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アクマで魔法少女ですので  作者: ココア


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第171話:ダンジョンのあれこれ

 ダンジョン。


 学園のダンジョンは洞窟型と呼ばれるダンジョンであり、中は薄暗い。


 壁には松明が一定間隔で灯っているが、出来れば他にも光源が欲しい。


「ダンジョンの魔物はダンジョンが産み出すものであり、運が悪いと真後ろに現れるなんて事もある。産まれたての魔物は弱く、産まれるまでも間があるため、気付く事が出来れば良い的となる」


 そう言えば昔、一度だけ魔物の発生に立ち会ったことがあったが、結構の間があったな。


 あの頃はまだ魔法少女に成り立てで現れるまで待っていたが、待たずに魔法を撃っておけば良かった。


「それと、エメリナ先生お願いします」

「はい」


 ふとダンジョン内が明るくなり、足下もしっかりと見えるようになる。


 エメリナの魔法か。


 ライトにしてはかなり範囲が広く、それでいて刺すような痛みではなく、包み込むような柔らかな光だ。


 感じる魔力は僅かな物であり、省エネモードって奴だろう。


「薄暗いダンジョンでは、光源を確保する事が大事だ。一番は光魔法であり、時点で火魔法だ。通常は魔導具だが、もしもの時は魔法でどうにかしなければならない」


 魔法で光源を確保すれば、魔導具代は浮くし、技量次第だが戦いの際に有利を取る事が出来る。


 だがデメリットとして魔力の消費というものがあるし、そもそも光魔法については使える人が少ない。


 火魔法を次点で上げているのは、問題点があるからだろう。

 

 密閉空間ならば酸素の問題もあるし、扱いをミスれば持ち物を燃やしてしまうなんて事も起こり得る。


 これ位広いダンジョンならば酸素の問題は大丈夫だろうが、絶対に大丈夫だとは教師としては言えないのだろう。


 さてエメリナのライトだが…………ライトを二層に展開し、外を少し暗めに設定しているのか。


 中のライトを循環させて光量を調整し、そうする事で明かり過ぎないながらも広い範囲を良い感じの光で照らしているのか。


 それでいて魔力の消費もかなり少なそうなので、中々侮れないな……使うか分からないがパクっておこう。


 タネさえ分かれば、この程度は直ぐに再現できる…………おや?。 


「おっと魔物の気配がするな。今魔物が来ていると感じ取れているのは居るか?」


 教師の言葉に上級生が数名手を上げるが、一年生は誰一人として手を上げない。


 そして手を上げた上級生達は装備からして、レンジャーやスカウト系なのだろう。


 思っていたよりも、優秀そうだな。


「まだ見えていないが、もう少し進めば魔物が見えてくる。魔物との戦いは先手必勝だが、もしかしたら他のパーティーが戦っていたり、罠を仕掛けられていることもある。何より、光を灯している以上、先に気付かれる可能性の方が高い」


 こんな薄暗い所にいる魔物の目が夜目なのは当たり前であり、先手を取られるのが普通なのだろう。


 先手と言っても初心者コースでは弓や魔法が飛んでくる事は無いだろうが、飛び掛かってくる位はしてきそうだ。


 先手さえ取れれば、格下が格上を倒せることもある。

 

 なんにでも言えることだが、先手とはとても重要なものであり、取っておいて損はない。


「そしてダンジョンでは、役割分担が重要となる。当たり前だがソロでダンジョンに入るのは酔狂な者か、余ほど腕に自信がある奴位だ。大きく分ければ前衛と後衛になり、そこから更にクラスに分かれる。特にダンジョンでは盗賊やレンジャーと言ったクラスは必須であり、最低でも一人は組み込んだ方が良い。重要性は、今の挙手で分かったはずだ。それと初心者コースには無いが、罠の解除も必須技能の一つだ」


 教師は跳び掛かって来たゴブリンをグーパンで倒し、何事も無かったかのように話す。


 こんな大人数で話しながら歩いていれば、魔物が先に気付くのは当たり前であり、ダンジョンで静かにする必要性を説いたのだろう。


 仮に先手を取られたとしても、動揺せずに対応する大切さも見せてくれている。


 見ている分には、美術科とはまた違った面白さがある。


「とは言ったが、ダンジョンへの潜り方は人それぞれであり、必須だからと絶対にパーティーへと入れなければいけないわけでもない。だが、生存率を高めたいのならば、バランスの良いパーティーを組んだ方が良いだろう。詳しくはダンジョン科に入ったら教えよう。さて、もう少し進むとセーフティーポイントがあるので、そこで一度休憩を取ろう」


