当を作る。


 アーシェリアとクルルの分が増えた分、作る量はかなり増えた。


 手間自体はそこまで変わらないが、洗い物が増えたのが少々面倒だ。


 まあ洗い物は他の使用人やヨルムに任せる事が多いので、そんなに関係ないけど。


 お弁当の準備が終わったら、登校の時間となる。


 今日も一日頑張るとしよう。

 

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― 新着の感想 ―
平穏な朝の風景ありがたい。 ヨルムさんにはどこかで限界までごはん食べさせてみたいね。 召喚、ゲーム世界になにかしら影響があるならろくでもないのが潜り込んできそうだけど、とりあえず、餌付けできそうなの…
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