 最初だけは教師がグーパンで魔物を倒したが、それからは上級生が、襲って来た魔物を倒し、その様子を眺めた。


 強さはひとまずおいといて、戦い方は様になっている。


 一人で戦うのではなく、あくまでも仲間と共に戦うという方法は俺には取れないが、見ている分には参考になる。

 

 トラップを力技で打破しながら進むなんてのは愚の骨頂であり、出来る事ならば解除した方が良い。


 魔力の節約にもなるし、安全性は確かだ。


 ダンジョンに入ってから、時間にして一時間程でセーフティーポイントであろう広場に辿り着く。


 通路よりは明るいが、やはり薄暗い。


 それでもこの人数でも寛げる程度は広いが、床は地面となるので、座るなら敷物が欲しくなるな。

 

「ほとんどのダンジョンにはこの様なセーフティーポイントがあるが、難しいダンジョン程セーフティーポイントが少なくなる傾向にある。セーフティーポイントではしっかりと休む事が大切だが、注意しなければならない事もある。そこの一年生よ、分かるかね」

「え、えーっと……武器に手入れですか?」


 セーフティーポイントということもあり、いきなり質問をされた生徒だが、無難な回答をする。


 間違ってはいないだろうが、それは注意ではなくやっておかなければならない事だ。


 そしてこの教師の質問の答えは実戦経験者ならば直ぐに分かるだろうが、これまで戦いなんてほとんどしてこなかった生徒では分かる事は無いだろう。


 或いはスラムからの生え抜きなんかが居れば別だが、平民の入学者と言っても、比較的裕福な生徒ばかりであり、所謂底辺出身はあまりない。


 なので、教師の質問の意図は理解出来ないだろう。


「確かに武器の手入れも大切だが、正解は他のパーティーの冒険者だ。セーフティーポイントには他のパーティーや冒険者なんかが居る事が多く、中には略奪をするためセーフティーポイントに居る冒険者なんかも存在する。なので、セーフティーポイントだからと気を抜きすぎないように。学園のテストでは、セーフティーポイントで襲うなんて事もあるからな」


 上級生達は苦笑いを浮かべ、一年生達には緊張が走る。


 やはり俺が考えていた通りだな。


 人間の敵は人間とはよく言ったもので、魔物が居ないからと気を抜けば、狩られてしまうって事だ。


 だからこそソロは危険であり、パーティーを組む事の大切さを教師は説いてくれている。

 

「さて、折角なので何か質問はあるかな? ……お、良い挙手だ。それではそこの君」

「はい。パーティーってどれ位の人数で、どの様なクラスで組むのが良いんですか?」

「良い質問だ。理想としての話となるが、前衛三人に後衛二人。それから遊撃が一人だな。なるべく偶数で組むのが良いとされている。これの詳細もダンジョン科に入ったら教えよう。詳細の内訳だが前衛はタンク一人とアタッカー二人。後衛はサポーターが一人とアタッカーが一人だ。遊撃は盗賊やレンジャーだな。あくまでも理想なので、縛られる必要はない。他に質問は……あるようだな」


 バランス……大事だとは思うが、この世界でタンクって需要はあるのだろうか?


 魔法も慣れれば直ぐに発動させることが出来るし、何なら剣を振るいながらなんて事も可能だ。


 詠唱すれば魔力消費の軽減に繋がるので、必要と言えば必要かもしれないが…………まあ必要という事で良いか。

 

 休憩ついでの質問は二十分ほど続き、十分に休めたという事でダンジョンの外へ向かって歩き出す。


 所謂体育会系の教師に見えるが、説明は丁重であり理に適っているように見える。


 多少口調が荒いが、ダンジョンの危険性を伝えるならば丁寧な言葉よりも多少高圧的な方が大事であり、決して貶すような事はしていなかったので、教師としての格もありそうだ。


 俺が試験の時に戦った教師とは大違いだな。


 帰りもダンジョンについてのレクチャーがあり、魔物は上級生達が軽く倒して問題は起きない。


 そして行きと同じく一時間程で外に到着した。


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― 新着の感想 ―
ハルナの場合、一人であっても、アルカナたちがサポートしているからある意味でパーティープレイだし。 物理アタッカーのフユネとか斥候のアクマとか。
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